ブエルタ・ア・エスパーニャ第14st:難関山頂ステージを制したのは逃げ集団から飛び出したブレナー!総合バトル勃発でまたしてもマスが躍動しガルと同着、ログリッチは総合3位へダウン

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勝負どころの一つと言われた今大会の第14ステージ、総合バトルが勃発するのは当たり前のことであるとともに、絶対的な爆発力のある選手もそこにはいないことを考慮したとき、逃げ切り勝利は自ずと見えてきた。その逃げ切り勝利をするために多くの選手とチームが45名の大所帯の逃下に選手を送り込んだ。そしてその中から全く予想だにしなかったマルコ・ブレナー(チュードル・プロサイクリング)が山岳賞ジャージのサンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス)をゴール前でかわし鮮やかにチームに貴重なグランツール初勝利をもたらした。今大会序盤体調不良と落車に泣かされたブレナーはここ一番のチャンスでそれを掴み取って見せた。

今シーズンはブエルタ・ア・エスパーニャ直前にツール・ド・ポローニュで総合優勝とポイント賞ジャージを獲得していただけに、実力はある選手であることは分かっていた。だがグランツールに難関山岳ステージで勝利ができるスペックがそこに備わっているとはだれが予想できただろう。今月頭のツール・ド・ポローニュ総合優勝がプロ初勝利、そしてこのブエルタステージ優勝がプロ2勝目、誰もがうらやむような結果を連ねて見せた。

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その背後では長い山頂までの上りで直接対決が勃発した。総合3位のフェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)は右腕のグレゴール・ミュールベルガー(デカスロンCMA・CGM)を昨日リタイアで失い、さらにこのステージでもアシストがリタイアするなど、攻めの手札がどんどんと減っている。そのことが影響したのか、各選手からなかなか動きはなく、途中ではこのまま総合バトルが勃発せずにゴールまで行くのではと思えるほどに淡々とした展開となった。だが最初に動いたのはガル、いつも通りの爆破力のないアタックで先頭に出ると、それにマスが反応、2人はそのままマッチレースの展開となる。総合2位のプリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)と総合4位のリチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)はそれを追うが、この日も途中でアタックを仕掛けていたカラパズはここで脱落してしまう。マスは最後までガルの動きを見て冷静に対処、ガルと撞着でステージを終えた。ログリッチは粘りの走りを続け。なんとか15秒の遅れにとどめたが総合2位の座をガルに明け渡した。

総合争いはマスが冷静にガルに対処したことで、今大会後半の個人TTへ向けてどのようなレース展開をしていけばいいのかがモビスターが綿密に戦略を練っていることがはっきりとした。初のグランツール勝利へ、マスは心身ともに絶好調のようだ。総合ではこの日逃げに乗ったクリスチャン・ロドリゲス(XDSアスタナ)とクレメント・ベルセット(グルーパマFDJユナイテッド)がそれぞれ総合8位と9位まで順位を上げた。

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この第14ステージは154.5㎞で総獲得標高が4100という超難関山岳ステージの一つ、激坂区間も用意されており総合バトルには十二分な土俵が用意された。そしてスタート直後に山岳賞ジャージのブイトラゴらがアタックを仕掛けそのまま次々と選手達がメイン集団から飛び出していき、最終的には45名にまで膨れ上がった。メイン集団はモビスターが牽引するが、逃げを容認しそのタイム差は5分以上にまで広がっていく。

順番に山岳をこなしていくと逃げの大集団も徐々に数を減らすが、そんな中今大会何とか一矢報いたいUAEチームエミレーツXRGがこのステージでも勝利を狙いに行く。ケヴィン・ファルマルケ(UAEチームエミレーツXRG)が逃げ集団から飛び出し、ゴールまで超長距離の単独走を試みる。だがファルマルケの脚質ではそれは難しく最後の上りを前に追ってきたゲオルグ・スタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト)につかまってしまう。ファルマルケは脱落、しかし今度は残り9㎞でギヨーム・マルタン(グルーパマFDJユナイテッド)がシュタインハウザーに追いつく。

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だがこの二人も結局追走してきた集団に飲み込まれ、展開は混沌とする。しかし最後は山岳スペシャリストのブイトラゴ、それに加え絶好調だったブレナーが飛び出し、二人のマッチレースとなった。結果はブレナーが力で押し切って勝利を手にして見せた。

その背後ではカラパズがアタック、個人TTでタイムを失うことを考えればここで大きくタイムを挽回したいところだったが、攻めの姿勢こそあれど相手を突き放せるほどのパワーは持ち合わせていなかった。積極果敢な動きも最終的にはマス、ガル、ログリッチの後塵を拝することとなり、30秒近いタイムをマスとガルに奪われることとなった。それでも総合4位は死守、表彰台まであと一歩の位置での挑戦が続く。

マルコ・ブレナー(ステージ1位)
「脚は回っているのを感じたし、ブイトラゴに一度は置いて行かれたけど、追いつくことができたんだ。あとはゴール前で全力で彼を振り切ったよ。ポーランドでの総合優勝で、今大会へモチベーションと期待高く乗り込んできたんだ。でも最初の週は体調不良で熱もあり、さらには落車までして散々だったんだ。だからまずは体調を戻すことに専念しないといけなかったんだ。そしてそれが功を奏して今日は最高だったよ。ポーランドでの勝利とブエルタでのステージ勝利、今月はまさに僕の選手生命の中で最高の瞬間だよ。だってグランツールのステージ勝利を上げられるのは、全プロ選手の中でほんの一握りだからね。」

第14ステージ順位
1位 マルコ・ブレナー(チュードル・プロサイクリング)   4h15’09”
2位 サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス)   +01”
3位 クリスチャン・ロドリゲス(XDSアスタナ)   +11”
4位 イヴァン・ソーサ(エキッポ・ケルン・ファルマ)   +14”
5位 ヴァレンティン・パレ・パントレ(ソウダル・クイックステップ)   +22”
6位 クレメント・ベルセット(グルーパマFDJユナイテッド)   +27”
7位 ヨルゲン・ノードヘイゲン(ヴィズマ・リースアバイク)   +39”
8位 フィリッポ・ザナ(ソウダル・クイックステップ)   +43”
9位 ウォルター・カルツォーニ(ピナレロQ36.5)   +1’06”
10位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツXRG)   +1’09”

ブエルタ・ア・エスパーニャ)総合順位
1位 エンリック・マス(モビスター)  49h28’12”
2位 フェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)   +2’06”
3位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +2’10”
4位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)   +4’24”
5位 オスカル・オンリー(ネットカンパニー・イネオス)   +5’44”
6位 ヤコブ・オムルツェル(バーレーン・ヴィクトリアス)   +6’14”
7位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック)   +6’49”
8位 クリスチャン・ロドリゲス(XDSアスタナ)  +7’01”
9位 クレメント・ベルセット(グルーパマFDJユナイテッド)   +7’19”
10位 セップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク)    +8’55”

H.Moulinette