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フランスではパリ～ニース、そしてイタリアではティレーノ・アドリアティコと春先のビッグなステージレースがいま同時に開催中だ。多くのグランツールライダーが調整で走るだけではなく、このビッグタイトルを目指して多くのステージライダーがしのぎを削るハイレベルバトルは見応え十分だ。ティレーノ・アドリアティコのオープニングステージはチームTT、制したのは常に安定してチームTTで結果を残し続けるBMCだった。第2ステージでは新天地移籍後勝てずに苦悩し続けたマルセル・キッテル（カチューシャ・アルペシン）がようやく勝利をつかみ取った。

第1ステージ

『常にチームTTで結果を出せるこのチーム　＠Tim D Waele』

オープニングのチームTT 、各チームチーム実戦でのチームTTは少ないだけに貴重なステージだが、常に安定した結果を残すBMCが出場予定だったエースのリッチー・ポートを欠きながらも勝利、その実力をいかんなく発揮した。その先頭でゴールしたダミアーノ・カルーソが総合リーダージャージを獲得するとともに、今大会のチームのエースの可能性があることを示した。

『BMCは総合も狙いたい　＠Tim D Waele』

「ポート抜きで戦うのはきついね。でもこれが今の現実だから、あとは毎日その日その日で対応をしていくよ。僕がエースかって？チームにはヴァン・アーヴェルマートもいるしね。ただ僕自身は総合を狙いたいよ。まあまずは明日だね。」カルーソは笑顔で語った。

『フルームは走りづらいだろう　＠Tim D Waele』

このステージでは渦中のクリス・フルーム（チームスカイ）も出走、いまだに現役の選手からも結論が出るまでは出走すべきではない、という言葉が飛び交う中での出場となっている。そのチームスカイはやはりいいメンバーを揃えているだけにステージ3位、総合をどう狙ってくるのかに注目が集まりそうだ。

ティレーノ・アドリアティコ第1ステージ
1位　BMC
2位　ミッチェルトン・スコット
3位　チームスカイ
4位　クイックステップ・フロアーズ
5位　チームサンウェブ

第2ステージ

『ガッツポーズにその喜びがわかる　＠Tim D Waele』

マルセル・キッテル（カチューシャ・アルペシン）にとっては長すぎたウィニングレスストリークだった。自分と入れ替わりでクイックステップ・フロアーズに加入したエリア・ヴィヴィアーニが勝利を量産する中。期待されながらもここまで新天地で勝利できなかった焦りから、ようやく解放された。

この日はカチューシャのお膳立ては完璧だった。トレインを組みペースを上げると、そのままの勢いでゴール勝負へと持ち込んでいく。最後のリードアウトが外れて発車するキッテル、だがその背後にぴたりとつけているのは世界チャンピオンのピーター・サガン（ボーラ・ハンスグロエ）、さらにその背後にはジャコモ・ニッツォーロ（トレック・セガフレド）やフェルナンド・ガヴィリア（クイックステップ・フロアーズ）らが狙う状態となる。しかしこの日のキッテルは”いい時”のキッテルだった。そのまま力強く加速をすると、サガンとニッツォーロをそのまま引き離してのゴールとなった。

<table width=670order=”0″ align=”right” cellpadding=”6″ class=”caption”>
<tr>
<td align=”center”><img src=”http://image.cyclingtime.com/themes/newsimg2012/180309001_5.jpg” border=”0″></a>
<font color=”gray”>『キッテルようやくの勝利　＠Tim D Waele』</font></td></tr></table>
「ようやくだよ！やっと勝てたよ。シーズン当初から、なかなか思ったようにいかなかったんだ。いろいろと試し続けて、ようやく勝利をつかめたよ。チームは今日はいい仕事をしてくれたし、勝利できたことにほんと感謝感謝だよ。これがチームにとっても僕にとっても次へとつながる一勝だよ。これから勝利を量産していきたいね。」キッテルは安堵の表情を見せた。

総合リーダーの座はこの日ステージ5位に入ったパトリック・ベヴィン（BMC）が先着順の関係でチームメイトのダミアーノ・カルーソ（BMC）から引き継ぐ形となった。

ティレーノ・アドリアティコ第2ステージ
1位　マルセル・キッテル（カチューシャ・アルペシン）　　　4h12’24”
2位　ピーター・サガン（ボーラ・ハンスグロエ）
3位　ジャコモ・ニッツォーロ（トレック・セガフレド）
4位　ミカル・クウィアトコウスキー（チームスカイ）
5位　パトリック・ベヴィン（BMC）

ティレーノ・アドリアティコ総合順位
1位　パトリック・ベヴィン（BMC）　　　4h34’43”
2位　ダミアーノ・カルーソ（BMC）
3位　グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート（BMC）
4位　ローハン・デニス（BMC）
5位　ダリル・イムペイ（ミッチェルトン・スコット）　　　＋04”

H.Moulinette