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2006/9/25 14:45

ロード世界選手権2006 エリート男子ロードレース

イタリアの力が炸裂!ベッティーニが世界一に輝く!


登り
『勝負のかかった登りとあって沿道は観客に埋め尽くされた。選手達の頭上には旗がなびく。』
メイン集団
『ザルツブルグ郊外の草原の中を走るメイン集団』
イタリアチーム
『常にメイン集団前方をキープするイタリアチーム』
ベッティーニ
『念願の優勝を果たし、歓喜の表情でゴールラインを切るパオロ・ベッティーニ(イタリア)』
ベッティーニ
『表彰台で喜びの表情を浮かべるパオロ・ベッティーニ(イタリア)』
表彰台
『表彰台左から3位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)、優勝パオロ・ベッティーニ(イタリア)、2位エリック・ツァベル(ドイツ)』
ベッティーニ
『バルベルデとツァベルに持ち上げられるパオロ・ベッティーニ(イタリア)』
9月24日、世界選手権の最後を締めくくるエリート男子ロードレースが行なわれ、265kmのレース序盤からメンバーを逃げに送り込むなど積極的に勝負に出たイタリアチームのパオロ・ベッティーニ(イタリア)がゴールスプリントでエリック・ツァベル(ドイツ)を制して念願のアルカンシェルを獲得した。日本勢は別府史之が粘りを見せて124位で完走している。

今年のエリート男子ロードレースには世界41カ国から計198名の選手が集結した。22.2kmの周回コースを12周、つまり計265kmで行なわれるこのレースは序盤からアタックする選手が多発し、集団内の統率が取れない状態が続いた。

まず最初にアタックを仕掛けたのはホセアントニオ・ラモス(ベネズエラ)だ。これが失敗に終わると次はリカルド・ノチェンティーニ(イタリア)が飛び出す。しかしこれも吸収され、ようやく5km地点でアレックス・アルディラ(コロンビア)の逃げが決まった。

単独で逃げるアルディラ(コロンビア)を追走するのはタイラー・ファーラー(アメリカ)、マッテーオ・トザット(イタリア)、リカルド・ノチェンティーニ(イタリア)、ルイス・ペレスロドリゲス(スペイン)、トマ・ヴォクレール(フランス)ら11名。結局57km地点でアルディラは吸収され、先頭12名で逃げ続ける。

3周回を終えた時点で先頭集団とメイン集団の差は10分、5周回を終えて最大15分にまで広がるが、地元オーストリア勢がメイン集団を引き始めると差は徐々に縮まりはじめる。7周回を終える頃には差は4分40秒にまで縮まった。

メイン集団からはマルツィオ・ブルセギン(イタリア)、フィリッポ・ポッツァート(イタリア)、ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)らが飛び出すものの、これを脅威と見なしたメイン集団はこれを許さずにすぐさま吸収した。

8周回を終え、残り4周回で差は2分半に縮まっている。メイン集団最前列には「フミ」こと別府史之選手の姿も見られた。

登りでメイン集団からルーカ・パオリーニ(イタリア)がアタックすると集団は一気に活性化。フィリッポ・ポッツァート(イタリア)、ダニーロ・ディルーカ(イタリア)、ファビアン・カンチェラーラ(スイス)、スチュアート・オグレディ(オーストラリア)、アンドレイ・カシェキン(カザフスタン)らが飛び出して1分前を行く先頭に追いつき、先頭集団は25名に肥大化した。どんな逃げや追走にもイタリア選手が加わっているのはチーム力と戦略の現れだ。

この25名の先頭集団は登りでペースアップし、選手が篩に掛けられて行く。19名が先頭で残り2周回に突入するが、メイン集団もアタックが掛かるなどしてペースが上がっている。フミの姿はまだメイン集団の中に見られた。

結局ゴールまで40kmを残して先頭19名はメイン集団に吸収。レースは再び振り出しに戻ることになった。ここからはアタックの応酬だ。

登り区間でアレッサンドロ・バッラン(イタリア)やダヴィデ・レベッリン(イタリア)のアタックが失敗に終わる一方で、パオロ・ベッティーニ(イタリア)が早くも勢いのあるアタックを仕掛ける。ファビアン・ウェーグマン(ドイツ)を引き連れて逃げるが、しばらくして吸収された。

再びレベッリン(イタリア)のアタックが掛かるが、オーストリアの引くメイン集団のスピードには敵わない。残り1周の鐘が鳴り響いて間もなくレベッリンは吸収された。

ラスト1周、つまり22kmの周回コースの最初の登りでメイン集団を崩壊させたのはバッラン(イタリア)の強力な引きだ。メイン集団は一気に縮小し、前方ではベッティーニ(イタリア)やヴィノクロフ(カザフスタン)、バルベルデ(スペイン)らが様子を伺い、ここにスプリンター達が追いついてきた。

次の登りでベッティーニ(イタリア)が再びアタック! しかしヴィノクロフ(カザフスタン)やデーヴィット・ミラー(イギリス)ら5名が追撃集団を形成し、単独に不利な下り区間でベッティーニを吸収。先頭6名になったが、何としてもスプリントに持ち込みたいメイン集団のスピードは尋常ではなく、残り7kmで吸収された。

ここからポッツァート(イタリア)とレベッリン(イタリア)が立て続けにアタックを仕掛けるが成功しない。ファビアン・カンチェラーラ(スイス)も単独で飛び出すが、タイムトライアルチャンピオンの脚を持ってしても集団のスピードには及ばない。そしてスプリンター達の揃う集団は一つのまま残り2kmを切った。

残り1kmのゲートをくぐると、サムエル・サンチェス(スペイン)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が飛び出した。これにすかさず追いついたのはエリック・ツァベル(ドイツ)とパオロ・ベッティーニ(イタリア)だ。この4人は集団と少し差を広げることに成功し、勝負はこの4人に絞られた!

先頭スペイン2人の後ろに陣取るツァベルが先に飛び出すと、ベッティーニも負けじと後ろから追い縋る。ツァベルの勢いは衰えないが、ベッティーニは切れ味鋭い加速でツァベルと横一線に並び、そして抜き去った。そしてそのままベッティーニが両手を挙げ、感無量と言った表情を浮かべながらゴールラインを切った! 新チャンピオン誕生の瞬間だ!

ベッティーニは何度も何度も腕を振り上げ、ゴール後はチームメート、チームスタッフ、奥さんと抱き合って歓喜の声を上げる。ベッティーニのキャリアに唯一欠けていたもの、アルカンシェルを遂に手に入れることができたのだ。

イタリアは序盤からチーム力を遺憾なく発揮し、ベッティーニ自身も幾度となくアタックを仕掛けた。スプリンターのツァベル有利と思われたゴールスプリントも、絶妙の飛び出すタイミングと爆発的な加速で見事に勝利。壮絶なレースに終止符を打った。所属するクイックステップにとってはボーネン(ベルギー)に続いて2年連続のアルカンシェル獲得である。

3位にはバルベルデ(スペイン)が入り、集団スプリントに持ち込まれた5位争いはロビー・マキュアン(オーストラリア)が制している。期待されたブエルタ覇者のヴィノクロフ(カザフスタン)は52位に沈んだが、チームメンバーが3人であることを感じさせない積極的な走りを見せてくれた。

また、フミはラスト数周回までメイン集団に食らいつき、並みいる強豪達がリタイアする中を8分45秒遅れで完走している。

この壮絶なレースで2006年世界選手権は幕を閉じた。各優勝者は世界チャンピオンの証であるアルカンシェルを身に纏って一年間レースに出場することになる。

優勝パオロ・ベッティーニ(イタリア)
「ついに世界選手権を勝つことできた! バッレリーニ監督は最後はスプリントに備えるよう指示したんだ。彼の采配は素晴らしかった。チーム戦略全てが見事だった。ツァベルは偉大な選手だよ、もし僕が勝っていなくてもツァベルが勝ったならそれはそれで嬉しい。オリンピックも勝って、世界選手権も勝った。パーフェクトだ! こんなキャリアはパーフェクトだよ! 来週からアルカンシェルを着てレースに出場するよ! 」

2位エリック・ツァベル(ドイツ)
「この銀メダルに喜びを感じている。(過去に何度もツァベルの勝利を奪っている)フレイレが居なかったから最後は落ち着いてスプリントが出来た。世界選手権はいつでも特別なんだ。このコース、ここに集まった観衆、素晴らしい天気、全てが美しい。とても満足しているよ。」

3位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
「サンチェスはラスト700mで素晴らしい引きを見せてくれたけど、ベッティーニとツァベルのスプリントは並外れていた。レースを通してスペインチームはうまく機能していなかった。。銅メダルと獲得できたことは嬉しいことだよ。」

■エリート男子ロードレース結果
1位 パオロ・ベッティーニ(イタリア)  6h15'36"
2位 エリック・ツァベル(ドイツ)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)  +02"
4位 サムエル・サンチェス(スペイン)
5位 ロビー・マキュアン(オーストラリア)
6位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア)
7位 ウロス・ムルン(スロベニア)
8位 アレクサンドル・ボチャロフ(ロシア)
9位 トム・ボーネン(ベルギー)
10位 ウラディミール・グセフ(ロシア)
11位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリア)
12位 ニキ・セレンセン(デンマーク)
13位 クルトアスル・アルヴェセン(ノルウェー)
14位 マルティン・エルミガー(スイス)
15位 フレッド・ロドリゲス(アメリカ)
16位 カルステン・クローン(オランダ)
17位 マルクス・ユーンクイスト(スウェーデン)
18位 レネ・ハーゼルバッハー(オーストリア)
19位 ラスロ・ボドロギ(ハンガリー)
20位 ヘルベン・ロウィク(オランダ)
124位 別府史之(日本)  +08'45"
DNF 野寺秀徳(日本)
DNF 福島晋一(日本)


ロード世界選手権2006 男子エリートロードレース グラフィックス

text:Kei. TSUJI
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