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2008/5/27 2:55

2008スポニチ佐渡ロングライド210 実走レポート前半

食べて、観て、走って、太陽を満喫のアイランドサイクリング!


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念願の晴天に恵まれた第3回「スポニチ佐渡ロングライド210」。2,650人が自然とグルメと、ハートフルな島民のサポートを受け、自転車で思う存分佐渡島を満喫した。

今回は初参加ながらも、全国から集まったサイクリスト達と共に210kmを実際に走った、佐渡島生まれ東京育ちのサイクリストが実走レポートをお送りします。

佐渡島ってどんなところ?

佐渡は能で有名な島
『佐渡は能で有名な島』
佐渡は神社仏閣の宝庫
『佐渡は神社仏閣の宝庫』
佐渡ののどかな風景。国仲平野から撮影
『佐渡ののどかな風景。国仲平野から撮影』
回転寿し屋は大にぎわい
『回転寿し屋は大にぎわい』
佐渡島出身の私の宿はおばあちゃん宅である。94歳になるおばあちゃんは、定年退職を迎えたおばさんとの2人暮らしだ。

佐渡ロングライド210当日の朝3時30分、朝が苦手な私を尻目に、おばあちゃんとおばさんは近所の野良猫に餌をあげている。思うに、5年ごとに居着いている野良猫が変わっているが、常に名前は「ぴーちゃん」である。

佐渡島は実に平和な島で、家に鍵を掛ける習慣がほぼないため、野良猫が勝手に家に入り込んでくるらしい。ぴーちゃんがおばあちゃん宅に居着くようになったきっかけは、朝起きたらぴーちゃんが布団の中で寝ていたからだそうだ。嘘のようなホントの話である。

佐渡島は人口7万人弱の、非常に穏やかな島だ。8の字を上から潰したような形をした佐渡島の地理は大きく分けて3つ。8の上部分が金北山(きんぽくさん)を頂とする「大佐渡」、8の字の下の部分が「小佐渡」、そして大佐渡と小佐渡の間にある平野部が、国の中に位置するということで「国仲平野」(くになかへいや)と呼ばれる。国仲平野は農業、特に米作が盛んな地域だ。そして島は当然ながら海に囲まれてるため、海産物が豊富で、佐渡に住んでいる人々はほぼ食料には困らないそうだ。

さらに佐渡金山があるおかげか、徳川幕府からはそれなりに手厚く扱われていたようで、神社仏閣らの建造物も豊富、海岸線を走ると海に面して木造の神社が多く見受けられるのはこのためだ。

あの能楽の第一人者である世阿弥(ぜあみ)が数年住んでいたこともあり、佐渡は能の里として全国的に知られ、島内には能楽堂が点在している。その他、希少種の鳥である「トキ」や、タライ舟、佐渡おけさ、尖閣湾、夏には海水浴にスキューバ、冬には小さいながらもスキー場など、密かに佐渡は楽しめる場所がたくさんあるのだ。

しかし、島は自給自足がかなっているせいか、ガツガツした観光地化とは無縁で、大規模な開発や、観光招請は行わず、のんびり&穏やかを貫くのが佐渡島島民のスタイルだ。あの拉致問題で有名なジェンキンズさん、曽我ひとみさん夫妻が、波瀾万丈の後にのんびりと暮らすのには持ってこいかもしれない。

こんな佐渡島にとって、数千人ものサイクリストが一同に集うロングライドイベントは島にとっての一大事である。

大会前日の様子をおばさんが語るには、「いつも閑古鳥が鳴いている回転寿し屋の前に、行列ができている!」や「カロリーメイトがスーパーの棚から姿を消している!」等の怪現象が所々で起きており、これらは日本中から集まったサイクリストたちの仕業である。

その怪現象の原因は、長時間の運動の前にお米をたくさん食べ「カーボローディング」というものを行うためだ。また、カロリーメイトは補給食の定番なのだ、と前夜の食卓で説明してあげる。多分理解してないけど、なんだかそんな話題をおばあちゃんとするだけでわくわくしてくる。

当日の朝、佐渡ロングライドの会場入り

あっという間に、大会当日の朝だ!わくわくしながらも、夜型人間の私には朝3:30の起床はちょっと辛い。祖母宅の両津から会場である佐和田までの道のりを少々うとうとドライブしながらも無事到着。そして、大会の朝ご飯はカーボローディングに決まってるじゃないですか!と、さっそく駐車場に停めた車の中でおにぎりを頬張る私。

車内でウォーミングアップする片山右京さん
『車内でウォーミングアップする片山右京さん』
ハンドサイクルで参加の奥村直彦さん
『ハンドサイクルで参加の奥村直彦さん』
仲間と健闘を誓い合う
『仲間と健闘を誓い合う』
すると、どこからか「ウィーーン、ウィーーン」という、地響きのような音が近くから聞こえてくる。何だろう!?と思い外に出る。奇音の出所はどうやら隣に止めてあるあの世界の片山右京さんが率いる「TEAM UKYO」のバンからのようだ。故障か!?と思いつつ中を覗くと、そこには…!ローラー台をがんがん廻す世界の“カミカゼ右京”の姿があるではないですかっっ!!

やはり…世界の右京さんは気合いが違う。何事にも真剣に挑む右京さんの姿勢に、兜の緒を締めさせられる思いであった。スタート間近に、寝ぼけておにぎりを食べている自分に自己嫌悪を抱きつつ、私なりに安全運転でサイクリング、景色も食事も思う存分楽しんで、その後ローラー台を買おうと固く誓ったのでした。

さぁ、完全に目は覚めたぞ(笑)!私は意気揚々と210kmコースのスタート地点に向かう。スタートラインに向けて色とりどりのジャージに身を包んだサイクリストの虹の洪水が、佐渡の朝日に照らされている。

老若男女、外国からの参加者、マウンテンバイク、ロード、佐渡の踊り子傘を冠ったライダー、手で回して進むハンドサイクル、あらゆるタイプのサイクリストたちが一同に集っている。

皆、これから挑戦する210kmという距離への不安をこれぽっちも感じさせず、笑顔で今か今かとスタートを待ちわびている。私も一見無謀に思えるこの距離が簡単に思えてきたぞ!やはり大勢の仲間たちと挑むという事は、勇気と安心感を与えてくれるのだろう。

昨年までの雨が嘘のようだ。海は朝日に照らされキラキラと輝き、空には早起きなトンビが真っ青な空をバックに優雅に飛んでいる。特に例年の雨を味わったサイクリストたちは、この突き抜けるような晴天を人一倍喜んでいる事だろう。

ところで佐渡島の5月の天気というのは、前々年、前年に本大会に参加された方々にとっては「雨!」というイメージが強いだろうが、実は正反対なのである。ゴールデンウィークから、5月中旬の田植え、そして本大会が行われている5月18日付近は、雨の降りにくい時期として佐渡島民には知られており、6月の梅雨入りまでは好天に恵まれる。だから来年の参加を検討されている方々は、天気の心配はあまりせずにどしどし応募してほしい。かなりの高い確率で晴天の佐渡の大自然を満喫できるはずだ。

いよいよスタート!

スタート直前!程良い興奮が走る
『スタート直前!程良い興奮が走る』
いよいよ島一周の旅に出発だ!
『いよいよ島一周の旅に出発だ!』
佐渡金山。採掘の結果、山がぱっくり割れている
『佐渡金山。採掘の結果、山がぱっくり割れている』
真野湾に面する佐和田海水浴場を左に見ながら、数千人のサイクリストが朝6時にいよいよスタートを切る。地元のおじいちゃん、おばあちゃんたちや子供たちが、目をキラキラさせて私たちを送り出してくれる。

これほどまで大規模な集団で島を思う存分走れるとは!前も後ろもサイクリストだらけだ!見えなくなるところまでずーっと自転車の列が連なっているではないか。楽しいーっ!佐渡ロング最高!自転車最高ーーっ!

さてさて、ライドがスタートしてからまず初めに私が向かったのは、スタートから5km地点の相川にある「佐渡奉行所」。佐渡にはいわずと知れた佐渡金山があるが、この奉行所は、そこからの金の“上がり”を管理したり、精製をしていたんだそうな。朝の6時過ぎだけあって奉行所の門はがっちり締められている(笑)佐渡を朝早くから守ってくれてありがとう、奉行所よ!

次に向かったのは奉行所から少々山を登った所にある「佐渡金山」。この金山は見た目から既にインパクトがある。なぜかというと、なんと採掘のせいで山が真ん中からぱっくりと割れているのだ。人間が山を掘って掘って掘りまくった結果な訳である。金への欲望ってすごいよね!この山に金があることが発見されたのが1601年、それ以降は徳川幕府の財政に大いなる影響を及ぼしたそうな。私の先祖もここで金を掘っていたんだろうか?多分今の懐具合から考えると違う気もするが・・・。

佐渡金山の下山途中の草むらで、ヤマブキを摘んでいるおじいちゃんを発見。声をかけてみる。「なんか自転車がぎょうさん走っとったぞ、何がおこってるんちゃ?」と質問される。「佐渡を自転車で一周するんちゃ」というと、一瞬動きがとまって「まぁご苦労さんなことです」とお辞儀をしてくれた。おだやかで謙虚な佐渡らしいおじいちゃんである。

そんなおじいちゃんとの立ち話もそこそこに、さーて、ライドに復帰せねば!そうそうこの金山は40kmのグルメライド(Dコース)参加者のみなさんが訪れる場所です!

相川エイドステーションでわかめそば

「わかめそば」準備完了!
『「わかめそば」準備完了!』
尖閣湾の海底透視船「シャーク号」。佐渡の子供の憧れの的!?
『尖閣湾の海底透視船「シャーク号」。佐渡の子供の憧れの的!?』
ほどなく20km地点の相川エイドステーション(AS)に到着!まだ20kmしか来ていないが、興奮のためか20kmも走ったとは到底思えない。このASでは恒例の佐渡ロングライド名物のわかめそばが振る舞われた。

大勢のサイクリストたちが朝の陽光のもと、そばでカーボローディング! 採れたてのわかめの磯の香りに食欲を刺激されたのか、朝ご飯を2時間前に食べたにも関わらず、皆食欲旺盛だ。カラフルなジャージの大群がそばをすする光景はこのイベントならでは。

腹も、心も満たされながらあと190kmの行程へ再突入だ!好天とナイスな腹具合のおかげで不安は全く感じられない。

相川から程遠くない地点には佐渡有数の景勝地、尖閣湾が待ち受ける。昭和30年代に大ヒットしたNHK連続ラジオドラマ、後にTVドラマや映画にもなった「君の名は」の舞台になり、全国的に直馳せた海岸だ。当時、この番組の放送時間になると佐渡の島から人影が消えた!というぐらいの人気ドラマだったらしい。

断崖岩礁に恵まれた澄んだ海が特徴、海水魚にとっては非常に住みやすい所らしく、魚がそれこそウヨウヨしている。子供の頃、親に「君の名は」で有名な所だよ!聞かされてはいたものの、「君の縄」だと成人するまでずっと思っていた(ネタでは有りません)。と、まだ未見の方々にはぜひおすすめしたい観光地である。ちなみに尖閣湾にある海底透視船「シャーク号」は佐渡島の子供が一度は乗ってみたいマシーンである。

Z坂

「Z坂」へ向かう参加者達
『「Z坂」へ向かう参加者達』
漁村のおばあちゃんも猫と応援
『漁村のおばあちゃんも猫と応援』
うーむ、チャレンジングな「Z坂」
『うーむ、チャレンジングな「Z坂」』
みんなで「Z坂」をアタック!
『みんなで「Z坂」をアタック!』
「Z坂」から見た日本海
『「Z坂」から見た日本海』
年に一度の「車田植」(くるまだうえ)に遭遇。円を描きながら苗を植えていく。国指定重要無形民族文化財。
『年に一度の「車田植」(くるまだうえ)に遭遇。円を描きながら苗を植えていく。国指定重要無形民族文化財。』
相川から前半の山場「Z坂」までの約50kmに及ぶ外海府地域は、奇岩、奇勝が連続する海岸だ。はるか左手には韓国や中国が位置し、ハングル語のラジオも聞こえる地域である。風は少々向かい風、荒々しい岩場が続き、田植えが終わったばかりの水田がコースと海岸の間に広がっている。

参加者たちは向かい風を避けるために集団を形成しながら、相変わらず楽しそうに談笑しながらリラックスモードで進んでゆく。なかには足を休めて海岸線に点在する神社仏閣を記念撮影する方や、現地の漁村のご老人と歓談をしている人々なども見受けられる。

漁村のおばあちゃんも、普段静かなこの地域に訪れるビッグイベントを見るために、飼い猫と一緒に沿道で応援だ。「自転車って速いっちゃね。車と変わらん。田植えが終わったこの時期に、ちょうど自転車さんたちがくるので、毎年楽しみにしとるんよ」。おばあちゃんと猫にお別れし、前半戦のメインイベント「Z坂」へとペダルを回す。

難所とされながらも、その風光明媚さに非常に人気の高い「Z坂」がいよいよ見えてきた! 「Z坂」とは良く云ったもので!怪傑ゾロに斬りつけられたようなきれいなZがだんだんと近づいてくる。すでに登り始めている人たちのカラフルなジャージがビー玉みたいに「Z」を彩っていて、5月の山の緑とのコントラストが映えて美しい。

130メートルの高低差を一気に登りきるアタックの開始である。自分的には当然ツールのラルプ・デュエズをアタックする気持ちである。なぜか後ろから付いてくるサイクリストを無意味にチェックして警戒している自分がいる(笑)周りからみると落とし物でもして後ろを振り返っているんじゃないか?と思われているに違いない。

さぁ、Z坂中盤まで登ってきた。何人抜き去っただろうか?いや抜かされただろうか!?ひとまず写真撮影のフリをして休憩をとることに。いやはや、走っている間はZ坂からの景色をあまり見ていなかったけど、その美しさに驚いた!

佐渡の海が南国の小島が点在する箱庭に見えるぐらいきれいだ!青い海、山の緑、心地良い風、サイクリストの笑顔と活気、最高である。佐渡に来てよかった!

「Z坂」をクリアして、のんびり坂を下っていると、右手の田んぼの中が何やらにぎやかだ。大きなテレビカメラを担いだスタッフやカメラマンが、田植えを撮影している。

レーサーシューズであぜ道を歩いて、田んぼまで行ってみると、そこには3人のおばさんが1人のお囃子さんの歌に合わせて円を描きながら田植えを行っている。

これは佐渡で年に一度だけ行われる「車田植」(くるまだうえ)というもので、三人の田植え人が田んぼの中心部から、後ろ歩きで渦を巻きながら田植えを行っていくと云うもの。日本でも佐渡のこの地域でしか行われない田植え方法なのだそうだ。

新潟県では、毎年この「車田植」の様子を、田植えシーズンの終わりを告げる風物詩として必ずテレビニュースで流すそうな。

二ツ亀(はじき野AS)

さすがの手つきで、わかめ干しを短時間で習得のブリヂストン渋谷さん
『さすがの手つきで、わかめ干しを短時間で習得のブリヂストン渋谷さん』
通りすがりの参加者もブリヂストン渋谷さんのお手伝いに参加!
『通りすがりの参加者もブリヂストン渋谷さんのお手伝いに参加!』
第一山岳ポイントを通過し、前半戦もう一つの山場「大野亀&二ツ亀」へと向かう。この佐渡の北端に位置する大野亀、なんと巨大な一枚岩で出来ており、さながらハワイを連想させる雄大な自然の神秘である。外海府海岸で日本の原風景を拝んだ後のせいか、南国を思わせる大野亀&二ツ亀の雄大さがひときわ身にしみる。

ちょうど大野亀&二ツ亀へ向かう海岸線には、佐渡島民らしき人がワカメを干しているではないですか。しかし、何かがおかしい。その人物はサイクルジャージを着ており、長身、イケメンである。そしてあの名チーム「ブリヂストンアンカー」チームのジャージを着ているのである。

おーーっと!よーく見ると日本を代表する元ロード選手の渋谷淳一(ブリヂストンサイクル)さんではないですか!!!!ブリヂストンさんってわかめも扱ってたかなぁ?もしや、ブリヂストンサイクルはわかめを原料にした「アンカー」バイクを開発中で、その高品質な原材料を佐渡に探しにきているのでは!?などと思索したりして(笑)

よくよく聞いてみると、ライド中に見かけたわかめ漁の漁師さんに、ワカメの天日干し体験をさせていただいていたとの事。今回初体験だというのに、すでにワカメを干す手つきはプロ並みである。さすが世界を相手に戦ってきたロードマンだ。

渋谷さんのオーラに引き寄せられてか、女性サイクリストもワカメ干しに参加。通過するサイクリストたちに、ワカメを配るエイドステーションと間違ってしまわれないか心配だ(笑)

漁師さんによると、一日程干した後に両津へ出荷後パッケージし、新潟へ出荷するとの事。一通りワカメを干した後、お手伝いのお礼にと補給食のワカメを漁師のおじさんが持たせてくれる。これで完走は間違い無し!?

両津まで

ハンドサイクル日本代表の奥村さん。平地での巡航速度は単独走行で40km/h
『ハンドサイクル日本代表の奥村さん。平地での巡航速度は単独走行で40km/h』
大野亀&二ツ亀から両津へは比較的平坦だ。船の到着する両津港を左手に見ながらユルい追い風に乗って自分なりに飛ばしてみる。昼も近づいている事もあり、天候はぽっかぽか、太陽燦々、もう言う事なしである。両津に着けばお弁当も待っているのだ!Yuppie!

ルンルンで走っていると、前方には手で自転車を漕ぐハンドサイクルを軽快に飛ばすサイクリストの姿が見えてきた。ちょうど車に乗るようなポジションで自転車に座り、顔の前に腕で回すペダルが付いている。ちょうど登り基調だったので、 平坦になってからお話させてもらおうと思い後ろから着いてゆくことに。

そして、平坦になり横付けしようとするが、そのハンドサイクルは平地でのスピードが非常に速く、40km近く巡航速度が出ているじゃないですか!おっ、おっ、追いつけねーーっ!!まずい、ひとまず次の登りが始まるまで視界からは逃さない程度に距離を死にものぐるいでキープ。登りでやっと追いつき、息も絶え絶え話しかける。「こっ、こっ、こんにちわーーっ!」

彼の名は奥村直彦さん。日本でのハンドサイクル第一人者という人物だった。何でもハンドサイクルというのは車体重量が16kgほどあるそうで、登りはさすがに速くはないが、平地では単独走行で40km平均で走れるとのこと。どうりで追いつけなかった訳である。

2007年ボルドーのハンドサイクル世界選では世界11位と、上半身の筋肉がボディビルダーの様に立派である。なんでもこのハンドサイクル競技には、「ツール・ド・フランス」もあるそうで、ツールの最初の3ステージを通常のツールと全く同じコースを走るのだそうだ。

日本の第一人者である奥村さんにも参加資格があるそうなのだが、昨年は用事があって参加できなかったそうだ。「用事があってツールに出られなかった」とは、無性にかっこいい台詞である…。死ぬまでに一度は私も言ってみたい。

その他、今までの世界遠征の話や、ハンドサイクルの製造はドイツが最先端等々、様々な興味深いお話を聞かせていただいた。さて、平地にさしかかり奥村さんのバイクの本領発揮の段になり、再会を誓って先に行っていただく。

両津ASに向かう集団
『両津ASに向かう集団』
佐渡トライアスロンクラブリーダーの本間さん。「今日はウチのチーム員を完走全員完走させますよ!」
『佐渡トライアスロンクラブリーダーの本間さん。「今日はウチのチーム員を完走全員完走させますよ!」』
佐渡トライアスロンクラブは「佐渡ホンダ」がスポンサーに付いている本格的なチームだ
『佐渡トライアスロンクラブは「佐渡ホンダ」がスポンサーに付いている本格的なチームだ』
次に一緒に走るサイクリストを物色し始める。すると後ろから水色の集団が隊列を作って安定したペースで追い抜いてゆくではないですかっ!ただ乗りをさせてもらうしかないっ!ちょうど私も水色っぽいジャージを着ているので、混ざってもバレないだろう。

はい、すぐにバレました。

リーダーらしきジェントルおじさまとお話をさせていただく。この会場でもひときわ目立っていた集団、実は「佐渡トライアスロンクラブ」の面々だった。なんでも前回の大会ではリタイア者を数名出したため、今回のロングライドでは20人ほどいる仲間を全員完走させることを目標に掲げて参加。超正確なタイムスケジュール表を作成し、チームメイト全員に配って完走する為に適度なペースで走行していたのだ!

その姿は、佐渡島を奔る水色の閃光!逃げている集団をゴール前でしとめる為に、正確な時刻を刻みながら獲物を追いつめる、あのミルラムトレインならぬ「佐渡ラム・トレイン」である!

集団にとどまらせていただくが、実に快適である。足を回さなくてもすーっと進んでくれる。これで100km地点、両津ASでの弁当争奪戦前のスプリントでは“アタマ”を取れる!人より大盛りの弁当をゲットするのは俺だ!(ロングライド事務局注釈:弁当は全て同じサイズです)

リーダーの本間吉昭さんによると「タイムテーブルは、無理の無いスピードで、且つトラブルがあった場合に備えて余裕をもって設定しています。私たちに付いてくれば、完走はほぼ間違いないですよーー」と笑顔で教えてくれる。

ふっふっふ、私の完走はほぼ決まった!勝利宣言である。この夢のような「佐渡ラム・トレイン」の乗車切符を手に入れたのだから、間違いないさ!100km走ってきて少々の疲れもあるが、精神的にも余裕が生まれ、お弁当の待つ両津が目の前という事もあり、ごくごく快調に飛ばす私であった。

波乱の後半に続く....


2008スポニチ佐渡ロングライド210大量グラフィックス!

text:ken.YAMAZAKI
photo:CYCLINGTIME.com

実走レポート後半→
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