ヒロシ この春から自転車通学を始めたいと思っています。ペダルやサイクリングシューズには種類がたくさんあってどう選んで良いのか分からないんです。教えてください。

タケヤ シューズに多くのバリエーションがあるということは、それだけ使い方があるということだよ。通学用ならば履き心地が良いタウンシューズタイプがいいかな。ルックス的にも抵抗感の少ないものをオススメするよ。ところで、学校までの距離はどのくらい?

ヒロシ 片道20kmくらいです。練習も兼ねてます!

タケヤ へぇ〜、かなり距離があるね。走行時間が長くなるから軽快に自転車に乗ることも考えて、歩くことよりペダリングに適したペダルとシューズを選ぶ必要があるなぁ。もう少しスポーティなシューズを選んだほうがいいかな。

ヒロシ どんなものがありますか。

タケヤ ロードバイクなんだね? ロード用のペダルとそれに合ったロードシューズから探してみようか。レーシングタイプになるね。学校では履き替えることが前提だね。

ヒロシ せっかく毎日片道20kmも走るから、今年中に耐久レースやヒルクライムレースにデビューしたいと思っています。ぜひレースにも対応できるシューズで探したいんですが、種類が多くてどれを選べばいいのか迷ってしまいます。

タケヤ 価格もまちまちだけれど、必ずしも高価なものがベストチョイスというわけではないよ。選択は個人の熟練度にもよるね。まずはエントリーモデルや中間グレードから選んでみよう。そのメーカー履き心地が自分に合うかも確かめよう。気に入ったメーカーができたら、ゆくゆくはそのハイグレードモデルを選べば良いんじゃないかな?

ヒロシ グレードの違いは履き手のレベルの違いですか?

タケヤ グレードの違いは主にソール(底)の違いが大きいね。最近のハイグレードモデルは例外なくカーボンソールだね。中級モデルはナイロンなど樹脂ソール。ナイロンといってもゴム底よりもケタ違いに硬いよ。踏み込む力がかかってもよじれて力が逃げたりしないようにできているんだ。初心者ならまず樹脂製のほうがいいかな。カーボンソールでなければ速く走れないというわけではないから。カーボンの硬さが逆にストレスになったり、足裏が痛くなってしまうこともあるから。まずは、価格的にも手に入りやすいナイロンソールのグレードで色々なメーカーのシューズを試してみて。

ヒロシ 今後の参考のために、上級者がカーボンソールを選ぶ理由を教えてください。

タケヤ なんといっても軽い。回し続けるペダリングでは軽いもののほうが有利でしょ。そして、硬くてしっかりとしている。大きな力が加わったときにねじれの生じないソールのほうがペダルに力が集中して伝わるんだ。安定感があるんだよ。

ヒロシ なんだかカーボンソールが欲しくなってきちゃったなぁ。自分は真剣にがんばるほうだから、買っちゃおうかなぁ。アッパー部分にも色々なタイプがありますね。

タケヤ 親切なメーカーは同じソールでも色々なクロージャー(甲を締める部分)をラインナップしているよね。自分に合った好みのものを選ぶといい。パールイズミの場合、ユニークなのはBOAシステム。これはダイヤル式で微調整がしやすく、足全体をホールドするように、面で締めるのが特徴だね。そして一般的なのがベルクロタイプ。2、3本のベルクロの締め具合や角度で個人の好みに合った調整ができる。線で締めるフィット感だよ。そしてバックルタイプ。スキーブーツのようにしっかりと締められるけど、人によっては硬さが気になることもあるかな。

ヒロシ 細い線で締め込むBOAタイプ、かっこいいですね。

タケヤ そうだね。僕が今好んで使っているこのタイプは全体的に包み込むようにフィットする感じが他にない履き心地だね。自然なんだけれどしっかりとホールドされているんだ。

アッパーの部分も見てみようか。長い時間、一所懸命に乗るとシューズの中は汗で蒸れるんだ。通気性の良いメッシュタイプを選ぶことが必要だね。そうすると自然にタウンライド用じゃなくてスポーツ用になってくるね。

ヒロシ 実は僕、MTBも始めたんです。MTBでもレースイベントに出たいですね。近くにちょうどいい里山があるので、クラブの仲間から走りに行こうって誘われてるんです。

タケヤ MTB用シューズもロード用と同様に、ソールとクロージャーが選べるよ。オフロードを走ると、レースでもフィールドでも足を着いて押して歩く機会があるよね。無理にカーボンソールを選ぶことはないかな。樹脂ソールのほうが適度なしなりがあっていいかもしれない。里山を走る機会が多いならなおさらだね。僕たちのようにレースがメインで大きな力で走る事を考えると迷わずカーボンソールだけどね。まずは樹脂ソールをすすめるよ。あと名所散策ツーリングなどの場合は歩けるソールが重要になるね。

ヒロシ オフロードを走るのにタウンシューズタイプじゃだめですか?

タケヤ ソールを見比べるとよく分かるよね。タウン用だと舗装路は歩きやすいよ。でも山道に対してはグリップが足りないから、やっぱりMTB用シューズだよ。かかととつま先部分のアウトパターンがしっかりしているよね。それに、緩んだ土の路面をしっかりとキャッチできるようにスパイクピンが取り付けられるシューズもある。スパイクピンなしでも十分だけどね。あとオフロードはスピードが出なくて運動強度が高いから、むしろロードよりも通気性が大切なんだ。タウン用じゃ蒸れちゃうよ。クロージャーを見てもタウン用は紐タイプ。紐でも十分にホールドはされるけれど、色々な力でねじれが生じるオフロードでは少し心細いね。

参考に面白い話をしようか。最近、ロードバイクで長距離を乗る人のなかでMTB用ペダルとシューズを選ぶ人が増えてきているんだ。坂で押したり、歩いてしまうことを考えてMTB用シューズの歩きやすさを求めた結果だね。まずMTBシューズでロードに乗ることから始め、ロード専用ペダル&シューズにステップアップしていく方法もテだね。

ヒロシ でもやっぱりロードレースには専用のシューズとペダルが必要なんですか?

タケヤ ロード用のシューズとペダルは何といっても重さが軽いよ。そして専用クリートと合わせて踏み面の広さや軸からの距離や形状から、踏んだ感じのダイレクト感が高いこともメリット。ペダリングフィールが断然良くなるんだ。

ヒロシ なるほど〜、シューズのすべてが分かった気がします。さっそくショップに購入に行こうかな。選ぶときの要領ってありますか?

タケヤ まず実際に乗るときのソックスを持参して試し履きしよう。厚いクツ下はダメだよ(笑)。フィッティングの手順としては、まずかかと側をヒールカップにしっかり合わせてから、クロージャーを締めてフィットさせていくんだ。そして足型に合っているか、つま先、横、甲、くるぶしの下などが当たって痛くないかを確認しよう。次にペダリングをしている角度を再現してみて、きちんとホールドされているか、前にズレないか、サイドに膨らまないか、かかとが浮き上がらないかをみよう。

ヒロシ 他のシューズに使っている、お気に入りのインソールがあるんですが、持って行ったほうが良いでしょうか?

タケヤ 厳密に言うと、インソールはシューズごとに用意するのが正しい方法だよ。インソールの働きは、自分とインソールのマッチングでなく、自分と靴のマッチングを高めるものだからね。シューズを変えたらインソールも新しいものを用意するのがベスト。靴型も変わってくるはずだからね。最初はシューズに付いている純正インソールで履いてみよう。それから次のステップとしてカスタムインソールを探すのはいいね

しかしヒロシはどんなフィールドでも一生懸命走っちゃうみたいだね(笑)。ロード、マウンテン、通学・・・それぞれに専用のシューズが必要かも知れないね。予算があればもちろんそれがベストだね。
ご存知MTBクロスカントリーのアテネ五輪代表選手。2005年は骨折のためシーズン大半のレースを走れなかったが、トレーニングを積み上げ復活をかけて走る2006年に期待だ。トレーニング・機材選び等すべてを理論的に考える竹谷ロジックが冴え渡る。
読者代表モデル。春からロード、MTB、通勤ライドを始めるべく準備中。年内にはヒルクライムや耐久レース、MTB大会などイベントデビューも考えているちょっと欲張りさん。
学生で予算に限りがあるので合理的なシューズ選びを考えている。
ランニングシューズの場合でも購入は夕方のほうがいいとされている。理由は足の浮腫みが出た状態で試し履きをすれば、疲れたときにも余裕のあるサイズのシューズが選べると言われている。サイズ選びが微妙だと感じたら日を改めるなど、購入を焦らないとこがポイントだ。

フィット感については個人の感覚に頼るしかないが、ペダリングを想定してわずかでも局所的に当たる部分がないかを確かめよう。試着時には少しの当たりでも、ペダリングを続ければ痛くなることがある。
決戦ソックスを用意して試し履きすればベストフィーリングで選べるはずだ
クロージャーを緩めて軽く履き、まずかかとをヒールカップの奥深くおさめる
クロージャーを徐々に締めていき、アッパーを固定する
甲の部分に圧迫感がないかを確かめる
つま先や側面に圧迫感がないかを確かめる
ペダルを踏む力をかけてかかとが浮かないかを確かめる