RIDLEY
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フルモデルチェンジを果たしたエクスカリバー 上位機種のフィードバックを受けた驚異的ハイパフォーマンス
2009年、エクスカリバーは進化する。
リドレーのミドルグレードモデルに位置するエクスカリバー。そのクラスで盤石の地位を確保してきたこの人気モデルは、2009年モデルとして大幅リニューアルする。
サイレンス・ロットのライダーたちが駆り、世界のレースシーンで活躍するリドレー。そのフィードバックを受け、エクスカリバーが今生まれ変わるのだ。
あまつさえリドレーは自転車大国ベルギーを代表するブランド。フランドルの風土に磨かれるそのラインナップは一切の妥協を許さない。新生エクスカリバーの実力を探ってみよう。
上位グレードから引き継いだ機構
あえて新型という表現をさせていただくが、それほどまでに'09エクスカリバーは進化している。フレーム素材にはT700(24t)とT800(30t)という2種類の弾性率のカーボンがブレンドされている。この数字は高いほど強力なカーボン(つまり剛性が高い)といえるのだが、フレームの担う部位の特性に適したカーボンを使うことで、グレード差を補うことができると言われている。エクスカリバーはこの2種類のカーボンを適材適所に配置することで、高いコストパフォーマンスを実現しながら、最高の運動性能を発揮するべく設計された。

なかでも大きくリニューアルされたのがリアステーだ。上位機種ヘリウムで採用されていた、横方向に扁平加工された"フレキシブルシートステー"を引き継いだ。そして大きなボリュームをもつチェーンステーによってリア三角は構成され、乗り心地を犠牲にすることなく切れのいいレスポンスを狙っているのだ。

さらにチェーンステー、BBユニット、リアエンドをモノコック成形することで、剛性アップと軽量化も果たしている。なかでもカーボン化されたリアエンドはハイエンド機種かと見まがうディティールだ。

フロントセクションも剛性確保のために大口径チューブが採用され、ヘッドチューブには上部1-1/8インチ、下部1.5インチの上下異径のヘッドパーツが採用されている。リドレーがオリジナリティを有するこれらの機構は、ハンドリングに比類なき安定感をもたらす。それはすでに上位モデルによって証明されている。
横方向に扁平加工されたフレキシブルシートステーを上位機種ヘリウムから引き継いだ
大きなボリュームをもつチェーンステーが高ペダリング効率を実現する
上部1-1/8インチ、下部1.5インチの上下異径のヘッドパーツがハンドリングに比類ない安定感を生み出す
フレーム重量わずか950g! 走りと質量の軽さを実現
これらのオリジナル・ロジックを携え、フレーム重量わずか950g(Mサイズ)と中堅グレードとしては異例のサブ1kgを達成。特別軽量なパーツを使わずとも、UCIの車両規定で定められた最低完成車重量6.8kgという壁をやすやすと越えてしまいそうだ。少なくとも向こう数年のミドルグレードモデルの目標値となるであろうこの軽さ。リドレーは現時点でその境地に達した数少ないブランドのひとつと言えるだろう。しかしこのハイエンドモデルさがながらの進化を遂げたエクスカリバーが目指したものは、重量だけでなく、走りの軽さなのだ。
カーボンモノコックの流麗なデザイン
ボリュームがあるダウンチューブ。パワフルなライディングでもびくともしない
エクスカリバー専用設計のフルカーボンフォーク。軽量モデルのヘリウムと同じ流れのデザインだ
インプレッション
上下異径ヘッドはスムーズなライディングを支える大黒柱のような存在だろう
リアエンドまでカーボン成型だ。「ミドルグレードもついにここまできてしまったか」と声を上げてしまった
虎視眈々と高みを狙うライダーへ
プロツアーレースで使われているヘリウムをはじめ、リドレーのハイエンドモデルからのフィードバックを受けてリニューアルしたエクスカリバー。そのルックスから受ける印象は「ハイエンドモデル」だが、リドレーのラインナップにおいては「ミドルグレード」のバイクだという。価格はフレーム&フォークのセットで25万円でお釣りがくるというもの。 シマノのコンポで言えばアルテグラSL以上が適合するといったところだろうか。

カンパ・レコードにボーラ・ウルトラホイールといった常勝ハイエンドパーツを自然にまとうテストバイクの姿は、いやがおうにもミドルクラス以上のポテンシャルを秘めていると思わせる。実に絵になるフレームだ。フレーム重量も900g台ということだから、リスキーなパーツを使わずとも完成車で7kg前半を簡単に実現できるだろう。

軽量なフレームらしく、低速の踏みだしの軽さは顕著だ。カンパニョーロ・ボーラホイールの恩恵も少なからずともあるが、それらが相乗効果となって運動性能を2倍にも3倍にも増幅させているような錯覚すら感じる。つまり、そういったハイエンド・ホイールさえもよく似合うフレームだということ。外観だけでなく、性能も負けていないのだ。

リドレーの大口径ヘッドが生み出す高い剛性やフロント回りの重厚感は素晴らしい。芯の硬さがあり、中速域からの加速や緩い上りで踏んでいくような場面ではギヤをついついかけたくなってしまう。加えて安定感も高く、高速ダウンヒル時の高バランスは絶妙だ。高速コーナーは何年も乗り慣れたバイクのようにスムーズにライントレースできた。軽量バイクは腰高になりがちなものだが、安定性という面では軽量バイクということを感じさせない。

バック剛性も高めだ。整ったアスファルト路面では横方向に扁平加工されたフレキシブルシートステーの存在は剛性感ほど顕著に感じられることはないだろう。だが敷石を敷き詰めたような道や、コンクリートなどの荒れた路面ではじつにスムーズ。その振動吸収性能の効果が実感できた。

「上位モデルを喰ってしまう下克上フレーム」とでも形容しようか。その卓越した性能はホビーサイクリストならずとも、トップクラスのレーサーでも満足できるはずだ。セカンドバイクとしてもいいが、レース用決戦バイクとして投入するにもまったく役不足ではないと感じた。シマノ・アルテグラやカンパニョーロ・コーラス等の中級コンポで組むのももちろんお勧めだが、レース実戦派ならレコードやデュラエース、スラム・レッドといったハイエンドパーツで組んでも充分戦闘力のあるバイクにすることができる。

impression by Ken-ichi.YAMAMOTO
リドレー・エクスカリバー
サイズ / XS,S,M
価格 / 238,000円(税抜・フレームセット販売/先行50本)
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