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©La Vuelta

寄る年波には勝てないのか、優勝候補に挙げられながらも37歳で大ベテランの域に足を踏み込んでいるゲラント・トーマス（イネオス・グレナディアス）にとっては悔しい大会となっている。総合では大きくタイムを失い上位争いから脱落、それを逆手に取りこの日は大逃げに乗り、チームメイトのアシストを受けステージ勝利を狙ったが、それも年下の選手たちの走りに粉砕され勝利を逃すこととなってしまった。

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そんなステージを制したのは33歳のヘスス・エラダ（コフィディス）、こちらもベテランながら、スパートからゴールまで全く脚を緩めない馬力ある走りで激坂頂上バトルを制し、渾身のガッツポーズを決めた。

そして間違いなく訪れると思った総合勢による直接対決だったが、不利な状況に追い込まれているレムコ・エヴァネポエル（ソウダル・クイックステップ）にとっては、連日ゆさぶりと勝負を仕掛けられると不利との判断から、この日は上りの入り口でチームメイトたちが横一線でメイン集団の動きを封鎖、誰にもしかけさせない状態でゴールライン手前まで走る作戦となった。ユンボ・ヴィズマとUAEチームエミレーツがそれぞれ3人ずつがトップ10にいる状況に、超級山岳での直接対決以外での労力の消費を極力抑えたい思惑が明確に垣間見えたステージとなった。

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163.2㎞のこのステージは、スタート前のニュートラルゾーンで総合8位のホァン・アユソ（UAEチームエミレーツ）が落車して治療をしてのスタートとなった。そしてこの日はスタートから動きがない状況が続く。26名の大状態の逃げがようやく決まったのはスタートから105㎞を過ぎてだった。その逃げにはトーマス、昨日の個人TTを制したフィリッポ・ガンナ（イネオス・グレナディアス）、エラダ、すでにステージ勝利を挙げているアンドレアス・クロン（ロット・デスティニー）らが逃げ切り勝利を目指した。そして終盤には逃げのペースをガンナが作ると、メイン集団との差はグングンと広がっていく。

これに加えこの日の勝負をしない様子のメイン集団は、残り20㎞で6分差以上に広がったこのタイム差を詰めることはなかった。トーマスも大きく遅れており、逃げ切りは総合に影響を及ぼさないとのことから、逃げ切りメンバーによる勝負が確定的となる。

そして頂上ゴールへ向けた上りでヨナタン・カイセド（EFエデュケーション・イージーポスト）が残り1㎞でアタック、トーマスはそれをいったんは追う姿勢を見せるが伸びず、しその背後から、クロン、エラダ、ロメイン・グレゴワール（グルーパマFDJ）が上りで豪快なスプリントを開始する。エラダはそのままグレゴワールとクロンを引き離すと独走でゴール、ベテランが我慢強く走り続けガッツポーズを決めた。グレゴワールが2位、クロンが3位に入った。トーマスは5位に終わった。

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ソウダル・クイックステップが蓋をして仕掛けを許さなかった総合のメイン集団はゴール前でエヴァネポエルが加速するが、クスらがこれにきちんと反応、タイム差なくゴールを果たした。

ヘスス・エラダ（ステージ1位）：「いつ自分の日が来るのかはわからないんだよね。でもそんな日が来るのを信じて挑み続けなければならないんだよ。これで勝利できたので、あと残りのステージは楽しんで挑めるよ。

セップ・クス（総合1位）：「まあいいんじゃない。ハイペースだったし。でもちょっと変わった感じにはなったよね。とにかく自分を信じ続けてるよ。シンプルなことだよ。ジャージを守るために日々ベストを尽くして、さらにそれを目いっぱい楽しむだけだよ。」

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ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージダイジェスト
https://youtu.be/LwiSGgWjgyo?si=eFACfmBjbLUBuUV3

ブエルタ・ア・エスパーニャ第11ステージ順位
1位　ヘスス・エラダ（コフィディス）　　　3h29’17”
2位　ロメイン・グレゴワール（グルーパマFDJ）　　　＋03”
3位　アンドレアス・クロン（ロット・デスティニー）　　+08”
4位　ヨナタン・カイセド（EFエデュケーション・イージーポスト）　　　+12”
5位　ゲラント・トーマス（イネオス・グレナディアス）　　＋19”
6位　マヨ・サンチェス（ブルゴスBH）　　+24”
7位　ルディ・モラード（グルーパマFDJ）
8位　ニコラス・プルドム（AG2Rシトロエン）　　+27”
9位　ドリアン・ゴードン（AG2Rシトロエン）　　+58”
10位　フィリッポ・ガンナ（イネオス・グレナディアス）　　　+1’16”

ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位　セップ・クス（ユンボ・ヴィズマ）　　　39h27’45”
2位　マルク・ソレル（UAEチームエミレーツ）　　　+26”
3位　レムコ・エヴァネポエル（ソウダル・クイックステップ）　　　+1’09”
4位　プリモズ・ログリッチ（ユンボ・ヴィズマ）　　　+1’36”
5位　レニー・マルティネス（グルーパマFDJ）　　　+2’02”
6位　ジョアオ・アルメイダ（UAEチームエミレーツ）　　+2’16”
7位　ヨナス・ヴィンゲガード（ユンボ・ヴィズマ）　　　+2’22”
8位　ホァン・アユソ（UAEチームエミレーツ）　　　＋2’25”
9位　エンリック・マス（モビスター）　　　　+2’50”
10位　アレクサンダー・ヴラソフ（ボーラ・ハンスグロエ）　　　+3’14”

H.Moulinette