バルベルデが早くもステージレースで総合優勝! 骨折から復活のバルベルデが早くもステージレースで総合優勝!衰えぬ最強ベテランの走りはさらに研ぎ澄まされる!「怪我前より強いかはわからない」も早くも勝利量産体制へ

昨シーズンツール・ド・フランスのプロローグの個人TTで落車しそのままコース脇のフェンスにつっこみ、足を骨折の大けがを負ったアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)だが、今シーズン開幕に間に合っただけでなく、早くも結果を出して見せた。手術を受け2か月間は自転車にまたがることさえできなかったが、順調に回復とリハビリを続け、自身の開幕戦でいきなりの総合優勝を飾り、完全復活を遂げた。年間王者を一つの目標に掲げ、安定した年間成績を残し続けてきた男の今シーズンに早くも期待がかかる。

『スプリントでも勝利 @Tim D Waele』

『まだまだ衰え知らず @Tim D Waele』
今シーズン本人にとっての開幕となったヴォルタ・ア・ラ・コミュニタット・ヴァレンシア、その第2ステージでいきなり見せ場はやってきた。5つの山岳を超えるこのステージ終盤、ヤコブ・フグルサング(アスタナ)とルイス・レオン・サンチェス(アスタナ)とともに逃げを敢行すると、そのまま最後まで逃げ切り、そして1対2という不利な状況でのスプリントでもそのスプリント力を見せつけステージ勝利を挙げ、そのまま総合リーダーに躍り出た。
よく第3ステージ、ここで自転車の神はバルベルデの味方をすることとなる。チームTTとなったこのステージだったが、天候の状況が芳しくなかったことで、主催者はこの日のタイムを総合争いには含めず除外するとしたことで、バルベルデは本来失っていた総合リーダーの座をすんなりと守り切る形となった。

『山岳でも勝利 @Tim D Waele』

『いきなりの総合優勝 @Tim D Waele』
そして第4ステージ、クイーンステージで再びバルベルデがその強さを見せる。アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が何度となくアタックをしこの日の勝負を優位に進め続けたが、残り数百メートルでバルベルデがアタック、これにだれもついていくことができずに今大会2勝目を挙げるとともに、総合優勝を確定的とさせた。アスタナは2枚看板で勝負に出たが結局空砲に終わり、バルベルデ一人にしてやられた形となった。
最終第5ステージも無難にこなしたバルベルデはLLサンチェス、フグルサング、イェーツと言ったグランツールで活躍する常連たちを抑えての総合優勝、間違いなく復活してきたとみていいだろう。怪我をする前より強くなったのでは?との問いには「そんなの自分では怪我前より強いかなんてわからないよ。」と話したバルベルデ、これからの春先のレースでどこまでここ数年並みに勝利を量産するかで今シーズンの活躍が見えてきそうだ。
安定感抜群のベテラン、絶対的な強さより崩れない強さ、そして揺るがないメンタルを持つこの男は、地味ながらも世代最強にふさわしい。
H.Moulinette