ジロ・デ・イタリア2026第20st:想定外の早めのリリースもそのまま独走のヴィンゲガードが今大会5勝目の完勝、表彰台争いと新人賞争いも最後まで激選!(ダイジェスト動画あり)
最後の直接対決となる山岳ステージ、注目は総合優勝を巡る戦いではなく、総合表彰台を争う戦い、そして新人賞争いだろう。圧倒的な組織力にも守られ、また個人の実力も抜きんでたヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)の絶対的優位が揺るがない中、この日はその組織力にほころびが生じた。頂上までの14.5㎞に及ぶ上り区間に入り、昨日の激走でステージ優勝を遂げた最強アシストのセップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク)が早々と脱落、そして今大会一気にその実力を開花させたもう一人の最強アシスト、総合8位のダビデ・ピガッツァーリ(ヴィズマ・リースアバイク)がアシストをすることなく脱落してしまう。ピガンツァーリは新人賞争いもしており、絶対に脱落しては行けないタイミングでの失速だった。

©Giro d’Italia
そのため残り11㎞で早めのアタックを仕掛けざるを得なくなったヴィンゲガードだったが、一切慌てることなく冷静にペースを上げていく。この光景は今大会何度も見られた光景だったが、ここでも全く同じパターンとなり、いったんは総合2位のフェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)がついていくが、すぐに脱落しこちらもマイペース走法へと切り替わる。それに遅れて反応したのは総合3位のジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)と総合5位のデレク・ジー・ウエスト(リドル・トレック)の2人、最初は総合10位のイーガン・ベルナル(ネットワーク・イネオス)と総合4位のテイメン・アレンスマン(ネットワーク・イネオス)、さらには今大会間違いなく最大の大躍進を遂げている新人賞ジャージの総合6位アフォンソ・エウラリオ(バーレーン・ヴィクトリアス)もそれについていったが、この3人はジーのアタックで引き離されてしまう。
そして残り7.5㎞、ここまで踏ん張ってきたエウラリオがついにベルナルとアレンスマンから遅れてしまう。いつもここから粘りの走りを見せるエウラリオにとって、最大ライバルだったピガンツァーリにさえ抜かれなければいい状況だったが、一度は後れを取ったピガンツァーリはなんと息を吹き返し総合7位のマイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング)と総合9位のダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ヴィクトリアス)を引き連れ残り6.9㎞でエウラリオに追いついてしまう。だがここで追い風が吹いたのは、追いついたピガッツォーリではなく追いつかれたエウラリオだった。チームメイトで経験も豊富なカルーソが合流したことで、エウラリオは最強のアシストを手に入れた。
先頭ではじわりじわりとヴィンゲガードが後続との差を広げていく。さらにその背後ではジーとヒンドリーがガルに追いすがり、残り5㎞でついに合流を果たす。ジーは総合順位を上げるために懸命の走りを見せたが、その背後ではベルナルが諦めない走りでアレンスマンを引き続け、残り2㎞でアレンスマンも合流を果たす。これで総合2位から5位が揃ってしまい、総合表彰台争いもここで決することとなった。
その背後では新人賞ジャージ争いも決着する。カルーソの引きで疲弊したピガッツォーリに対して、そのアシストの恩恵を受け脚を温存できたエウラリオは残り1㎞でアタック、なんと大方の予想を覆し、最後はステージ7位でその差を広げて新人賞ジャージをさらにがっちりとキープして見せた。

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ステージ優勝は独走し続けたヴィンゲガード、これで今大会一人で5勝目を挙げ圧倒的なパフォーマンスを最後まで見せつけた。淡々と上りで刻むリズムは最大ライバルのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)のそれとはまったく異なるもの、新たなジロ王者は明日誕生する。
今大会最後の山岳ステージは200㎞の長丁場の末に、最後は昨日の倍の14.5㎞に及ぶ平均勾配7.8%の頂上バトルが用意された。珍しく周回コースになっており、この上りを上る2周回目が決着の時となる。最後の逆転のチャンス、総合順位を大きく上げるチャンスだったが、今大会は複数選手が複数勝利を挙げているため、まだ勝利のないチームにとっては残り数少ないチャンスだけに当然のようにその可能性を狙う7名が逃げを形成する。しかしこの日もヴィズマ・リースアバイクが逃げを射程圏内にとどめ続ける。このペースには総合12位のクリス・ハーパー(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)も犠牲者となる。
先頭では残り50㎞手前で逃げが分裂、アンドレアス・レクネサンド(Uno-Xモビリティ)ら3名が先頭を行く形となる。そしてこの中間ポイントでヴィンゲガードが山岳ポイントを自ら取りに行かなかったことで、この段階でジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)は明日乾燥さえすれば山岳賞が確定となった。そして逃げから遅れた4名からイゴール・アリエッタ(UAEチームエミレーツXRG)ら2名が再び合流し、激しく展開していく。しかしそれはゴールまで続くことはなかった。

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ゴールまでの上りに入るとバート・レメン(ヴィズマ・リースアバイク)の猛烈な引きで、あっという間にその差はなくなっていき、メイン集団自体も20名ほどまでに絞られてしまう。しかしこの日はこのアシストがヴィンゲガードの最後のアシストとなった。だがこれが実力者の力、そこから何の躊躇もなくヴィンゲガードはアタックを遂行、そのままゴールまで逃げ切ってしまった。鮮やかすぎる走りは、ライバルたちに全く隙を見せない完勝、これで明日は勝利へのビクトリーランを残すだけとなった。そしてその後も総合トップ10が結局上位でフィニッシュ、今大会の総合バトルは実質的に終了となり、明日の最終ステージを前に暫定的ではあるが総合トップ10が確定した。

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ヨナス・ヴィンゲガード(ステージ1位、総合1位)
「僕はサイクリストであり、可能性がある限り勝利を積み重ねたいんだ。今日もチャンスがあったので、勝ちに行っただけだよ。今日が最後の山岳で実質的な争いは今日までだから、力を温存する必要がなかったんだよ。今大会5勝を挙げて、これだけ盤石なタイム差で明日を迎えられることが特別なことだよ。今日はクスとピガッツォーリが難しいということが途中で分かったので、調子が良かったバート・レメン(ヴィズマ・リースアバイク)が代わりに素晴らしい走りをしてくれたよ。予定ではもっと先までアシストを用意していたんだけど、予定よりだいぶ早かったけどアシストを使い切ったので仕掛けたんだ。」
ジロ・デ・イタリア第20ステージ順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) 5h03’55”
2位 フェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM) +1’15”
3位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)
4位 デレク・ジー・ウエスト(リドル・トレック)
5位 テイメン・アレンスマン(ネットワーク・イネオス) +1’19”
6位 イーガン・ベルナル(ネットワーク・イネオス) +1’25”
7位 アフォンソ・エウアリオ(バーレーン・ヴィクトリアス) +2’03”
8位 ダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ヴィクトリアス +2’13”
9位 マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング)
10位 ダビデ・ピガッツァーリ(ヴィズマ・リースアバイク)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) 80h17’01”
2位 フェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM) +5’22”
3位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ) +6’25”
4位 テイメン・アレンスマン(ネットワーク・イネオス) +7’02”
5位 デレック・ジー・ウエスト(リドル・トレック) +7’56”
6位 アフォンソ・エウラリオ(バーレーン・ヴィクトリアス) +9’39”
7位 マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング) +10’13”
8位 ダビデ・ピガッツァーリ(ヴィズマ・リースアバイク) +10’52”
9位 ダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ヴィクトリアス) +11’24”
10位 イーガン・ベルナル(ネットワーク・イネオス) +12’54”
H.Moulinette












