2008/5/15 12:27


第5ステージはベルヴェデーレ・マリッティモからコントゥルシ・テルメまでの203kmで行なわれた。登場する山岳ポイントは88km地点の3級山岳フォルティーノのみだが、主催者によるカテゴリー付けによれば「中級山岳ステージ」に属している。
ゴール33km手前で標高590mの丘を越えること、そしてゴールが上り基調であると言う理由から「平坦ステージ」では無い。アグリジェントにゴールした第2ステージと同じようなコースレイアウトであり、ラスト3kmで高低差206mを駆け上がってゴールとなる。
この日も天候は回復せず、時折雨が吹き付けるコンディションでレースは行なわれた。海沿いのベルヴェデーレ・マリッティモ(直訳すれば海岸の展望台)の街をスタートしたのは190名の選手で、前日のゴール前で落車して鎖骨を骨折したニック・ナイエンス(ベルギー、コフィディス)はスタートせず。
レースはスタート直後にマニュス・バクステッド(スウェーデン、スリップストリーム)がアタックを仕掛けたが成功せず、17km地点でルイスフェリペ・ラベルデ(コロンビア、CSFグループ・ナヴィガーレ)、ヨハネス・フレーリンガー(ドイツ、ゲロルシュタイナー)、テオ・エルティンク(オランダ、ラボバンク)の3名が飛び出した。
しかし集団はこれを許さずにスピードを上げ、先頭からエルティンクが脱落し、代わってデーヴィット・ミラー(イギリス、スリップストリーム)とフランシスコ・ペレス(スペイン、ケスデパーニュ)、パヴェル・ブラット(ロシア、ティンコフ)が先頭に合流。こうして19km地点から5名の逃げが始まった。
序盤から平均スピード40km/hオーバーで進行し、先頭5名は快調にタイム差を広げて逃げ続けた。88km地点の3級山岳フォルティーノはチームメイトがマリアヴェルデを着るラベルデが先頭で通過。一方のメイン集団はマリアローザ擁するリクイガスがコントロールした。
ゴールまで87kmを残してタイム差はこの日最大の9分10秒をマーク。ここからメイン集団はリクイガスとクイックステップがスピードを上げ始め、タイム差は徐々に縮小した。しかしピュアスプリンターに勝機が少ないため、チームミルラムやサイレンス・ロットなどのスプリンターチームは集団牽引に加わらなかった。
上りスプリントが得意なパオロ・ベッティーニ(イタリア)で優勝を狙うクイックステップは逃げ切りを阻止したい。一方、マリアローザを守りたいリクイガスにとって、1分57秒以内のタイム差(逃げているペレスが総合で1分57秒遅れ)であれば先頭5名の逃げ切りは構わない。そんな思惑が交錯しつつ集団は先頭5名を追走。
タイム差は残り70kmで8分、残り45kmで6分、残り30kmで4分10秒、残り20kmで2分40秒。確実にタイム差は縮まったが、完全に逃げをコントロール圏内に置くことは出来なかった。LPRブレーキが集団を牽引したが、先頭5名はラスト10kmで依然として2分10秒のリード。先頭5名は余裕を持ってラスト3kmの上りに突入した。
しばらくの駆け引きの後、ラスト1700mでフレーリンガーがアタックするも決まらない。続いてペレスのアタックも失敗。そしてラスト1kmのアーチを目前にしてブラットが仕掛けた。これに他の4名が腰を上げて反応するが、ミラーがまさかのチェーン切れに見舞われる。ステージ優勝を目前にしてマシントラブルで勝機を失ったミラーは、怒りを抑えられずにバイクを沿道に放り投げた。
ラスト1km手前で仕掛けたブラットは一気に後続を引き離し、最後の力を振り絞ってダンシング。後方からフレーリンガーやラベルデが追い上げたが届かず、ブラットがそのままゴールまで独走した。
2位には4秒遅れでフレーリンガー、3位に10秒遅れでラベルデ。結局最後まで追いつくことが無かったメイン集団は31秒遅れでゴール。集団先頭はアルカンシェルのベッティーニが穫ったが、ベッティーニが欲しかったのはステージ優勝以外の何物でもない。
ステージ優勝を飾ったブラットは1982年生まれの26歳で、2007年のジロでも何度もアタックを繰り返していたファイターだ。これまでの積極的な走りがようやく実を結び、ジロの歴史にその名を刻み込んだ。ティンコフにとってもジロステージ初優勝である。総合上位陣は集団でゴールしたため順位に変動は無い。各賞ジャージもそれぞれ動かず。
翌第6ステージは今大会最長の265kmのロングコースで行なわれる予定だったが、移動の多さを問題視する選手たちの抗議によって終盤の33.4km周回コースがカットされ、231.6kmで行なわれることに。それでも今大会最長コースだ。設定された山岳ポイントは序盤の3級山岳のみで、終盤にかけて細かなアップダウンが続く。終盤の周回コースがカットされたが、上り基調のゴール地点であることに変わりない。
2位 ヨハネス・フレーリンガー(ドイツ、ゲロルシュタイナー) +04"
3位 ルイスフェリペ・ラベルデ(コロンビア、CSFグループ・ナヴィガーレ)+10"
4位 フランシスコ・ペレス(スペイン、ケスデパーニュ) +25"
5位 パオロ・ベッティーニ(イタリア、クイックステップ) +31"
6位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、LPRブレーキ)
7位 リカルド・リッコ(イタリア、サウニエルドゥバル・スコット)
8位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)
9位 ユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、フランセーズデジュー)
10位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)
1位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス) 21h46'49"
2位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、スリップストリーム)+01"
3位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレーキ) +07"
4位 モーリス・ポッソーニ(イタリア、チームハイロード) +08"
5位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
6位 ニキ・セレンセン(デンマーク、チームCSC) +17"
7位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームハイロード) +18"
8位 パオロ・サヴォルデッリ(イタリア、LPRブレーキ) +19"
9位 アンドレア・ノエ(イタリア、リクイガス) +22"
10位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バルロワールド) +25"
ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)
エマヌエーレ・セッラ(イタリア、CSFグループ・ナヴィガーレ)
モーリス・ポッソーニ(イタリア、チームハイロード)

第5ステージ グラフィックス
text:Kei TSUJI
photo:Tim de Waele
←第4ステージ 第6ステージ→


ジロ・デ・イタリア2008第5ステージ
ティンコフ念願の優勝、ブラットが逃げ切り勝利を飾る
第5ステージはベルヴェデーレ・マリッティモからコントゥルシ・テルメまでの203kmで行なわれた。登場する山岳ポイントは88km地点の3級山岳フォルティーノのみだが、主催者によるカテゴリー付けによれば「中級山岳ステージ」に属している。
ゴール33km手前で標高590mの丘を越えること、そしてゴールが上り基調であると言う理由から「平坦ステージ」では無い。アグリジェントにゴールした第2ステージと同じようなコースレイアウトであり、ラスト3kmで高低差206mを駆け上がってゴールとなる。
この日も天候は回復せず、時折雨が吹き付けるコンディションでレースは行なわれた。海沿いのベルヴェデーレ・マリッティモ(直訳すれば海岸の展望台)の街をスタートしたのは190名の選手で、前日のゴール前で落車して鎖骨を骨折したニック・ナイエンス(ベルギー、コフィディス)はスタートせず。
レースはスタート直後にマニュス・バクステッド(スウェーデン、スリップストリーム)がアタックを仕掛けたが成功せず、17km地点でルイスフェリペ・ラベルデ(コロンビア、CSFグループ・ナヴィガーレ)、ヨハネス・フレーリンガー(ドイツ、ゲロルシュタイナー)、テオ・エルティンク(オランダ、ラボバンク)の3名が飛び出した。
しかし集団はこれを許さずにスピードを上げ、先頭からエルティンクが脱落し、代わってデーヴィット・ミラー(イギリス、スリップストリーム)とフランシスコ・ペレス(スペイン、ケスデパーニュ)、パヴェル・ブラット(ロシア、ティンコフ)が先頭に合流。こうして19km地点から5名の逃げが始まった。
序盤から平均スピード40km/hオーバーで進行し、先頭5名は快調にタイム差を広げて逃げ続けた。88km地点の3級山岳フォルティーノはチームメイトがマリアヴェルデを着るラベルデが先頭で通過。一方のメイン集団はマリアローザ擁するリクイガスがコントロールした。
ゴールまで87kmを残してタイム差はこの日最大の9分10秒をマーク。ここからメイン集団はリクイガスとクイックステップがスピードを上げ始め、タイム差は徐々に縮小した。しかしピュアスプリンターに勝機が少ないため、チームミルラムやサイレンス・ロットなどのスプリンターチームは集団牽引に加わらなかった。
上りスプリントが得意なパオロ・ベッティーニ(イタリア)で優勝を狙うクイックステップは逃げ切りを阻止したい。一方、マリアローザを守りたいリクイガスにとって、1分57秒以内のタイム差(逃げているペレスが総合で1分57秒遅れ)であれば先頭5名の逃げ切りは構わない。そんな思惑が交錯しつつ集団は先頭5名を追走。
タイム差は残り70kmで8分、残り45kmで6分、残り30kmで4分10秒、残り20kmで2分40秒。確実にタイム差は縮まったが、完全に逃げをコントロール圏内に置くことは出来なかった。LPRブレーキが集団を牽引したが、先頭5名はラスト10kmで依然として2分10秒のリード。先頭5名は余裕を持ってラスト3kmの上りに突入した。
しばらくの駆け引きの後、ラスト1700mでフレーリンガーがアタックするも決まらない。続いてペレスのアタックも失敗。そしてラスト1kmのアーチを目前にしてブラットが仕掛けた。これに他の4名が腰を上げて反応するが、ミラーがまさかのチェーン切れに見舞われる。ステージ優勝を目前にしてマシントラブルで勝機を失ったミラーは、怒りを抑えられずにバイクを沿道に放り投げた。
ラスト1km手前で仕掛けたブラットは一気に後続を引き離し、最後の力を振り絞ってダンシング。後方からフレーリンガーやラベルデが追い上げたが届かず、ブラットがそのままゴールまで独走した。
2位には4秒遅れでフレーリンガー、3位に10秒遅れでラベルデ。結局最後まで追いつくことが無かったメイン集団は31秒遅れでゴール。集団先頭はアルカンシェルのベッティーニが穫ったが、ベッティーニが欲しかったのはステージ優勝以外の何物でもない。
ステージ優勝を飾ったブラットは1982年生まれの26歳で、2007年のジロでも何度もアタックを繰り返していたファイターだ。これまでの積極的な走りがようやく実を結び、ジロの歴史にその名を刻み込んだ。ティンコフにとってもジロステージ初優勝である。総合上位陣は集団でゴールしたため順位に変動は無い。各賞ジャージもそれぞれ動かず。
翌第6ステージは今大会最長の265kmのロングコースで行なわれる予定だったが、移動の多さを問題視する選手たちの抗議によって終盤の33.4km周回コースがカットされ、231.6kmで行なわれることに。それでも今大会最長コースだ。設定された山岳ポイントは序盤の3級山岳のみで、終盤にかけて細かなアップダウンが続く。終盤の周回コースがカットされたが、上り基調のゴール地点であることに変わりない。
ジロ・デ・イタリア2008第5ステージ結果
1位 パヴェル・ブラット(ロシア、ティンコフ) 5h04'52"2位 ヨハネス・フレーリンガー(ドイツ、ゲロルシュタイナー) +04"
3位 ルイスフェリペ・ラベルデ(コロンビア、CSFグループ・ナヴィガーレ)+10"
4位 フランシスコ・ペレス(スペイン、ケスデパーニュ) +25"
5位 パオロ・ベッティーニ(イタリア、クイックステップ) +31"
6位 ダニエーレ・ピエトロポッリ(イタリア、LPRブレーキ)
7位 リカルド・リッコ(イタリア、サウニエルドゥバル・スコット)
8位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)
9位 ユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、フランセーズデジュー)
10位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)
2位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、スリップストリーム)+01"
3位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレーキ) +07"
4位 モーリス・ポッソーニ(イタリア、チームハイロード) +08"
5位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
6位 ニキ・セレンセン(デンマーク、チームCSC) +17"
7位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームハイロード) +18"
8位 パオロ・サヴォルデッリ(イタリア、LPRブレーキ) +19"
9位 アンドレア・ノエ(イタリア、リクイガス) +22"
10位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バルロワールド) +25"
エキスポミラノ2015賞(個人総合中間スプリント賞)
ジェレミー・ロワ(フランス、フランセーズデジュー)ファーストチーム(チーム総合成績)
リクイガス第5ステージ グラフィックス
text:Kei TSUJI
photo:Tim de Waele
←第4ステージ 第6ステージ→

個人ステージ成績
(2008/5/15)
個人総合成績 マリアローザ
(2008/5/15)
個人総合ポイント賞 マリアチクラミーノ
(2008/5/15)
個人総合山岳賞 マリアヴェルデ
(2008/5/15)
個人総合新人賞 マリアビアンカ
(2008/5/15)
チーム総合成績 ファーストチーム
(2008/5/15)
5 コメンテーター: stayer コメント日: 2008/05/15 22:20:55
プロ選手のバイクって100万円くらいしますよね?!自転車競技は素人の我々でも背伸びすれば
プロ選手とほぼ同じものを手にできますが
そのバイクを投げ捨てることは
いくら背伸びしてもできないですよね
でも、さすがにあのバイクは
ボトルのように拾った人がもらえる
なんてことはないですよ?
6 コメンテーター: felt コメント日: 2008/05/15 23:38:27
本来であれば昨年から平坦ステージを中心に逃げを中心に大活躍をしていたティンコフの優勝だったのでようやく結果がでて、本当にすばらしと感動するところだったを、ゴール前1キロのミラーのバイク投げによって霞んでしまったような気が・・・。あのアタックに反応してついて行ければ優勝も夢ではなかったので怒り大爆発もわからなくはないが、自転車等の供給を受けてレースをしているプロの行動としてはいかがなモノでしょうか。FELTからのバイク供給ストップなんて事にならないとよいのですが・・・。
7 コメンテーター: roadbiker コメント日: 2008/05/16 08:01:39
ミラー選手の自転車投げはショッキングでした。たしかに映像を見直すと、アタックに合わせて踏み込んだ瞬間にチェーンが切れているように見え、初優勝のチャンスを逃したことに対する悔しさと怒りはわかります。でも、F1でリタイアしたドライバーがハンドルを投げるのとは違います。良い選手だと思いますが、二度と自転車は投げないで欲しいですね。







コメント(7)
トラックバック(0)

























