伝統のミラノ〜サンレモに、ペタッキが念願の勝利

ヨーロッパに春の訪れを告げる"プリマヴェッラ"と呼ばれるクラシックレース、ミラノ〜サンレモ。世界最強スプリンターの誉れ高いアレッサンドロ・ペタッキだが、昨年のこのレースでは終盤の消耗が激しく、持ち前のゴールスプリントは発揮できなかった。294kmというロングディスタンスと、終盤のチプレッサ、ポッジオの山場で激しい攻防に消耗してしまったのだ。

しかし今年は違った。勝負は予想どうりスプリントに持ち込まれたが、ペタッキはいつものようにゴール200m手前で加速すると、一気にライバルたちを引き離し、そのままミラノのゴールへと飛び込んだ。「ペタッキは300kmのレースで勝てるタイプではない」そう囁かれていた前評判を一蹴する、いつもどうりのロングスプリントだった。

二律背反をクリアしたペタッキとドグマ

シーズンオフのうちからハードなトレーニングを積み、アタック合戦に耐えるスタミナを身につけたペタッキ。山場を楽に越えられるように減量もしてきた。最後の200mに最高の状態で臨むために、ひたすら長距離を乗り込んできた。スプリンターと呼ばれる選手にとって持久性のトレーニングを積むことは、すべてが良い結果を生むとは限らない。いわば二律背反の難しさがある。

今年、ペタッキを支えるバイクであるピナレロ・ドグマFPは、ボトムブラケットを大径化し、剛性を大幅にアップさせたMO.stオーバーサイズボトムブラケットを搭載する。昨年のツール・ド・フランス参戦時からテストを重ねてきたこの新システムは、2005プロダクツとして市販化もされた。

「長距離を走っても腰への負担が少ないから、ゴールスプリントに有利に臨むことができる」昨年までの2シーズンでドグマへの印象をそう語っていたペタッキ。マグネウムという軽く、振動吸収性に優れる不思議な金属特性と、高出力のペダリングパワーに撓みを許さない高剛性のM.O.stボトムブラケットシステムの融合。

振動吸収性と高剛性の両立という、ロードバイクにとって常に両立できない二律背反の難題を高いレベルでクリアしたピナレロ・ドグマFP。ミラノ〜サンレ
モでの勝利で、ペタッキの自己変革とともに、ドグマの進化が正しかったことが実証された。

2004年シーズンにはジロ・デ・イタリア区間9勝、年間20勝という大記録を打ち立てたアレッサンドロ・ペタッキ。ミラノ〜サンレモでの勝利で今シーズン12勝目をマークした破竹の勢いは、早くもそれを上回ることを予感させる。


パリ〜ニースで好調な滑り出し。カンチェラーラ飛躍の予感

一方でフランスに春を告げるステージレースが"パリ〜ニース"だ。UCIプロツアーの記念すべき初戦となったこのレースにもファッサボルトロが参戦。

パリでのプロローグではファビアン・カンチェラーラが2位と健闘した。2004ツール・ド・フランスのプロローグを制したカンチェラーラはカーボンモノコック製TTマシン”モンテロ”を駆り、ショートディスタンスのタイムトライアルでは抜群の強さを見せる。

寒さの厳しいステージが続いたパリ〜ニース。サン・ペレー〜モンテリマール間の第4ステージはスタート直後からハイペースで展開。厳しい山岳ポイントと強風のため集団は分断、多くの選手たちが遅れていった。しかし高速巡航性に優れるドグマFPに乗るファッサボルトロの選手たちは、常に集団前方でレースを展開。残り5kmを切った時点で先頭は9人の選手に絞られたが、この中にカンチェラーラ、フアンアントニオ・フレチャ、パオロ・ボッソーニの3選手を送り込むことに成功した。

残り1km、カンチェラーラとフレチャがクレディアグリコルのスプリンター、ヤン・キルシプーとともに抜け出した。ラスト400mでキルシプーが仕掛けるも、抜群の振動吸収性を誇るリアルレーシングマシン”ドグマFP”により体力を温存していたカンチェラーラがこれをかわし、見事ステージ優勝を成し遂げた。この勝利によりカンチェラーラは個人総合成績で首位に立ち、レースリーダーの証、マイヨジョーヌ&ブランに袖を通した。

最終的に総合優勝はチームCSCに譲ったものの、ファッサボルトロ全体の今年の活躍を予感させるに充分な結果となった。

これらの勝利によりファッサボルトロはプロツアーランキングでチーム総合首位に立つことになった。そしてペタッキは現在プロツアーリーダージャージをキープしている。