2006/7/21 3:51


この日はアルプス山岳ステージの最終日。後半は実に5つもの山岳ポイントが選手を待ち構える。そして最後のジュープラン峠の登りは今大会屈指の難易度を誇り、勝負はここで決すると思われていた。
レースは序盤から積極的な展開で幕が開ける。集団からアタックが続き、12km地点で13名が抜け出した。この中にはスチュアート・オグレディ(オーストラリア、CSC)、フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、クイックステップ)、パトリス・アルガン(フランス、クレディアグリコル)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、フランセーズデジュー)、パトリック・シンケウィッツ(ドイツ、Tモバイル)らが含まれる。
この13名は順調に集団との差を広げて行き、最初の山岳ポイントであるセジエー峠(1級)の麓、60km地点で差は11分にまで広がる。このままの状態でレースが進んで行くと思われたが、最初の登りが始まるや否や、思わぬ展開が待っていた。
ここまでメイン集団の中に姿を潜めていたフォナックが急激にペースを上げだしたのだ。これによって早くも集団は崩壊し、集団前方を走るのは総合上位の選手だけという事態に。このフォナックの動きは一人の男のための動きに違いなかった。
前日の第16ステージで大ブレーキを起こし、総合争いから脱落したと思われていたランディスがここで飛び出したのだ。アンドレアス・クレーデン(ドイツ、Tモバイル)やカルロス・サストレ(スペイン、CSC)といった総合上位の選手がランディスを追うが、ランディスは猛然と山頂へ突き進む。そしてこのままランディスが単独で先頭集団を追い始めたのだ。
最初のセジエー峠の山頂はランディスが先頭から遅れること3分で通過。その時点で集団との差は4分にまで広がっていた。
2つ目のアラヴィ峠(2級)への登りでついにランディスは5名に絞られていた先頭集団を捉える。そしてそのまま集団で山頂を通過した。ケスデパーニュが先頭を引くメイン集団はこれを追う気配を見せず、タイム差ばかりが広がって行く。
次のコロンビエール峠(1級)の登りに入る頃には、先頭はランディス、シンケウィッツの2人になっていた。後続の集団にクレーデンを残すシンケウィッツは決して前を引くことなく、ランディスにひたすら着いて行く。ランディスは幾度となくボトルの水を頭にかけ、表情からは集中が途切れない。
その頃には差が9分にまで広がっており、ランディスは暫定のマイヨジョーヌ。しかしここにきてさすがにメイン集団もペースを上げだした。先頭に立って集団を引いたのはCSCとTモバイル。しかしこの懸命の追撃にも関わらずランディスとの差は縮まらない。
そしてランディスは最後のジュープラン峠への登りに入った。登り始めの時点で差はまだ7分もある。登りに入るとすぐシンケウィッツが千切れて行く。そしてここからランディスの独走が始まった。
一方、メイン集団はジュープラン峠の登りに入るとすぐさま分解。カルロス・サストレ(スペイン、CSC)が集団から飛び出す中、マイヨジョーヌのオスカル・ペレイロ(スペイン、ケスデパーニュ)やアンドレアス・クレーデン(ドイツ、Tモバイル)といった選手が続々と遅れてしまう。
サストレが懸命にランディスを追うが、そのタイム差は大きすぎた。ランディスが後続との差を5分以上に保ったまま単独で山頂をトップ通過し、後はゴールまでの12kmを下るのみとなった。
後方ではダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレフォンディタル)やクリストフ・モロー(フランス、アージェードゥーゼル)がいいペースで登る一方で、クレーデンは苦しい状況に。デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)もミカエル・ラスムッセン(デンマーク、ラボバンク)にアシストされながらなんとかペレイロに食らいつく。
サストレはランディスから遅れること5分7秒遅れで山頂を通過。マイヨジョーヌのペレイロはサストレから遅れること1分46秒で通過する。この時点でマイヨジョーヌは暫定でサストレの手に渡る計算だった。
ランディスは無難に下りをクリアし、単独でゴールのモルジンヌの街に入ってくる。最後までタイムロスを惜しみ、ペースを落とさないランディスからは総合への熱い想いが感じられた。最後は拳を突き出す力強いガッツポーズを見せ、トップでゴールラインを切った。
一方、マイヨジョーヌ争いが加熱する後方では、サストレが最後の下りでスピードが出ない。結局5分43秒遅れの2位でゴールするものの、下りでタイムをロスしてしまった。3位にモロー、4位にクネゴが入る中、注目はマイヨジョーヌのペレイロへ。
結局ペレイロは7分8秒遅れの7位でゴール。最後の下りで挽回した分、総合成績でサストレを12秒上回ってマイヨジョーヌを死守した。
マイヨブラン(新人賞ジャージ)はクネゴのもとへ。連日のアルプスでの果敢な走りによって、ついにクネゴが純白のジャージに袖を通した。しかし2位マークス・フォーテン(ドイツ、ゲロルシュタイナー)との差は5秒。この争いも最後までもつれ込みそうな様相を呈す。
前日の第16ステージで危機に陥ったランディス。誰もがランディスのマイヨジョーヌの夢が潰えたと思っていた。しかし僅か一日でコンディションを戻し、安定した登りでの素晴らしい走りによって総合3位にジャンプアップ。見事としか言いようがない走りで、マイヨジョーヌ争いに返り咲いた。
1位 フロイド・ランディス(アメリカ、フォナック) 5h23'36"
2位 カルロス・サストレ(スペイン、CSC) +05'42"
3位 クリストフ・モロー(フランス、アージェードゥーゼル) +05'58"
4位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレフォンディタル) +06'40"
5位 マイケル・ボーヘルト(オランダ、ラボバンク) +07'08"
6位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、CSC)
7位 オスカル・ペレイロ(スペイン、ケスデパーニュ)
8位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、Tモバイル)
9位 アイマル・スベルディア(スペイン、エウスカルテル)
10位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、ダヴィタモンロット) +07'20"
1位 オスカル・ペレイロ(スペイン、ケスデパーニュ) 80h08'49"
2位 カルロス・サストレ(スペイン、CSC) +00'12"
3位 フロイド・ランディス(アメリカ、フォナック) +00'30"
4位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、Tモバイル) +02'29"
5位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、ダヴィタモンロット) +03'08"
6位 デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク) +04'14"
7位 シリル・デッセル(フランス、アージェードゥーゼル) +04'24"
8位 クリストフ・モロー(フランス、アージェードゥーゼル) +05'45"
9位 アイマル・スベルディア(スペイン、エウスカルテル) +08'16"
10位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、Tモバイル) +12'13"
1位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、ダヴィタモン・ロット) 252
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) 207
3位 エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム) 172
1位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、ラボバンク) 163
2位 フロイド・ランディス(アメリカ、フォナック) 131
3位 ダビ・デラフエンテ(スペイン、サウニエルドゥバル) 113
1位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ) 80h26'07"
2位 マークス・フォーテン(ドイツ、ゲロルシュタイナー) +00'05"
3位 マチュー・スプリック(フランス、ブイグテレコム) +1h23'08"
1 Tモバイル 240h43'27"
2 CSC +08'41"
3 ラボバンク +12'31"

ツール・ド・フランス2006 第17ステージグラフィックス
text: Kei. TSUJI


ツール・ド・フランス2006第17ステージ
マイヨジョーヌへの執念 ランディス起死回生のステージ優勝!
この日はアルプス山岳ステージの最終日。後半は実に5つもの山岳ポイントが選手を待ち構える。そして最後のジュープラン峠の登りは今大会屈指の難易度を誇り、勝負はここで決すると思われていた。
レースは序盤から積極的な展開で幕が開ける。集団からアタックが続き、12km地点で13名が抜け出した。この中にはスチュアート・オグレディ(オーストラリア、CSC)、フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、クイックステップ)、パトリス・アルガン(フランス、クレディアグリコル)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、フランセーズデジュー)、パトリック・シンケウィッツ(ドイツ、Tモバイル)らが含まれる。
この13名は順調に集団との差を広げて行き、最初の山岳ポイントであるセジエー峠(1級)の麓、60km地点で差は11分にまで広がる。このままの状態でレースが進んで行くと思われたが、最初の登りが始まるや否や、思わぬ展開が待っていた。
ここまでメイン集団の中に姿を潜めていたフォナックが急激にペースを上げだしたのだ。これによって早くも集団は崩壊し、集団前方を走るのは総合上位の選手だけという事態に。このフォナックの動きは一人の男のための動きに違いなかった。
前日の第16ステージで大ブレーキを起こし、総合争いから脱落したと思われていたランディスがここで飛び出したのだ。アンドレアス・クレーデン(ドイツ、Tモバイル)やカルロス・サストレ(スペイン、CSC)といった総合上位の選手がランディスを追うが、ランディスは猛然と山頂へ突き進む。そしてこのままランディスが単独で先頭集団を追い始めたのだ。
最初のセジエー峠の山頂はランディスが先頭から遅れること3分で通過。その時点で集団との差は4分にまで広がっていた。
2つ目のアラヴィ峠(2級)への登りでついにランディスは5名に絞られていた先頭集団を捉える。そしてそのまま集団で山頂を通過した。ケスデパーニュが先頭を引くメイン集団はこれを追う気配を見せず、タイム差ばかりが広がって行く。
次のコロンビエール峠(1級)の登りに入る頃には、先頭はランディス、シンケウィッツの2人になっていた。後続の集団にクレーデンを残すシンケウィッツは決して前を引くことなく、ランディスにひたすら着いて行く。ランディスは幾度となくボトルの水を頭にかけ、表情からは集中が途切れない。
その頃には差が9分にまで広がっており、ランディスは暫定のマイヨジョーヌ。しかしここにきてさすがにメイン集団もペースを上げだした。先頭に立って集団を引いたのはCSCとTモバイル。しかしこの懸命の追撃にも関わらずランディスとの差は縮まらない。
そしてランディスは最後のジュープラン峠への登りに入った。登り始めの時点で差はまだ7分もある。登りに入るとすぐシンケウィッツが千切れて行く。そしてここからランディスの独走が始まった。
一方、メイン集団はジュープラン峠の登りに入るとすぐさま分解。カルロス・サストレ(スペイン、CSC)が集団から飛び出す中、マイヨジョーヌのオスカル・ペレイロ(スペイン、ケスデパーニュ)やアンドレアス・クレーデン(ドイツ、Tモバイル)といった選手が続々と遅れてしまう。
サストレが懸命にランディスを追うが、そのタイム差は大きすぎた。ランディスが後続との差を5分以上に保ったまま単独で山頂をトップ通過し、後はゴールまでの12kmを下るのみとなった。
後方ではダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレフォンディタル)やクリストフ・モロー(フランス、アージェードゥーゼル)がいいペースで登る一方で、クレーデンは苦しい状況に。デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)もミカエル・ラスムッセン(デンマーク、ラボバンク)にアシストされながらなんとかペレイロに食らいつく。
サストレはランディスから遅れること5分7秒遅れで山頂を通過。マイヨジョーヌのペレイロはサストレから遅れること1分46秒で通過する。この時点でマイヨジョーヌは暫定でサストレの手に渡る計算だった。
ランディスは無難に下りをクリアし、単独でゴールのモルジンヌの街に入ってくる。最後までタイムロスを惜しみ、ペースを落とさないランディスからは総合への熱い想いが感じられた。最後は拳を突き出す力強いガッツポーズを見せ、トップでゴールラインを切った。
一方、マイヨジョーヌ争いが加熱する後方では、サストレが最後の下りでスピードが出ない。結局5分43秒遅れの2位でゴールするものの、下りでタイムをロスしてしまった。3位にモロー、4位にクネゴが入る中、注目はマイヨジョーヌのペレイロへ。
結局ペレイロは7分8秒遅れの7位でゴール。最後の下りで挽回した分、総合成績でサストレを12秒上回ってマイヨジョーヌを死守した。
マイヨブラン(新人賞ジャージ)はクネゴのもとへ。連日のアルプスでの果敢な走りによって、ついにクネゴが純白のジャージに袖を通した。しかし2位マークス・フォーテン(ドイツ、ゲロルシュタイナー)との差は5秒。この争いも最後までもつれ込みそうな様相を呈す。
前日の第16ステージで危機に陥ったランディス。誰もがランディスのマイヨジョーヌの夢が潰えたと思っていた。しかし僅か一日でコンディションを戻し、安定した登りでの素晴らしい走りによって総合3位にジャンプアップ。見事としか言いようがない走りで、マイヨジョーヌ争いに返り咲いた。
1位 フロイド・ランディス(アメリカ、フォナック) 5h23'36"2位 カルロス・サストレ(スペイン、CSC) +05'42"
3位 クリストフ・モロー(フランス、アージェードゥーゼル) +05'58"
4位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレフォンディタル) +06'40"
5位 マイケル・ボーヘルト(オランダ、ラボバンク) +07'08"
6位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、CSC)
7位 オスカル・ペレイロ(スペイン、ケスデパーニュ)
8位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、Tモバイル)
9位 アイマル・スベルディア(スペイン、エウスカルテル)
10位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、ダヴィタモンロット) +07'20"
1位 オスカル・ペレイロ(スペイン、ケスデパーニュ) 80h08'49"2位 カルロス・サストレ(スペイン、CSC) +00'12"
3位 フロイド・ランディス(アメリカ、フォナック) +00'30"
4位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、Tモバイル) +02'29"
5位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、ダヴィタモンロット) +03'08"
6位 デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク) +04'14"
7位 シリル・デッセル(フランス、アージェードゥーゼル) +04'24"
8位 クリストフ・モロー(フランス、アージェードゥーゼル) +05'45"
9位 アイマル・スベルディア(スペイン、エウスカルテル) +08'16"
10位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、Tモバイル) +12'13"
1位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、ダヴィタモン・ロット) 2522位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) 207
3位 エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム) 172
1位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、ラボバンク) 1632位 フロイド・ランディス(アメリカ、フォナック) 131
3位 ダビ・デラフエンテ(スペイン、サウニエルドゥバル) 113
1位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ) 80h26'07"2位 マークス・フォーテン(ドイツ、ゲロルシュタイナー) +00'05"
3位 マチュー・スプリック(フランス、ブイグテレコム) +1h23'08"
1 Tモバイル 240h43'27"2 CSC +08'41"
3 ラボバンク +12'31"
ツール・ド・フランス2006 第17ステージグラフィックス
text: Kei. TSUJI
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