1988年のペドロ・デルガドに始まり、'91〜"95年のミゲール・インドゥライン、'96年のビャルヌ・リース、'97年のヤン・ウルリッヒと、ピナレロのバイクはツール・ド・フランスで勝ち続けた実績を持っている。この間、フレーム素材はスチールからアルミに変わったものの、「時代をリードする最高のレーシングバイク」というコンセプトはまったく変わらなかった。

1998年のツール・ド・フランスにおいて、ピナレロはヤン・ウルリッヒに当時驚くべきプロトタイプを供給した。アルミのメインフレームにカーボンのシートステーを組み合わせた“カーボンバック”モデルである。アルミのシャキッとした乗り味は残しつつ、バックからの不快な振動をカーボンシートステーで吸収してしまうというのがその設計コンセプトだ。今まで誰も見たことのない形態のバイクに誰もが度肝を抜かれ、市販化を願うラブコールがトレヴィーゾのピナレロに殺到した。
徹底的なR&Dをくり返し、プロロードレーサーによる実戦テストで確かな感触をつかんだピナレロは、1998年のミラノショーで世界初のカーボンバックモデル“プリンス”を発表。翌'99年からはプロユースバイクとなり、ツールやジロ、クラシックレースで輝かしい実績を残したのだった。

また同時に市販化されたプリンスは、賞賛をもってマーケットに受け入れられ、ピナレロは大量のバックオーダーを抱えることになってしまった。まさに「乾いた砂地に水をまく」という表現が相応しい状態だったが、ピナレロはいっさいクォリティを落とすことなく、1台1台じっくりとプリンスを作り上げていった。

これを横目で見ていた多くのメーカーが、一斉にカーボンバックモデルを作り始めたことはいうまでもない。数年後にはどこのメーカーもカーボンバックををラインナップに持つようになったが、ついぞプリンスを超えるバイクは誕生しなかった。
ファウスト・ピナレロはいう。「我々のカーボンバックモデルを他社のモノと一緒にしないで欲しい。ピナレロはこれを完成させるために血のにじむような努力をしたんだ。パワーの伝達効率、振動吸収性、長距離を乗った時の疲れにくさ、どれを取っても最高の性能を発揮するよ」と。

ここ数年、ロードバイク用素材のメインストリームは、アルミからカーボンへと急速に変化していった。付和雷同なメーカーは次々とラインナップの主力をアルミやカーボンバックからフルカーボンに移行していったが、ピナレロのトップモデルは今年もマグネシウム+カーボンバックの“ドグマFP”だ。自らが信じる道を見失うことなく、常に最高のレーシングバイクを作り上げる骨太な設計思想。これこそピナレロの最も魅力的な部分ではないだろうか?
ここに紹介する“ガリレオ”は、まさに名車“プリンス”の血統を受け継ぐカーボンバックモデルだ。7005T6アルミでガッチリと作られたメインフレームに、“プリンスSL”や“ドグマ”で定評のある“ONDA”カーボンフロントフォーク&シートステーを奢るという贅沢な仕様である。

また、見逃してはならないのがピナレロオリジナルのコンパクトドライブチェーンホイールやハンドルバー&ステム、サドルなどのM.O.stオリジナルパーツの採用だ。バイクをフレーム、チェーンホイール、ハンドルバーなどの単体として考えるのではなく、トータルに設計した結論だが、これらのアンサンブルはオーナーに「所有する満足感」という付加価値も提供する。

メインコンポーネントは、昨年発表になったばかりのシマノ・ニュー105 10スピード。魅力的なコストパフォーマンスも実現しながら、第一級の性能を有するガリレオは、これからロードレースを始めたい人やスポーツマインドを持ったライダーに最適の一台ということができるだろう。
デダチャイ・7003-T6トリプルバテッドアルミニウム、”ONDA”カーボンフォーク&カーボンリアステー
メインコンポーネント シマノ・ニュー105(10スピード)
フロントチェーンホイール ピナレロ・M.O.stアルミコンパクトドライブ
ホイール シマノ・WH-R550
カラー ブルー/ブラック、レッド/ブラック、ホワイト/ブラック
サイズ 50-62(C-C、2cm刻み、58以上は取り寄せ)、44、46(スローピング)
完成車税込み価格 228,900円(ペダルなし)
カワシマサイクルサプライ内ピナレロジャパン
ピナレロ イタリア本社