2006/9/23 20:57


しかし空はどんよりと曇っている。市民レースが終わり国際レースに参加しているチームのチームカーが大通公園に勢揃いした頃には、それなりの雨になっていた。そんな中、選手たちが少しずつコースの試走に出かけて行く。前日の第4ステージを制したNIPPOのウィズイアックもコースへと出て行った。
やがて、大通の周囲を歩く人の多くが傘をさすほどの雨量になってきた。それでも徐々に観客が集まり始める。チームバンの福島康司選手は試走中から愛想を振りまいているし、観客も「がんばれ〜」と声をかけている。
そして選手がスタートラインに招集される頃になると、スタートが見えるところでは観客の位置取りも激しくなる。多くの観客が、しかも今まで自転車レースを見ているとは思えないようなおじちゃん、おばちゃんまで、コース際からスタートラインの方向を覗いている。
やがて、国際レースのクリテリウムがスタート。拍手や歓声の中を集団が駆け抜けていった。1周1.5kmしかないから、選手はすぐにやってくる。集団が通過していくたびに水煙が上がり、選手の顔はたちまち汚れていく。ポイント賞も個人総合も僅差だから、前のほうでは激しい展開だ。
選手が周回を重ねる間、せっかくなので観客の方々にお話を伺ってみた。趣味でサイクリングを楽しんでいるという地元から来たご夫婦は、今日のクリテリウムの様子を「今までロードレースは見たことがなかったけれど、(今日のクリテリウムは)スゴイの一言につきる。大通公園で、本当にこんなことが実現できるんだなと思いました。すばらしいことだと思います」と感想を語ってくれた。
地元札幌に事業所を構えるNIPPOコーポレーションの応援団の動員力と熱心さが目立った。応援団の方に「自分の会社のチームが勝つとうれしいですか?」と伺うと「やっぱりうれしいです。春先はチームの調子が良くなかったみたいなんですが、北海道で勝てて良かったです」との返事。前日のウィズイアック(NIPPO)の勝利は、応援団にも力を与えている。
沿道を歩いていると、観客の間から「お父さん〜頑張れ〜!」の声が。もしかして、後のモーターサイクルがお父さん? そう思って聞くと「ええ、そうなんです。でも今日は『後』(先頭ではなく後方の担当)なんですけどね〜」と言いながらもうれしそう。頑張れ、お父さん!
観客の声を拾っているうちに、周回はどんどん過ぎていく。どうやら愛三工業の西谷泰治は個人総合を安泰にしたらしい。ポイント賞はウィズイアックか。となると、観客の興味はただひとつ「このステージ、誰が勝つか」。ラスト1周になるとフィニッシュ地点が見える範囲にぞくぞくと観客が集まった。そしてレースは、前日に続いて先頭でフィニッシュラインを通過したウィズイアックと、個人総合優勝を決めた西谷のガッツポーズで幕を閉じた。
ステージの表彰式に、人が集まる。レース中から、場所が場所だけに雨でも人が多いと思っていたが、ツアー・オブ・ジャパンの東京ステージより多いんじゃないかと思える人が、表彰式を見届ける。レース中も、2〜3周だけ見て、ケータイで写真を撮って満足そうに去っていく人をたくさん見た。そういう人たちも含めれば、かなりの人たちが今日のクリテリウムを観たのだろう。
残念なこともあった。ひとつは、レース中に無理に横断した通行人と千切れて走っていた選手がもろに衝突したこと。もうひとつは、ポイント賞や山岳賞、そして個人総合の表彰式が大通公園で行われないこと。ツール・ド・北海道の最終日はレース後の夜に別の場所で閉会式と懇親会が行われるからだ。これだけの観客が大通公園に集まっているのに、勿体ない! 来年はぜひ大通公園で閉会式を行って、スレージレースにふさわしいフィナーレを見せてほしい。
それにしても札幌のど真ん中、大通公園でレースを行うまでには、たくさんの苦労があったことだろう。選手や関係者たちの夢がようやく実現したことは、素晴らしいの一言に尽きると思う。そして、美唄からモエレ沼に向かった第4ステージも見たのだが、地元の人たちの熱心な応援も印象に残った。
来年もぜひ大通公園でクリテリウムが行われることを祈っているし、来年も行われるなら、また観戦したいと――そう思わせるツール・ド・北海道最終ステージだった。来年は皆さんも、観光と絡めていかがですか?

ツール・ド・北海道2006 観客の目から見た大通公園クリテリウム フォトギャラリー
photo&text:Gen.SUGAI


ツール・ド・北海道2006 観戦レポート
「こんなことが実現できるんだ」――観客の目から見た大通公園クリテリウム
しかし空はどんよりと曇っている。市民レースが終わり国際レースに参加しているチームのチームカーが大通公園に勢揃いした頃には、それなりの雨になっていた。そんな中、選手たちが少しずつコースの試走に出かけて行く。前日の第4ステージを制したNIPPOのウィズイアックもコースへと出て行った。
やがて、大通の周囲を歩く人の多くが傘をさすほどの雨量になってきた。それでも徐々に観客が集まり始める。チームバンの福島康司選手は試走中から愛想を振りまいているし、観客も「がんばれ〜」と声をかけている。
そして選手がスタートラインに招集される頃になると、スタートが見えるところでは観客の位置取りも激しくなる。多くの観客が、しかも今まで自転車レースを見ているとは思えないようなおじちゃん、おばちゃんまで、コース際からスタートラインの方向を覗いている。
やがて、国際レースのクリテリウムがスタート。拍手や歓声の中を集団が駆け抜けていった。1周1.5kmしかないから、選手はすぐにやってくる。集団が通過していくたびに水煙が上がり、選手の顔はたちまち汚れていく。ポイント賞も個人総合も僅差だから、前のほうでは激しい展開だ。
選手が周回を重ねる間、せっかくなので観客の方々にお話を伺ってみた。趣味でサイクリングを楽しんでいるという地元から来たご夫婦は、今日のクリテリウムの様子を「今までロードレースは見たことがなかったけれど、(今日のクリテリウムは)スゴイの一言につきる。大通公園で、本当にこんなことが実現できるんだなと思いました。すばらしいことだと思います」と感想を語ってくれた。
地元札幌に事業所を構えるNIPPOコーポレーションの応援団の動員力と熱心さが目立った。応援団の方に「自分の会社のチームが勝つとうれしいですか?」と伺うと「やっぱりうれしいです。春先はチームの調子が良くなかったみたいなんですが、北海道で勝てて良かったです」との返事。前日のウィズイアック(NIPPO)の勝利は、応援団にも力を与えている。
沿道を歩いていると、観客の間から「お父さん〜頑張れ〜!」の声が。もしかして、後のモーターサイクルがお父さん? そう思って聞くと「ええ、そうなんです。でも今日は『後』(先頭ではなく後方の担当)なんですけどね〜」と言いながらもうれしそう。頑張れ、お父さん!
観客の声を拾っているうちに、周回はどんどん過ぎていく。どうやら愛三工業の西谷泰治は個人総合を安泰にしたらしい。ポイント賞はウィズイアックか。となると、観客の興味はただひとつ「このステージ、誰が勝つか」。ラスト1周になるとフィニッシュ地点が見える範囲にぞくぞくと観客が集まった。そしてレースは、前日に続いて先頭でフィニッシュラインを通過したウィズイアックと、個人総合優勝を決めた西谷のガッツポーズで幕を閉じた。
ステージの表彰式に、人が集まる。レース中から、場所が場所だけに雨でも人が多いと思っていたが、ツアー・オブ・ジャパンの東京ステージより多いんじゃないかと思える人が、表彰式を見届ける。レース中も、2〜3周だけ見て、ケータイで写真を撮って満足そうに去っていく人をたくさん見た。そういう人たちも含めれば、かなりの人たちが今日のクリテリウムを観たのだろう。
残念なこともあった。ひとつは、レース中に無理に横断した通行人と千切れて走っていた選手がもろに衝突したこと。もうひとつは、ポイント賞や山岳賞、そして個人総合の表彰式が大通公園で行われないこと。ツール・ド・北海道の最終日はレース後の夜に別の場所で閉会式と懇親会が行われるからだ。これだけの観客が大通公園に集まっているのに、勿体ない! 来年はぜひ大通公園で閉会式を行って、スレージレースにふさわしいフィナーレを見せてほしい。
それにしても札幌のど真ん中、大通公園でレースを行うまでには、たくさんの苦労があったことだろう。選手や関係者たちの夢がようやく実現したことは、素晴らしいの一言に尽きると思う。そして、美唄からモエレ沼に向かった第4ステージも見たのだが、地元の人たちの熱心な応援も印象に残った。
来年もぜひ大通公園でクリテリウムが行われることを祈っているし、来年も行われるなら、また観戦したいと――そう思わせるツール・ド・北海道最終ステージだった。来年は皆さんも、観光と絡めていかがですか?
ツール・ド・北海道2006 観客の目から見た大通公園クリテリウム フォトギャラリー
photo&text:Gen.SUGAI
まだコメントはありません








コメント(0)
トラックバック(0)


























