OGK KABUTO
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OGK KABUTO
OGK KABUTO 会社見学
頭部をまもる重要な役割を持つヘルメット
OGK KABUTOでは自社で開発からテストまですべて行う
企業秘密ぎりぎりの強度テストの現場や
オフィス内を見学させていただいた。


OGK KABUTOの本社は、2年前の社名変更(旧・オージーケー販売株式会社から現・株式会社オージーケーカブト)に伴い、現在の新社屋に移転した。開発部のフロアは、1人当たりのスペースは広くとられ、のびのびと仕事にうちこめそうだ。外資系企業のようにセパレートされている各自のデスクだが、けっして窮屈にならず、開放的な空間が広がっている。デスクには試作ヘルメットと思われる模型や設計図などが置かれている。開発に携わるのは15名のスタッフ。自転車用からオートバイ用まで全員が総合的に手がけるという。

製作オフィスの奥には試作品を造形するためのブースがある。取材日は残念ながら可動しておらず、作業風景を取材することは出来なかった。取材時に使用したショールームでは自転車用、オートバイ用の歴代ヘルメットが並び、OGK KABUTOの歴史をかいま見られる。ここも広々とした空間、柔らかな光と間接照明により落ち着いた気持ちになる。
ショールーム
衝撃吸収試験機。SG規格の場合は約1.5mの高さからフラットアンビルにヘルメットをたたきつける
大・中・小さまざまな人頭模型。JCF規格は3種類、SG規格は5種類の人頭模型を規格に応じて使用する
モストロを使い、衝撃吸収試験を行った
衝撃吸収試験の一部を動画でご覧ください
冷やしたり温めたりして環境に変化を加え強度がどのように変化するか、というテストも行う
本社ビルの1階には、安全規格のテストを行うラボがある。ここでは数種類のテストを行い、規格以上の強度や安全基準を満たしているか測定するのだ。

もちろんすべての試験が重要であり、ひとつたりとも落とすことは出来ない。その中でも最も重要視される「衝撃吸収性試験」を実際に行ってもらった。このテストの内容を簡単に説明すると、規格に応じた高さからヘルメットを落下させ、衝撃の吸収性を測定するというもの。実際の事故などの衝撃を想定したものだ。

人の頭に見立てたマグネシウム製の人頭はおよそ3〜6kgの重さがあり、ヘルメットを装着させて、あらゆる角度からアンビルと呼ばれる鋼鉄製の床に落下させる。アンビルはフラットなタイプから、円弧状のタイプなど、想定される地面の形状を再現している。今回のテストではフラットアンビルを使用した。

インパクトを与えた中心部分より、半径75mm以上位置をずらして再び落下させる。これを計4回行う。SG規格では「衝撃許容値」300Gという値を超えるとそのヘルメットには衝撃吸収の性能を満たさないと判断されてしまう。また継続時間も重要であるという。弱い衝撃でも続いてしまうと脳に悪影響をおよぼす。およそ半分の150G以上の衝撃が1000分の6秒以上続くと脳にダメージが加わる可能性があるという。

モストロはこの値を高い次元でクリアしており、その安全性は目の前で証明された。

また恒温槽という摂氏マイナス10度に冷やしたり、50度に加熱したりして、温度の変動=環境を変化させることによって強度がどのように変化するのか、というテストも行う。

ヘルメットのあごひもがしっかり機能しているかを調べる「ロールオフ試験」。これは転倒など事故の際にヘルメットが脱げてしまわないように正しい位置かどうか調べる試験だ。

レーザー式試験範囲測定器は、ヘルメットが保護範囲をしっかりとカバーできているかをレーザーによって測定するテストだ。ほかにも浸せき処理試験、あごひも強度試験、静荷重あごひも引張強度試験などがある。これらの試験にすべてパスして、はじめて市場に流通することができるのだ。
アゴヒモに勢いよく荷重を加え、その伸び幅を測定する、動荷重あごひも引張強度試験機
ヘルメットが頭部を保護できているか、レーザーを当てて範囲を測定するレーザー式試験範囲測定機
ロールオフ試験機。ヘルメットの脱げにくさを測定する
試験の条件はすべて規格に左右される。SGやJCFの規格は数年のスパンで改正される。JCF規格は2年前に改正されたばかりだ。改正されると条件はより厳しくなるという。もっとも厳しい規格としてスネル規格があるが、5年に一度改正され、これも改正のたびに厳しくなっていくという。現在OGK KABUTOでは、この規格を自転車用ヘルメットに採用していない。なぜなら、試験にクリアする強度を確保するため肉厚になり重量が増加し、快適性が損なわれるおそれがあるからだ。しかしSGやJCF規格をパスしていれば、自転車用としての安全基準は十分に確保されているので心配は無用である。ちなみにほとんどの自転車用メーカーはスネル規格を通していない。

現在は3つの事業所にわかれ、65人のスタッフが働いている。
一昨年までの旧本社は、現在製品の生産・検品ラインを設けている。これは自転車用だけでなく、オートバイ用ヘルメットも検品するのだ。自転車用ヘルメットは主に中国で生産され、日本に入ってくる。その商品の検品を行うのだ。ちなみにオートバイ用も、同じくこの検品ラインで動作や外見の確認、最終仕上げを行って出荷待ちとなる。

日本が誇るヘルメットメーカー、OGK KABUTOはこのようにして製品開発と生産を行っている。技術的には世界屈指のメーカーと比較してもひけを取らない。海外のプロレースでOGK KABUTOの勇姿が見られる日も近いだろう。
ヘルメットの肉厚、重量も測定する
ラインを流れるヘルメット。ここで最終チェックされ出荷される