ブエルタ・ア・エスパーニャ打第7ステージ:石畳も駆け抜けたクラシックの様なステージは見応え充分!モホリッチが先日逃した勝利を今回はきっちりと自力で掴む!
勝利のチャンスというのはそう何度も訪れるものではない。先日第5ステージで逃げに乗りながらも勝負どころで仕掛けのタイミングを逸し勝利のチャンスを逃したマテイ・モホリッチ(UAEチームエミレーツ)が今度はしっかりと自らの力でチャンスを活かしきり、独走でステージ優勝を決めた。そして連汁逃げに乗っているプロコンチネンタルチームのイェッツ・ボル(マンザナ・ポストボン)がこの日も逃げに乗り総合で大きくジャンプアップ、いきなり総合7位に顔を出した。
早々と逃げ切りが確定したこのステージ、そうなれば誰がそのチャンスを活かしてステージ勝利を狙うのかに注目が集まった。14人の逃げにはMr.逃げ男トーマス・デ・ヘント(ロット・ソウダル)、アレッサンドロ・デ・マルキ(BMC)、ホセ・ホアキン・ロハス(モビスター)と言った強豪も加わっており、激しい駆け引きが繰り返される。残り20kmを切りデ・マルキが何度となくしかけるが不発、するとロハスとモホリッチが抜け出していく。さらに昨日も2位に入ったパウェル・ポリアンスキー(ボーラ・ハンスグロエ)らがこれを猛追する。
強力な2人はあっという間に後続との差を開いていくが、さらにここから頂上超え下りに入ったモホリッチが単独で飛び出していく。同じ轍は踏むまいと今回は自らが積極的に仕掛け、独走態勢を築いていく。ロハスとポリアンスキーにはデ・ヘントが合流、しかし3人の追走は協調が取れずに何度となくお互いの顔色を伺いながらの走りとなる。たった10秒の差だが、そうなればモホリッチは個人TT状態、最後は余裕のガッツポーズでステージ優勝を果たした。ポリアンスキーは連日の2位に終わり、勝利を逃したロハスはスプリントの気力も失せステージ3位に終わった。
「とにかくチャンスが来るまで体力の温存に努めたんだよ。このコースは僕向きだとは思っていたし頂上を数人で越えられればそこからダウンヒルセクションで飛び出せるだろうと思っていたからね。でもこうして勝利するとじわじわとこみ上げてくるね。ベストを尽くしての結果、すごく嬉しいよ。」元U-23世界王者でもあるモホリッチは息を整えながら、初のワールドツアー勝利を噛み締めた。
ベルギーやフランスとはまた違った石畳が選手たちを迎えたこのステージ、総合上位勢はこの日は無理をすることなくゴールを目指した。クリス・フルーム(チームスカイ)を筆頭に総合上位勢が一塊でゴールする中、この日も逃げに乗り一時はバーチャルリーダーになったボルがステージ7位で総合でも一気に7位まで順位を上げてきた。以前はワールドルアーチームに所属していたが、結果が残せずコンチネンタルへ移籍、そしてその後さらにチャンスを求めて南米コロンビアのプロコンチネンタルチーム兵籍をした男が、再び浮上のチャンスを手にしている。
またこの日も多くの選手が落車リタイア、暑さの中で極限のバトルを繰り返し、また大会序盤からかなり激しい駆け引きが行われていることで今大会の落車による怪我は多い。特に現段階でも骨折が多く、間違いなく3つのグランツールの中で一番厳しいサバイバルバトルとなっている。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージ
1位 マテイ・モホリッチ(UAEチームエミレーツ) 4h43’35”
2位 パウェル・ポリアンスキー(ボーラ・ハンスグロエ) +16”
3位 ホセ・ホアキン・ロハス(モビスター)
4位 トーマス・デ・ヘント(ロット・ソウダル)
5位 アレッサンドロ・デ・マルキ(BMC) +27”
6位 フロリス・デ・ティア(FDJ)
7位 イェッツ・ボル(マンザナ・ポストボン) +29”
8位 ルイ・マテ・マルドネス(コフィディス・ソルーションクレジッツ) +1’21”
9位 アンソニー・ペレス(コフィディス・ソルーションクレジッツ) +1’’32”
10位 アルノー・クルティエ(FDJ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 クリス・フルーム(チームスカイ) 27h46’51”
2位 エステバン・チャベス(オリカ・スコット) +11”
3位 ニコラス・ロッシュ(BMC) +13”
4位 ティージェイ・ヴァン・ガーデレン(BMC) +30”
5位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(バーレーン・メリダ) +36”
6位 ダビ・デ・ラ・クルス(クイックステップ・フロアーズ) +40”
7位 イェッツ・ボル(マンザナ・ポストボン) +46”
8位 ファビオ・アルー(アスタナ) +49”
9位 アダム・イェーツ(オリカ・スコット) +50”
10位 マイケル・ウッズ(キャノンデール・ドラパック) +1’13”
H.Moulinette