来シーズンの総合系とスプリンター覇権争いに大きな動き!ランダがモビスター移籍、そしてキッテルがカチューシャ・アルペシン移籍へ、キッテル失ったクイックステップはヴィヴィアーニ獲得

ブエルタ間近、来シーズンへ向けて大物の移籍が相次いで決まった。これで来シーズンの総合系の覇権争い、そしてスプリンター系の覇権争いが大きく変わることになりそうだ。大物の移籍はチーム間の覇権が大きく変わるだけに、この移籍がチーム間のパワーバランスを変えそうだ。

『ランダが自分のチャンスを求め移籍 ©Tim D Waele 』
今シーズンも総合系チームとして活躍したモビスターだが、ナイロ・キンターナとアレハンドロ・バルベルデの2枚看板に頼り切りなところに、もう一枚総合優勝を狙えるミケル・ランダを獲得することに成功した。キンターナが連続グランツール出場で疲労困憊、バルベルデもツール・ド・フランスで大怪我を負ったしまった。この状況下で今シーズン後半戦うことは困難、つまりは総合系の戦力不足を補うために、母国選手であるミケル・ランダの獲得を決めた。
そのランダはアスタナ時代はアルーのアシスト、スカイではフルームのアシストをこなしたが、どちらでもエース超えの走りを見せるシーンが有り、本人もエースとしての役割を欲していた。多くのチームがランダに接触、古巣のアスタナ復帰も噂されたが、最終的にランダは母国スペインのモビスターを選択した。
『キッテルがあっさりと移籍を決断 ©Tim D Waele 』
そしてもう一人、世代最強のスプリンターが移籍を決めた。過去2シーズンクイックステップ・フロアーズで勝利を量産してきたマルセル・キッテルがカチューシャ・アルペシンへの移籍を決めた。カチューシャ・アルペシンは今シーズン中盤勝てすに悩んでいたアレクサンダー・クリストフを放出、ところがそれが決まるとクリストフは連戦連勝、ヨーロッパチャンピオンにまでなった。だがその穴を補うには十二分な戦力、来シーズンはロシアン・トップチームでキッテルは勝負にでる。<br />
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キッテルは今シーズン今までのトレイン頼みの勝負方法から、単独でも勝負できるスタイルも身に着け、間違いなく未だ進化の過程にある。「新しい場所で、新しいチャレンジをする、それがモチベーションに繋がるんだよ。」キッテルは移籍が同じチームに長くいることでぬるま湯につからないためのものであることを語った。またガヴィリアの台頭で自らがチームの絶対的エーススプリンターではなくなっていることも移籍決断に繋がったとしている。またカチューシャ・アルペシンはチームスカイからイアン・ボズウェルも獲得、これは噂にもでていなかっただけに驚きを持って受け止められている。チームスカイはかなりの主力を放出しているだけに、来シーズンはどんなラインナップで開幕を迎えるのかに早くも話題が集まっている。

『ヴィヴィアーニはキッテルに代わりクイックステップへ ©Tim D Waele 』
そのクイックステップ・フロアーズはチームスカイとの契約がまだ一年残っていたエリア・ヴィヴィアーニを獲得、きっちりとすプリオンターを補充した。しかしマッテオ・トレンティンも放出しており、来年度はスプリントという意味では今年に比べて層が薄くなる可能性はありそうだ。しかしすでにヴィヴィアーニに対してジロ・デ・イタリアでのエーススプリンターのポジションも確約しており、またクイックステップ・フロアーズがチームスカイのように総合系に重点を置いていないことで、スプリントに専念できる環境となりそうだ。
激しく主力選手がシャッフルされる来シーズンが早くも楽しみだ。
H.Moulinette