2007/10/21 20:26

■やっと夏らしい陽気になった
8月22日(水) 6時半出発。まだ雨が降っている。登坂になると左膝に弱い痛みが走る。すぐにインナーローにぶちこみ、そろりそろりと進んだ。当座の目標は、まず折り返し点のブレストへ行き、ルデアックへ戻ること。まだ激痛は出ていないので何とかなりそうだ。
すぐに雨は止んだ。大王チームメイトの古山氏が声をかけて軽やかに抜いていった。やはり友人に会えると気持ちがなごむ。
10時50分。525km地点 第6CPのカレに到着。パスタとビーフを食べて12時に出発。ようやく日差しが強まり、やっと夏らしい陽気になってきた。
■ビバ ブルターニュ
ロック・トレヴェゼルへの登りが始まった。PBPで通り過ぎる幾多の丘の一つに過ぎないけど、コース中の最高標高(344m)を誇る。途中の集落で3人の子供たちが「テ、キャフェー、ショコラー(紅茶、コーヒー、ココア)」と声をかけてくれた。
PBPの沿道ではこうした私設サポートがいくつもあり、フランス人がいかに自転車競技を愛しているかを窺うことができる。少し冷めたコーヒーだったけど、心の込もったおもてなしに心が暖かくなる。日本から持参したポケモンのマスコットをプレゼントした時の子供たちの笑顔が忘れられない。
頂上にはブルターニュの旗を振って声援をくれるグループがいて、ツールの山岳ステージを思い出してしまった。サイクルウェアを着たご婦人に話しかけてみたら、カンペールから応援に来たとのこと。記念写真をリクエストしたら、ジャケットを脱いで誇らしげにマイヨ姿を見せてくれた。
長い下りを終えたところで、今度はおじさんが自転車で追っかけて来た。「ブレストまであと30kmだよ。これを食べなよ」とバナナやクッキーを差し出してくれた。私が食べ終わるまで風除けになってくれて、食べ終えたバナナの皮を受け取ると満足そうに笑みを浮かべて戻って行った。こんな経験ができるのもPBPの大きな魅力だ。
やがて真っ青なブレスト湾に架かる白い橋が見えてきた。さっきの応援もあいまって、力が湧いてきた。しばし膝の痛みを忘れてペースアップした。橋から見える景色があまりにきれいなので、一気に渡ってしまうのが勿体ない。何枚も写真を撮ってしまった。
■パリまであと600km
17時。615km地点 第7CPブレスト着。ここで飯塚氏と須藤氏に再会できた。一緒に行きたかったけど復路のロック・トレヴェゼルまでの50kmはほぼ登りっぱなし。無理をしないで自分のペースで進むことにした。しっかり食事をして18時に出発。パリまであと600kmだ。
1時間ほど走るとランデルノの街だ。コースから川の上に古い家が建っているのが見える。ロアン橋といって橋の上に建てられた家で、ヨーロッパで最古のものの一つだそうだ。しばしペダルを止めて、ロック・トレヴェゼル、ブレストの橋に続く、PBPブルターニュ絶景ポイントを楽しんだ。
ここからはひたすら膝を労わりながらロック・トレヴェゼルまでの30kmを登った。頂上の少し手前で日没を迎えた。4年前のPBPとほぼ同じペースだけど、制限時間に対してのマージンがほとんど無いことになる。悲観しても仕方がない。ルデアックでの仮眠を楽しみに進むことにしよう。
■眠気との戦い 第1回戦
23時。699km地点 第8CPカレ到着。4年前より1時間遅いペースだ。食事はあきらめてトイレを済ませるだけにした。パワーバーとカーボショッツがあるのでエネルギー補給は大丈夫だろう。カフェテリアに行くと、スピニング仲間の山口氏ら多くの日本人参加者が仮眠を取っていた。皆も苦しんでいる。
8月23日(木) 深夜1時。740km地点のコーレ(CORLAY) に差し掛かるといきなり強い雨が降ってきた。視界が利かないくらい強かったので、電話ボックスに駆け込もうとしたら、女性サイクリストに先を越されてしまった。木の下で雨宿りしたけど、雨の勢いは衰えてこない。あまり時間がないので先に進むことにした。
走りながら一瞬寝てしまったみたいだ。周りのサイクリストから「アタンシオン」と罵声を浴びた。別のフランス人のおじさんが「この先にカフェがあるから一緒に休もう」と声をかけてくれた。せっかくの親切なのに、私は「早くルデアックへ帰りたいんだ。メルシー」と断ってしまった。とにかく暖かい場所で横になりたい。
朦朧としたまま丘を何度も越えていった。カレで休んでいた山口氏たちに会えたけど、すぐに付いていけなくなった。眠けと暗さのせいで、時間と距離の感覚がおかしくなっている。このまま永遠にルデアックに辿り着けないのではと思ってしまった。
午前5時。775km地点、第9CPルデアック着。通過チェックだけ済ませてテントへ直行。前夜とまったく同じようにタオルで体を拭き、膝にモビラート軟膏を塗って、5時半に寝袋にもぐりこんだ。

パリ〜ブレスト〜パリ2007 グラフィックス
photo&text:tb1
←パリ〜ブレスト〜パリ2007参加レポート vol.2 vol.4→

パリ〜ブレスト〜パリ2007参加レポート vol.3
パリまであと600km。眠気との戦い第1ラウンド
− 第3日目 8月22日(水) −
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| 『真っ暗な中、ルデアックを出発』 |
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| 『途中の集落で3人の子供から応援を受けた』 |
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| 『ブルターニュの旗を振って応援してくれた』 |
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| 『ご婦人サイクリストと記念撮影』 |
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| 『やっとブレストだ』 |
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| 『ランデルノのロアン橋』 |
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| 『ロック・トレヴェゼルへの登り』 |
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| 『第8CPカレ。多くの日本人参加者が仮眠を取っていた。』 |
8月22日(水) 6時半出発。まだ雨が降っている。登坂になると左膝に弱い痛みが走る。すぐにインナーローにぶちこみ、そろりそろりと進んだ。当座の目標は、まず折り返し点のブレストへ行き、ルデアックへ戻ること。まだ激痛は出ていないので何とかなりそうだ。
すぐに雨は止んだ。大王チームメイトの古山氏が声をかけて軽やかに抜いていった。やはり友人に会えると気持ちがなごむ。
10時50分。525km地点 第6CPのカレに到着。パスタとビーフを食べて12時に出発。ようやく日差しが強まり、やっと夏らしい陽気になってきた。
■ビバ ブルターニュ
ロック・トレヴェゼルへの登りが始まった。PBPで通り過ぎる幾多の丘の一つに過ぎないけど、コース中の最高標高(344m)を誇る。途中の集落で3人の子供たちが「テ、キャフェー、ショコラー(紅茶、コーヒー、ココア)」と声をかけてくれた。
PBPの沿道ではこうした私設サポートがいくつもあり、フランス人がいかに自転車競技を愛しているかを窺うことができる。少し冷めたコーヒーだったけど、心の込もったおもてなしに心が暖かくなる。日本から持参したポケモンのマスコットをプレゼントした時の子供たちの笑顔が忘れられない。
頂上にはブルターニュの旗を振って声援をくれるグループがいて、ツールの山岳ステージを思い出してしまった。サイクルウェアを着たご婦人に話しかけてみたら、カンペールから応援に来たとのこと。記念写真をリクエストしたら、ジャケットを脱いで誇らしげにマイヨ姿を見せてくれた。
長い下りを終えたところで、今度はおじさんが自転車で追っかけて来た。「ブレストまであと30kmだよ。これを食べなよ」とバナナやクッキーを差し出してくれた。私が食べ終わるまで風除けになってくれて、食べ終えたバナナの皮を受け取ると満足そうに笑みを浮かべて戻って行った。こんな経験ができるのもPBPの大きな魅力だ。
やがて真っ青なブレスト湾に架かる白い橋が見えてきた。さっきの応援もあいまって、力が湧いてきた。しばし膝の痛みを忘れてペースアップした。橋から見える景色があまりにきれいなので、一気に渡ってしまうのが勿体ない。何枚も写真を撮ってしまった。
■パリまであと600km
17時。615km地点 第7CPブレスト着。ここで飯塚氏と須藤氏に再会できた。一緒に行きたかったけど復路のロック・トレヴェゼルまでの50kmはほぼ登りっぱなし。無理をしないで自分のペースで進むことにした。しっかり食事をして18時に出発。パリまであと600kmだ。
1時間ほど走るとランデルノの街だ。コースから川の上に古い家が建っているのが見える。ロアン橋といって橋の上に建てられた家で、ヨーロッパで最古のものの一つだそうだ。しばしペダルを止めて、ロック・トレヴェゼル、ブレストの橋に続く、PBPブルターニュ絶景ポイントを楽しんだ。
ここからはひたすら膝を労わりながらロック・トレヴェゼルまでの30kmを登った。頂上の少し手前で日没を迎えた。4年前のPBPとほぼ同じペースだけど、制限時間に対してのマージンがほとんど無いことになる。悲観しても仕方がない。ルデアックでの仮眠を楽しみに進むことにしよう。
■眠気との戦い 第1回戦
23時。699km地点 第8CPカレ到着。4年前より1時間遅いペースだ。食事はあきらめてトイレを済ませるだけにした。パワーバーとカーボショッツがあるのでエネルギー補給は大丈夫だろう。カフェテリアに行くと、スピニング仲間の山口氏ら多くの日本人参加者が仮眠を取っていた。皆も苦しんでいる。
8月23日(木) 深夜1時。740km地点のコーレ(CORLAY) に差し掛かるといきなり強い雨が降ってきた。視界が利かないくらい強かったので、電話ボックスに駆け込もうとしたら、女性サイクリストに先を越されてしまった。木の下で雨宿りしたけど、雨の勢いは衰えてこない。あまり時間がないので先に進むことにした。
走りながら一瞬寝てしまったみたいだ。周りのサイクリストから「アタンシオン」と罵声を浴びた。別のフランス人のおじさんが「この先にカフェがあるから一緒に休もう」と声をかけてくれた。せっかくの親切なのに、私は「早くルデアックへ帰りたいんだ。メルシー」と断ってしまった。とにかく暖かい場所で横になりたい。
朦朧としたまま丘を何度も越えていった。カレで休んでいた山口氏たちに会えたけど、すぐに付いていけなくなった。眠けと暗さのせいで、時間と距離の感覚がおかしくなっている。このまま永遠にルデアックに辿り着けないのではと思ってしまった。
午前5時。775km地点、第9CPルデアック着。通過チェックだけ済ませてテントへ直行。前夜とまったく同じようにタオルで体を拭き、膝にモビラート軟膏を塗って、5時半に寝袋にもぐりこんだ。
パリ〜ブレスト〜パリ2007 グラフィックス
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