ジロ・デ・イタリア2026第11st:2度あることは3度ある、ナルバエスがまたも逃げきり勝利!これで3度の逃げで3勝!UAEは11ステージ4勝と勝利量産中、総合はオージーがトップ10に4人(ダイジェスト動画あり

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©Giro d’Italia

今大会戦略を変えてから勝利を量産中のUAEチームエミレーツXRGだが、第11ステージでまたしてもヨナタン・ナルバエス(UAEチームエミレーツXRG)が今大会3度目の逃げに乗ると、そのままゴールではエンリック・マス(モビスター)との一騎打ちを制した。これで今大会3勝目、チームは11ステージで4勝と勝利を量産中だ。2度あることは3度ある、不幸中の幸い、様々に表現できそうなこの勝利は、当然総合系で勝負すると思い込んで挑んでいるステージ優勝狙いで乗り込んできたチームにとっては目の上のたんこぶといった状況だ。

しかし3度逃げに乗って3度とも勝利するというのは勝負勘が優れているだけでは説明がつかない。通常逃げはなかなか決まるものではなく集団が追いついて吸収してしまうことがほとんどだ。そんな中、容認される可能性が高いステージを選んだとしても、逃げに乗るメンバーは毎回異なることから、最後まで残り勝利することはかなり確率が低いのだ。しかしナルバエスはそれをいとも簡単にやってのけて見せた。まだ大会半ばではあるが、これでチーム的にはもう十分に成功したグランツールと言えるだろう。3度ゴールを制したことで、実はポイントも大幅に積み重ねており、ポイント賞争いでもナルバエスは3位の浮上した。UAEチームエミレーツXRGがあと何勝積み重ねるつもりなのか、要注目だ。

総合では同じ国根に乗っていたクリス・ハーパー(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)が総合10位に浮上した。これで総合トップ10にオーストラリア人選手が4人もいるという異例の事態となっている。

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このステージではTTの翌日ということもあり逃げが容認される可能性が高い公算だった。そのため激しいアタック合戦が繰り広げられたが、最終的にスタートから58㎞を要して12名の逃げが確定する。総合で全く活躍ができていないアレクサンダー・ヴラソフ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)、ディエゴ・ウリッシ(XDSアスタナ)、ヤスパー・ストゥーヴェン(ソウダル・クイックステップ)ら強力な布陣がそろい、この逃げで決まったかに思われた。しかしここでナルバエス、マス、レナート・ファン・イートヴェルト(インターマルシェ・ロット)が追走のアタックを仕掛ける。ナルバエスが入ったことを嫌った先頭の12に人は追いつかれまいとペースアップを図るが、これが結果あだとなり3名が脱落、そして残り82㎞でナルバエスら3人がついに合流を果たす。

それでもこの日はアタックが止まず。メイン集団からさらにクリスチャン・スカローニ(XDSアスタナ)らが追走を仕掛け、新たに逃げに合流を果たす。しかしその後の山岳で今度はマス、ハーパー、ウリッシが逃げ集団を飛び出していく。それをすぐさま追うのはナルバエス、何とか食らいついていく。だが上りの頂上付近で結局追ってきた逃げの追走につかまり、先頭はまた混沌とする。

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しかしその後の山岳でまたしてもアタックの応酬が始まりハーパー、マスが積極的に動き続ける。それに呼応してナルバエスも反応していく。そしてついにハーパーが脱落すると、そこからはマスとナルバエスの一騎打ちとなる。だが油断できないのはウリッシ、ハーパーらが20秒ほど後方をずっとついてきており、駆け引きをしてしまえば瞬時に追いつかれてしまうため、気が抜けない状態で常に踏み続けなければならなかった。下りを終えゴールまでの7㎞の平坦区間に入ってもこの構図は変わらず、ゴールまで続いた。そして迎えたゴールスプリント、予想通りナルバエスのほうがスプリントでは圧倒的に優位であり、そのままマス抑えきり、3度目の勝利の自力でもぎ取った。

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ヨナタン・ナルバエス(ステージ1位)
「今日は逃げに乗るつもりでステージをスタートしたのに、結局最初の逃げもそのあとのアタックも逃してしまい、大変な思いをして逃げまでブリッジする羽目になったよ。マスはクライマーだから、山岳セクションでは彼のほうが優位なのはわかっていたんだよ。でも僕の愛読書に、”勝負の土俵がなければ、自分で土俵を作ればいい”って書いてあったんだよ。マイケル・フェルプス(水泳の金メダリスト)はトラックで走らないだろ、彼はプールで勝負するんだ。だから山岳の上りではひたすら耐えることに専念したんだよ。」

ジロ・デ・イタリア第11ステージ順位
1位 ヨナタン・ナルバエス(UAEチームエミレーツXRG)   4h33’44”
2位 エンリック・マス(モビスター)
3位 ディエゴ・ウリッシ(XDSアスタナ)   +11”
4位 クリス・ハーパー(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)
5位 アレクサンダー・ヴラソフ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)
6位 クリスチャン・スカローニ(XDSアスタナ)   +1’13”
7位 ルドヴィコ・クレスチオーリ(ポルティ・ヴィジットマルタ)   +1’15”
8位 シモーネ・グアルディ(インターマルシェ・ロット)   +2’17”
9位 ワーレン・バルギル(ピクニック・ポストNL)   +2’19”
10位 アンドレア・ラッカーニ・ノヴィエロソウダル・クイックステップ)

ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 アフォンソ・エウアリオ(バーレーン・ヴィクトリアス)   44h17’41”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)   +2’24”
3位 テイメン・アレンスマン(ネットワーク・イネオス)   +2’59”
4位 フ ェリックス・ガル(デカスロンCMA・CGM)   +4’32”
5位 ベン・オコナー(ジェイコ・アルーラ)   +4’43”
6位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ)   +5’00”
7位 マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング)    +5’01”
8位 デレック・ジー・ウエスト(リドル・トレック)   +5’03”
9位 ジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ   +5’15”
10位 クリス・ハーパー(ピナレロQ36.5 プロサイクリング)  +5’20”

H.Moulinette