移籍市場開幕!今シーズン大躍進のチームサンウェブはツール山岳賞のバルギル含む主力3名を放出!ボーラ・ハンスグロエが手堅い補強開始、クリストフ、ギャロパンも移籍へ
8月1日に解禁した移籍市場で、早くも主力級の移籍が発表となった。先日終わったばかりのツール・ド・フランスで山岳賞と総合10位を獲得したワーレン・バルギルが、チームサンウェブとの残り1年の契約を破棄し、格下プロコンチネンタルのフォーチュネオ・オスカロへの移籍を決めた。
母国チームへの移籍と、グランツールでの総合系エースとしての地位を確約されたことで、噂されていたとおりの移籍となった。「今年のツールでもこのチームを見ていて、成長著しいと感じたんだ、そんなチームへ加入できるのは嬉しい限り。」バルギルは極めて前向きだが、チームサンウェブでプロになる以前に所属していた際の恩師の元への里帰り的移籍は、吉と出るか凶と出るかは未知数となりそうだ。チームサンウェブはそれ以外にも現オランダロードチャンピオンのラモン・シンケルダムと現オーストリア個人TTチャンピオンのゲオルグ・プライドラーの二人をFDJへと放出する形となった。今シーズントム・デュムランのジロ・デ・イタリア制覇で一気に躍進を遂げたチームが、早くも主力級を相次いで放出、一体来シーズンへ向けどのようなチーム編成の予定でいるのかが気になるところだ。
またチームスカイも多くの離脱者を生みそうだ。ミケル・ニエベのオリカ・スコット移籍と、ミケル・ランダのモビスター移籍が秒読み段階と言われる中で、貴重なアシストでもあるピーター・ケノーがボーラ・ハンスグロエへの移籍を決めた。「環境を変えたかったんだよ。チームスカイでぬるま湯に長く浸かりすぎたよ。チームスカイは典型的な総合系のチームだったんだけど、これからは違う環境に身をおくことになる、それが楽しみでしょうがないよ。」ケノーは心機一転するための移籍となった。
また金メダリストでもありクラシック勝者でもあるグレッグ・ヴァン・アーヴェルマートの右腕、ダニエル・オス もBMCを離れることを決断、新天地として選んだのはケノーと同じくボーラ・ハンスグロエだった。「成長著しいチームへの移籍は刺激になるよ。またサガンらとチームメイトになれるのは嬉しいね。」ボーラ・ハンスグロエは積極的に実力ある中堅選手を獲得し、チームの強化を図っている。
また昨年来移籍が噂され続けてきたアレクサンダー・クリストフはついにカチューシャを離れる決断をした。移籍先はUAEチームエミレーツ、シーズン開幕直前に急遽スポンサーが変わるなど、激変の中でスタートしたチームは着実に結果を残し続け、そして来シーズンはスプリンターチームとしての地位を狙う。その代わりにチームの総合系エース、ルイス・メインチェスがディメンション・データへの移籍が噂されていることからすると、チームの方針をスプリント系メインに特化するのかもしれない。
逃げと言えばトニー・ギャロパン、そのギャロパンもロット・ソウダルからAG2Rへの移籍を決めた。実力派パンチャーでもあり逃げのスペシャリストは、来シーズンは違うジャージで逃げまくることが決まった。
また先出のフォーチュネオ・オスカロは、バルギル以外にもBMCからアマエル・モワナールも獲得、手堅い補強を進めている。
まだまだ主力級の移籍はこれから頻発するだろう。果たして来シーズンの勢力図はどうなっているのかが早くも楽しみになってきた。
H.Moulinette