2007/10/20 20:54

■ランタンルージュの帯
大集団に包まれて、交通規制が敷かれたサンカンタン市街を快適に進んだ。雨も小降りになってきた。もう深夜だというのに、ロンポワン(ロータリー)ごとに、街の人々から熱心な応援を受けた。飯塚氏のペースが上がり気味なので「押さえていきましょう」とアドバイスする。
30分も走るとサンカンタン市を抜け出て、真っ暗闇になってしまった。雨は止んだようだ。寒さもさほど厳しくない。向かう先の丘には幻想的なランタンルージュ(テールランプ)の帯が続いている。嬉しくなり「またPBPに帰ってこれたね」と須藤氏に声をかけた。
アップダウンを繰り返しつつ、10数kmごとに小さな街を通り抜けていく。コース上のすべての交差点には反射素材の矢印が出ているので、これを見逃さなければミスコースの心配はない。街の中では中央分離帯に要注意だ。集団内から何度も「アタンシオーン(気をつけて)」と声があがる。
■早くも単独走に
8/21(火) 午前2時、65km地点。大勢のサイクリストが止まっている。水やコーヒーをふるまってくれるPBPでおなじみのパン屋だ。夜中なのに小さな子供がボトルに水を満たしてくれて驚いた。沿道の住民にとってもPBPは4年に1回のお祭りで、日本の大晦日のような感覚なのだろう。
午前4時半。きのうの昼はずっと仮眠していたのでまだ眠気は感じない。最初のチェックポイント(CP)まであと10kmくらいだ。パワーバーをかじりながら長い登りを進んでいると、いきなり強い雨が降ってきた。脱いでいたレインウェアを慌てて身に着けた。
5時半前。140km地点 第1CPのモルターニュ到着。センチュリーライドならあと20kmでゴールだけど、まだ全行程の10分の1強に過ぎない。カフェテリアへ行きハムサンドを食べて6時15分に出発。
まだ真っ暗で雨も降っている。モルターニュを出てしばらくすると、後ろにいた飯塚氏と須藤氏がいない。パンクで遅れたのだろうか。30分ほど待ったけどやって来ない。仕方なく単独で進むことにした。
■フランスの大地を走る
夜が明けた。北海道を思わせるようなゆるやかな丘がいくつも広がっている。はるか遠くに教会の尖塔が霞んで見えている。フランスを走っている実感が湧き上がってくる。雨は止んだけれど代わりに向かい風が強くなってきた。いいペースで進む集団が来た。これに合流させてもらうことにしよう。
10時半。222km地点 第2CPのビレイン到着。スタートからほぼ12時間。膝を労わるため初日はペースを控えて走るつもりなので予定通りのペースだ。ここで飯塚氏と須藤氏に合流できた。どうやら私が止まっている間に先行してしまったらしい。軽く食事して1時間ほどで出発。
途中から雨が降ってきたけれどすぐに止み、雲間から明るい空が見えてきた。長い登りが増えてきた。途中で、飯塚氏が「ガマンできない」とシュラフを道端に広げて眠り始めた。私も少し眠かったので付き合って30分ほどまどろんだ。
17時15分。310km地点 第3CPのフジュール到着。雨や仮眠のせいもあるけど、少々ペース悪し。450km地点のルデアックに行けばサポート隊が設営してくれたテントでじっくり寝ることができるが、このままだと到着がかなり遅れそうだ。チキンとパスタで腹ごしらえして50分ほどで出発。
■早くもピンチ
単調な景色に退屈していたら、左ひざの靭帯に微かな違和感を感じ始めた。やばい、今までもブルベで何回か痛めているので、このPBPでも膝痛に苦しむ覚悟はしていたけど、まさか序盤から調子が悪くなるとは思わなかった。まだ800kmもある。どうしよう。
20時40分。365km地点 第4CPのタンテニアック到着。本格的に膝が痛み始めたら飯塚氏、須藤氏と一緒に走れない。少しでも早く先に進みたかったので、彼らに先立って21時15分に出発。すぐに日が暮れて、また真っ暗闇の世界だ。ここはもうブルターニュ地方だ。丘のアップダウンのスケールが大きくなってきた。
膝痛との付き合いは長いのでコツは分かっている。私の場合はトライアスリートのようにサドルの前に座り、バー下を握り前傾を深くすると、膝へのダメージが少なくなるようだ。快調に距離を稼いでいたが、日付が変わる頃また雨が落ちてきた。夜の雨は辛い。
冷えのせいか左膝の違和感が強くなってきた。とたんにペースがガクンと落ちる。やがて須藤氏と飯塚氏が追いついてきた。しばらく一緒に走ってもらったが、あまりにペースが違いすぎる。申し訳ないので「別行動で行きましょう」と告げて、先に行ってもらった。
8月22日(水)1時50分 450km地点 第5CP ルデアック着。通過チェックと食事を手早く済ませて、サポート隊が設営してくれたテントへ。タオルで体を拭き、Tシャツと短パンに着替えてすっきりできた。膝にモビラート軟膏を塗ってケア。3時過ぎに寝袋にもぐりこんで、夢を見ることもなく熟睡した。

パリ〜ブレスト〜パリ2007 グラフィックス
photo&text:tb1
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パリ〜ブレスト〜パリ2007参加レポート vol.2
夜明けに迎えたピンチ
− 第2日目 8月21日(火) −
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| 『PBPでおなじみのパン屋。LA FLEUR DE PAINS』 |
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| 『第1CPのモルターニュの手前で強い雨が降ってきた』 |
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| 『どの街の中心にも教会がある』 |
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| 『やっと明るい空が見えてきた』 |
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| 『シュラフにくるまって仮眠する飯塚氏』 |
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| 『第3CPのフジュール手前。一番左はブルターニュの旗だ。』 |
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| 『デアックのカフェテリアの様子』 |
大集団に包まれて、交通規制が敷かれたサンカンタン市街を快適に進んだ。雨も小降りになってきた。もう深夜だというのに、ロンポワン(ロータリー)ごとに、街の人々から熱心な応援を受けた。飯塚氏のペースが上がり気味なので「押さえていきましょう」とアドバイスする。
30分も走るとサンカンタン市を抜け出て、真っ暗闇になってしまった。雨は止んだようだ。寒さもさほど厳しくない。向かう先の丘には幻想的なランタンルージュ(テールランプ)の帯が続いている。嬉しくなり「またPBPに帰ってこれたね」と須藤氏に声をかけた。
アップダウンを繰り返しつつ、10数kmごとに小さな街を通り抜けていく。コース上のすべての交差点には反射素材の矢印が出ているので、これを見逃さなければミスコースの心配はない。街の中では中央分離帯に要注意だ。集団内から何度も「アタンシオーン(気をつけて)」と声があがる。
■早くも単独走に
8/21(火) 午前2時、65km地点。大勢のサイクリストが止まっている。水やコーヒーをふるまってくれるPBPでおなじみのパン屋だ。夜中なのに小さな子供がボトルに水を満たしてくれて驚いた。沿道の住民にとってもPBPは4年に1回のお祭りで、日本の大晦日のような感覚なのだろう。
午前4時半。きのうの昼はずっと仮眠していたのでまだ眠気は感じない。最初のチェックポイント(CP)まであと10kmくらいだ。パワーバーをかじりながら長い登りを進んでいると、いきなり強い雨が降ってきた。脱いでいたレインウェアを慌てて身に着けた。
5時半前。140km地点 第1CPのモルターニュ到着。センチュリーライドならあと20kmでゴールだけど、まだ全行程の10分の1強に過ぎない。カフェテリアへ行きハムサンドを食べて6時15分に出発。
まだ真っ暗で雨も降っている。モルターニュを出てしばらくすると、後ろにいた飯塚氏と須藤氏がいない。パンクで遅れたのだろうか。30分ほど待ったけどやって来ない。仕方なく単独で進むことにした。
■フランスの大地を走る
夜が明けた。北海道を思わせるようなゆるやかな丘がいくつも広がっている。はるか遠くに教会の尖塔が霞んで見えている。フランスを走っている実感が湧き上がってくる。雨は止んだけれど代わりに向かい風が強くなってきた。いいペースで進む集団が来た。これに合流させてもらうことにしよう。
10時半。222km地点 第2CPのビレイン到着。スタートからほぼ12時間。膝を労わるため初日はペースを控えて走るつもりなので予定通りのペースだ。ここで飯塚氏と須藤氏に合流できた。どうやら私が止まっている間に先行してしまったらしい。軽く食事して1時間ほどで出発。
途中から雨が降ってきたけれどすぐに止み、雲間から明るい空が見えてきた。長い登りが増えてきた。途中で、飯塚氏が「ガマンできない」とシュラフを道端に広げて眠り始めた。私も少し眠かったので付き合って30分ほどまどろんだ。
17時15分。310km地点 第3CPのフジュール到着。雨や仮眠のせいもあるけど、少々ペース悪し。450km地点のルデアックに行けばサポート隊が設営してくれたテントでじっくり寝ることができるが、このままだと到着がかなり遅れそうだ。チキンとパスタで腹ごしらえして50分ほどで出発。
■早くもピンチ
単調な景色に退屈していたら、左ひざの靭帯に微かな違和感を感じ始めた。やばい、今までもブルベで何回か痛めているので、このPBPでも膝痛に苦しむ覚悟はしていたけど、まさか序盤から調子が悪くなるとは思わなかった。まだ800kmもある。どうしよう。
20時40分。365km地点 第4CPのタンテニアック到着。本格的に膝が痛み始めたら飯塚氏、須藤氏と一緒に走れない。少しでも早く先に進みたかったので、彼らに先立って21時15分に出発。すぐに日が暮れて、また真っ暗闇の世界だ。ここはもうブルターニュ地方だ。丘のアップダウンのスケールが大きくなってきた。
膝痛との付き合いは長いのでコツは分かっている。私の場合はトライアスリートのようにサドルの前に座り、バー下を握り前傾を深くすると、膝へのダメージが少なくなるようだ。快調に距離を稼いでいたが、日付が変わる頃また雨が落ちてきた。夜の雨は辛い。
冷えのせいか左膝の違和感が強くなってきた。とたんにペースがガクンと落ちる。やがて須藤氏と飯塚氏が追いついてきた。しばらく一緒に走ってもらったが、あまりにペースが違いすぎる。申し訳ないので「別行動で行きましょう」と告げて、先に行ってもらった。
8月22日(水)1時50分 450km地点 第5CP ルデアック着。通過チェックと食事を手早く済ませて、サポート隊が設営してくれたテントへ。タオルで体を拭き、Tシャツと短パンに着替えてすっきりできた。膝にモビラート軟膏を塗ってケア。3時過ぎに寝袋にもぐりこんで、夢を見ることもなく熟睡した。
パリ〜ブレスト〜パリ2007 グラフィックス
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