ツアー・オブ・フランダース2026:キング・オブ・クラシックをポガチャルが連覇で歴代最多タイの3度目の制覇!ファン・デル・ポエル、エヴァネポエルと世代3強が表彰台独占

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モニュメント最高峰のツアー・オブ・フランダース(ロンド・ファン・フランデーレン)は、史上最強の男タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)にクラシックの帝王、マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・プレミアテック)、さらにグランツールでのポガチャルのライバルのレムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ)が挑む形となった。それぞれがその強さを発揮したが、最終的には史上最強の男がその実力をいかんなく発揮して独走での圧勝となった。これでこの大会を連覇、通算最多タイの3度目の制覇となった。これでモニュメントの通算勝利数も13に伸ばし、最多勝利数のメルクスの19勝に迫ってきた。また今シーズンモニュメント2戦2勝となり、来週末のモニュメント、パリ~ルーべも勝利することができれば、前人未到の同一年度5大モニュメント勝利も視野に入ってくるだろう。

©Flanders Classics

さらにはワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リース・ア・バイク)、マッズ・ピーダースン(リドル・トレック)もそれぞれ単騎で4位と5位に入り、今大会事前予想での5強がそのままトップ5フィニッシュとなった。

270㎞の長丁場と合わせて石畳区間あり、丘ありのまさにキング・オブ・クラシックの名に相応しい難コースは、変わりやすいベルギーの悪天候もあり大きな動きが起きない展開となった。先行する逃げがペースを作り、それをメイン集団が追うという構図は多くのレースと変わらないものの、各チームいかにポガチャルから勝利を奪えるのかを念頭に様子見と揺さぶりの続く。途中踏切で逃げ集団とメイン集団が分断されたことにより、逃げ集団とのタイム差は最大で5分30秒にまで広がった。

残り90㎞では土砂降りとなり各選手たちにとっては滑りやすい石畳がリスクにしかならない状況となる。そんな中UAEチームエミレーツXRGがまずペースアップを図りライバルたちのアシストを削りにかかる。エースのポガチャルも自ら先頭に出るなど、自らの肩書にもなっている「攻撃は最大の防御」をチームとして率先して行動に移す。そして削られた追走集団は残り78㎞で逃げ集団に合流を果たし、28名の新たな先頭集団が形成される。その中にはこのレースでの5強が揃ってはいるが、各選手アシストが薄く、早くも直接対決の様相となる。

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そしてこの日3度通過する名物のオウデ・クワレモントの石畳の丘の2回目に突入する直前の残り57㎞でポガチャルが早くも動きを見せる。アタックというよりはジワリとペースを上げたことにより集団は一気に一列になると、まずはポガチャル、ファン・アールト、さらにファン・デル・ポエル、エヴァネポエル、ピーダースンと5強がそろい踏みとなる。しかしそこからまずはピーダースンが脱落、そして次にファン・アールトが脱落してしまう。

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そして次のパテルベルグの石畳の激坂でエヴァネポエルが遅れると、ここからファン・デル・ポエルとポガチャルの協調体制での走りが始まる。しかしエヴァネポエルもマイペースを崩さず20秒前後のタイム差でひたすら食い下がる。ポガチャルは何度となく後ろを振り返りエヴァネポエルの位置をチェックするが、ファン・デル・ポエルは何度となく苦しい表情を見せながらのひたすら踏み続けた。

そしてそのまま迎えた最後のオウデ・クワレモント、ここでもポガチャルはジワリとペースを上げていく。するとファン・デル・ポエルとの差がじわりじわりと広がっていく。ポガチャルも苦しそうな表情を見せるがここから自分のペースを維持してひたすら踏み続けた。最後まで手を緩めることなく攻め続けたポガチャルは残り1㎞で勝利を確信、カメラや沿道に向かって今大会通算3勝目を意味する3本指を掲げて自らの勝利を祝った。パリ~ルーべに向けて体重を増量させた来た分切れ味は鈍かったように感じたが、パワーで押し切り勝利を奪い取って見せた。

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タデイ・ポガチャル(優勝)
「今日のレースはひたすらきつかったよ。それに今日は待つゲームでもあったんだ。勝負所までひたすら我慢するレースだったんだよ。そんな中で一度突き放したエヴァネポエルに追いつかれるのが嫌だったんだよね。彼に追いつかれると何が起きるかわからないからね。今シーズンはこれで3戦3勝(うちモニュメント2勝)だけど、出場するレースを絞っているから勝利はすべて特別だね。ここで勝てたんで、気分良く来週のパリ~ルーべに挑めるね。」

マシュー・ファン・デル・ポエル(2位)
「一つ問題はあったよ。どんなにベストを尽くしても、どれだけやるべきことをきちんとやっても、誰かそれよりも強い人間がいたということだよ。もうそれは手の打ちようがないよ。とてもシンプルなことで、僕が650ワットで踏み続けていても、ポガチャルにはついていくことができなかったんだよ。僕のコンディションは最高だったし、限界まで力を出し尽くしたよ。そのうえで自分より強い人間がいたらそれを受け入れるしかないんだよ。納得の2位だよ。」

レムコ・エヴァネポエル(3位)
「何が足りなかったかって?それはポガチャルが僕を隊列に戻してくれなかったことだね。ファン・デル・ポエルは気にしてなかったみたいだけど、ポガチャルは嫌だったみたいだね。それが一番の不運だったよ。そうこうしているうちにポガチャルが加速をしたんだよ。それでゲームオーバーだったね。でもトータルで見れば、初めてのレースで予定通り表彰台を獲得できたのは上出来だと思うよ。」

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ツアー・オブ・フランダース2026順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)   6h20’07”
2位 マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・プレミアテック)   +34”
3位 レムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ)   +1’11”
4位 ワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リース・ア・バイク)   +2’04”
5位 マッズ・ピーダースン(リドル・トレック)   +2’48”
6位 ヤスパー・ストゥーヴェン(ソウダル・クイックステップ)   +4’28”
7位 フロリアン・フェルメッシュ(UAEチームエミレーツXRG)
8位 マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)   +4’30”
9位 クリストフ・ラポルテ(ヴィズマ・リースアバイク))   +5’22”
10位 ジャンニ・フェルメッシュ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)

H.Moulinette