1990年、自転車競技が国技とも言われるベルギーで誕生した“リドレー”。2005年からツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなどでも活躍するベルギーの強豪チーム“ダビタモン・ロット”(現在のプレディクトール・ロット)にバイク供給を開始。2006年には、ロビー・マキュアンがリドレーバイクを操り、ツールでマイヨ・ヴェール(ポイント賞)を獲得。着実に知名度が高まり、ベルギー本国だけでなく、日本をはじめヨーロッパ各国、アメリカでも人気が高まっている注目のブランドだ。

当初、バイクショップのフレーム製作・塗装の請負からスタートし、その後ベルギーの著名メーカー(バイク以外の分野も含む)の塗装を手がけ、1997年からはオリジナルフレーム作成を開始。ダビタモン・ロットへバイク供給を開始する以前から地元のプロ選手へのバイクサポートを行い、そこからのフィードバックで性能を高めていった。社長のヨキム・アールツ氏自身も18歳までレース活動を行い、その経験を生かした「レースシーンでの信頼性の高い」こだわりのモノ作りをめざしている。

またロードの“プレディクトール・ロット”だけでなく、シクロクロスをメインフィールドに活躍する“フェディア サイクリング チーム”にもバイクを供給している。同チームには、2006年のシクロ世界選手権を制し、2回目の世界チャンピオンに輝いたアーウィン・フェルベッケンが所属。シクロクロスのトップ選手からのフィードバックという、ロード競技とは異なる環境・視点でのデータを得られるという点もリドレーの強みであると言える。さらに、2005、06年のイタリアトライアスロンチャンピオンであるEmilio D’Aquinoもリドレーバイクを使用。近年、トライアスロン界でも人気が高まっている。
重量的な軽さだけでなく、乗り味・振動吸収性・剛性感などトータルで乗車性能バランスを追求。素材へのこだわり、風洞実験、トップ選手からのフィードバックなどから、質実剛健なバイクを生み出し続けている。その性能の高さは、実際にプレディクトール・ロットのチームバイクが市販モデルと同じものを使用していることからも、うかがい知ることができる。またカラーリングの美しさにも定評があり、トップモデルから普及モデルまで見た目からも高い品質を感じることができるだろう。

ベルギーの首都ブリュセッルから北東に60kmほどの場所に位置するTESSENDERLO。街中には自転車道が走り、ちかくのF3レースも行われるサーキットではバイクテストも実施することのできる絶好の環境にリドレー本社はある。ベルギーは平地が多く、交通手段として自転車を活用している人も多い。また自転車競技も盛んで、ツール・デ・フランドルやリエージュ〜バストーニュ〜リエージュなどのUCIプロツールも開催される、まさに自転車王国だ。

国土のほとんどが平地のベルギーではあるが、悪天候(雨)の日も多く、プロレースのコース途中には不揃いの石板が並ぶ石畳の急坂があるなど、他のヨーロッパの国で行われるレースよりも過酷なルートで競われることで知られる。あまりの過酷さゆえ、多くのチームではベルギーのレースのみ振動吸収性と耐久性に優れた別モデルを用意することもあるほど。しかしプレディクトール・ロットでは、他のレース同じモデルをそのまま使用する。このことからも、過酷なベルギーの道で鍛え上げられた技術は振動吸収性と剛性とのバランスに優れ、耐久性も高いことが実証されていると言っていいだろう。
また本社裏にある工場(2007年に移転予定)では、数多くのバイクの塗装が行われている光景を目にすることができる。この塗装技術の高さこそ、リドレーのこだわりのひとつ。塗装をわざわざベルギーの本社で行うということは、時間も労力も非常に消費することになるが、徹底した品質管理を行うことができる。「自転車は乗り物であると同時にアートである」というリドレーブランドのコンセプトがうかがえる。

フレームデザインの性能の高さにも定評がある。振動疲労、BBエリアひねり疲労、衝撃、ヘッドチューブ強度、圧力、BBエリア・リアスティー強度、シートステイの圧力などの各テストの他、風洞実験も実施。チューブ素材の特性を追求し、リドレー本社内でデザインも行っている。また工場ではスプレーのしぶきを制限し、液体塗装よりも環境に優しい粉末塗装を採用。パッキン、事務用紙、プラスチック材などは再生材を使用するなどの管理も行っている。