ペダリングは踏み込む力も大切だが、引き上げる力もムダにしたくない。そのためには足にフィットしたシューズ選びもさることながら、甲を固定するクロージャー選びも重視したい。

「自分のフィーリングに合うクロージャーを選んでみてください。僕は今、細かい締めつけ調整ができる3本ベルクロタイプを使っています。」

アジャスター機構をもったバックルで締め付けるタイプがもてはやされているが、固定力がある反面、部品の破損などのリスクもあることは否めなかった。落車や接触の際に部品が破損してしまうケースも起こりうることだ。その点、ベルクロタイプは破損する部品もないし、締め付け具合は細かく調節できる。

もちろんバックルやワイヤーを使ったシューズにも利点はある。より強いホールド感はスプリントをかけるような強いペダリング時にも安心感がある。

「06年に使っていたオクタンの「BOAシステム」と呼ばれるダイヤルでケブラーストリングス(糸)を引き絞るタイプも、甲の全体を締め付ける感じがして良かったし、2つのクロージャーでも十分なフィット感が得られた。」

バックルを使用するクロージャーは、甲の形・高さによっては硬い部分に局所的な圧迫を感じるなど、人それぞれだ。シューズを選ぶ際は試し履きで足首を回すなどして、ストレスがないかチェックしてみよう。
細かい締め付け調整ができるだけでなく、バックルを使用しないので甲に負担をかけない。最近のレース界では、ベルクロタイプが見直されてきたようだ。(写真:パールイズミ「オクタンLE」)
 
ダイヤルを回すことで、アッパーに張り巡らされたケブラーストリングス(糸)を締め付けるタイプ。甲の全体を「面」で締め付けるようにホールドする独特のフィット感が特徴だ。(写真:パールイズミ「ピーアイベイパーR2®」)
 
サイドについたバックルと呼ばれるレバーを操作することでラチェット機構の段階ごとに甲の上部を締め付ける。確実な固定力が生み出される。(写真:パールイズミ「ジュースR2」)
 
5700 オクタンLE
5015 ピーアイベイパー®ロード
5071 ジュースR2
5067 ピーアイバイパー®R2
5060 ピーアイバガボンド®R4
5050 ファストR3
5063 アールエス02
 
 

いくら高機能が備わったシューズでも、正しく履かなければその性能は発揮されない。

「サイクリングシューズはサドルに座って使うもの。だからシューズを履くときは、イスに座る姿勢でクロージャーを締めるようにしましょう。」

左の写真を見て欲しい。これが正しいシューズの履き方の姿勢だ。つま先を少し持ち上げてかかとをヒールカップの奥まで収めるように足を入れてからクロージャーを締めてゆく。もちろん別府選手の言うとおり、座って履くことが重要だ。もし立ったまま履けばフィットさせることは難しい。

「3本ベルクロなら真ん中のクロージャーから締めること。これはベルクロの下にあるベロにシワが寄らないようにするためのコツであることと、シューズをしっかりフィットさせるコツでもあります。真ん中のベルクロは、かかとをヒールカップに収めた状態で足を位置決めする役割を担っています。

次につま先側のベルクロを締める。これは補助的な役割なので特に強く締め付ける必要はありません。そして最後に、手前のベルクロ(もしくはバックル)をしっかりと締めます。」


このとき、ベロをきちんと伸ばしておくことも大切。また、練習中に休憩などで歩いた後も、また座ってベルクロを締め直すと別府選手は言う。

「歩いているうちにかかとがズレたりベルクロが緩んだりする場合があります。少し手間でも、シューズの性能を生かすために、履き直すことをおすすめします。」