
トップモデルとしては空前のヒットとなったモストロ。デザイン、性能、価格とすべてを満たした結果だ
モストロのモデルとなったアレクレス
開発部 製品開発課係長・レーシングサービス担当の柳原さん。選手からの声を聞き入れる
開発部 製品開発課係長の南さん。モストロの製品開発を行った
平均的なアジア人の頭部にフィットするように設計された。パッドはネット付と、ノーマルパッドの2種類が付属する
軽さ、フィット感、通気性、デザイン。
すべてを満たす日本発のヘルメット、OGK KABUTO・モストロ。
この至高のモデルは一体どのようにして生まれたのだろうか。
まず、評判はいかがですか?
最高のヘルメットという評価を頂いています。まず軽量というところが長時間かぶっていても疲れにくく、かぶっているのを忘れてしまうほどだといいます。例えば休息中も外すのを忘れるくらい、軽量だという話を良く耳にしますね。
この軽さといった特性を具現化するには秘密があると思うのですが
ひとつには強度に優れた特殊なEPS、いわゆる発泡スチロールを採用したことで、ヘルメットの肉厚を薄くしても必要な強度を得ることができた。これが軽量化の秘密です。
デザインのインスピレーションはどこから湧くのですか?
基本は前作のアレクレスと言うモデルです。選手からの、「このヘルメットはこう変えてほしい」という要望を凝縮しました。前面から見てもらうとわかるのですが、ラインなどがよく似ていると思います。
開発期間はどれくらいかかったのですか?
足かけ3年くらいですね。これでやっと商品化されました。
これはヘルメットひとつにかける時間としては・・・
長いですね。構想から発売まで3年というのは、自転車のヘルメットではあまりないですね。従来のものは1年かからないくらいですから。形をどうする、通気性はどうするなどの構想の段階で2年を費やしています。さあいよいよモデルを作り、金型をおこし、テストという段階で1年間かかりました。これで、合計3年。
モストロの開発秘話などありますか?
イメージ作りからはじまり何度も試作を手で削りだしましたね。ときにはあるチームの、レース前日の宿舎にお邪魔しました。レース前日に打ち合わせを行い、デザインやモデル変更などを繰り返し行いました。
失敗エピソードなどあれば
形が複雑すぎて金型屋さんから怒られました。「こんな難しい形はやめてくれ!」と。とにかく金型の数が多い。これがすべてぴたりと合わないと成形できないので、高い精度が求められました。この金型を作るのにもやはり時間がかかりました。
軽さ以外の特徴を教えてください。
通気性を良くするためにベンチレーションホールは強度を下げることなく、効率よく通気させる配置にしています。また、サングラスをかけやすいというのも特徴です。これは頭をホールドするアジャスターは、本当はもっと下げたいですが、サングラスのラインと干渉するのでわざと上にずらしています。しかしホールド感はしっかりと保持している。
ヘルメット内部の形状をアジア人に合うように設計されているのも特徴ですね。
また、AI(アンチ・インセクト)ネットという虫除けのネットと、ノーマルパッドの2種類が付属しており、用途や好みでチョイス出来るという点も新しいと思います。夏場ではノーマルパッドが通気性がよくいいですね。
これらのアイデアはどこから得ているのですか?
選手からの要望が多いです。「頭部をホールドするクラニウムロックや帽体とサングラスが干渉しないように」とか、「前面部の形が視界にかからないように」、「ベンチレーションホールをできるだけ前頭部の下まで配置できるように」など選手の声を反映して具現化しています。
選手からは重量、通気性、ホールド感、あごひもの締め具合などあらゆる方向から要求されますね。規格を通るレベルで要望をできるだけ実現させています。
規格というのは?
日本ではJCF規格とSG規格です。JCF規格は自転車レースで使えることを認められたヘルメットに表示されるもので、JCF公認レースをはじめ、自転車競技に出場するときはこの規格を示すマークが表示されたヘルメットを使わないと駄目なのです。SG規格は自転車用規格:JIS-T8134を基に作られた製品安全基準です。また、海外ではアメリカのCPSC規格やヨーロッパのEN規格があります。
カラーリングはどのように決めるのですか?
自社のグラフィックデザイナーが主に手がけています。流行や自転車の色などに合わせる必要があるので、色やデザインなど要求は厳しいですね。今年は白ベースがわりと多く要求されている傾向があります。要求があれば出来るだけ早く対応するようにしています。モストロは全11色で展開しています。(多いですね、という質問に対し)・・・・・・やるしかないという状況です!
開発部 企画・広報課主任の阿久津さん(右)。取材のアテンドをしていただいた

エクアドル在住時、DHナショナルチャンピオンの栄冠を勝ち取った経験をもつ現役ライダー和田良平さん。開発部 製品開発課所属
梅丹・新城幸也選手の頭部を守ったモストロ。激しい破損が確認できるが、ヘルメットが衝撃を吸収した証拠だ
モストロのセールス状況は?
トップモデルとしては、今までで一番多くの方から支持をいただいております。
低価格を実現していますが、価格はどのようにして決めるのですか?
儲かっていないだけです(笑)。ある程度価格を抑えて、皆さんにかぶってもらわないと。
モストロの重量は現状が限界ですか?
軽さ、強度、デザイン、素材をうまくバランスさせた結果、今の重量に落ち着きました。軽さをキープしつつ、強度を上げていく方法を採用しています。材料と、形状と。全部意識しますね。かっこうよくないとダメだと思いますから。重さと形と強度とどれだけバランスさせるかというのが難しい。強度だけ求めるなら大きくすればいいですから。だから、昔のモデルは大きいですよね。今はどんどん小さくなっている。穴も大きくすればするほど涼しいですけど、今度は強度が落ちてしまう。そういえば、穴が大きいと日焼けするといわれたことがあります(笑)。
「軽すぎて怖い」とか、「本当に大丈夫?」というご意見がたまにあります。現在、たくさんの選手に使っていただいていますが、頭に関しては大きな事故はないです。
ヘルメットの損傷は激しいけれど、頭部に大きな事故はない。絶対にないということは言い切れないですが、今のところはないですね。
一度衝撃をうけると割れる場合がありますよね。
これは計算だと聞いたことがありますが・・・
ヘルメットはあまり頑丈すぎてもよくないんです。しっかり壊れて衝撃を吸収することが大切です。またどこの角度からぶつかっても頭部を守れるように設計されています。保護範囲という脳を守る範囲があります。ヘルメットはその部分を保護する形状になっています。国によってその範囲はことなりますが、だいたい同じです。だから、ヘルメットの形状は似てくるんですね。
やってはいけないことはありますか?
改造ですね。塗装とかもされる方がいますが、ラッカー系やシンナーは樹脂を劣化させますので、やって欲しくないことですね。

海外チームへのサポートは考えないのですか?
いくつかのプロチームへコンタクトをとっている。昨年も話はあったが、使用機材や選手構成(国籍)、チームの成績などを考慮したとき、再考する必要があったので、現在も模索中です。アジア選手権で多くの国の選手に使っていただきコメントを貰えたことができたのが収穫でした。
欧州系は横幅が狭い選手が多いのでヘルメットが大きく感じるようです。いわゆる「キノコ」状態になるというやつですね。ですから、欧州系にむけたちょっと細いタイプのヘルメットも制作中です。
モストロの設計はアジア人向けとなりますが、西洋人向けのモデルは作るのでしょうか?
モストロに関してはアジア人の頭の形にあわせて作っています。欧州人とは根本的に頭の形が違うんですね。統計学的にアジア人は丸く、西洋人は縦長でとがっていて幅が狭い。日本人の頭部の平均的な円周は58cmですが、円周は同じでも西洋人の場合は幅が8mmも狭いのです。これはワンサイズの差になります。ヨーロッパブランドのヘルメットを使っている方はとても多いですが、おそらくワンサイズ上のものを使っていると思います。OGK KABUTOならひとつサイズを下げることができる、というか適正サイズのヘルメットをかぶることができるでしょう。
リアクターというモデルから日本人の頭部の形状を意識したモデルというコンセプトで売り出しました。それ以前からも意識はしているが、このリアクターから積極的に意識し始めたといっていいでしょう。
日本のメーカーなので日本人の頭に合うようにという思いで作っている。供給したアジアの選手たちからは、不満もなく、絶賛する声のほうが多かったのはうれしい。日本のメーカーとして商品がしっかりと作られている。製品の精度は海外では評価が高いです。アジア選手権でも日本のメーカーということで関心をもっていただいたりしている。日本らしく細かいところまで気をつかっている商品を作っていきたいです。
海外に目を向けることで、よりたくさんの市場が生まれていくということは、よりたくさんの商品が求められているということです。
モストロの次は考えていますか?
あっと驚くようなものを出そうと考えているところです。昔は硬いシェルにEPSを入れているところから始まって。マイクロシェルというポリカーボネイトの薄い真空成形シェルにEPSを貼り付けるという技術的な進化があって、それを一体成形するインモールド成形という今の技術になって10年経ちますから。そろそろ新しい技術革新を、というところでテストを行っています。これがモストロの次に使えるかどうか、まだわからないんですけど。
ユーザーの方にひとこと。
子供のヘルメット着用努力義務化など道交法が変わってきています。ヘルメットの需要も、それに従い増えています。
弊社では、オートバイレースと自転車レースの両方でレーシングサービスを展開しており、双方の契約選手から意見を聞く機会がたくさんあるのですが、自転車選手は安全性よりも快適性を求めると思います。つい最近まで、ヘルメットをかぶらなくても良かったじゃないですか。安全性よりも快適性をといっておられますね。オートバイ選手の場合は、安全性を確保した上でどれだけ快適にしてくれますか、という違いがありますね。確かに自転車は自分からどんどん熱をだして動くスポーツですから、快適性は重要です。
まずはかぶってみてください。モストロのそのフィット感と軽さを体験してください!

ここでOGK KABUTO・モストロシリーズを紹介しよう。
モストロ
価格:22,050円
カラー:イエローガンメタ、モードレッド、パールホワイト、トリコロール、カーボンブラック、マットガンメタ※、モードブルー※
サイズ:S/M、L
驚きの超軽量を実現したコンパクト設計のレーシング用ヘルメット。ヘルメットのズレやブレを抑えるクラニウムロック7、エアインテークからの虫の進入を防止するA.Iネットなど、多くの機能を搭載した最軽量クラスのヘルメットだ。参考重量190g(S/M)。パッドはA.Iネットの他、ノーマルパッドが付属する。
※のカラーはOGK KABUTO社の在庫終了次第終売。
モストロ・ヴィゴール
価格:23,100円
カラー:ホワイト/ブラック、ホワイトグリーン、ホワイトブルー、ホワイトレッド
サイズ:S/M、L
モストロの新色バージョンとしてリリースされたモストロ・ヴィゴール。モストロが単色であるのに対し、シャープなグラフィックがより高級感を引き立たせている。基本的なスペックはモストロと同様だ。参考重量190g(S/M)。パッドはA.Iネットの他、ノーマルパッドが付属する。