2007/7/20 3:00


マルセイユからモンペリエまでの182kmで行なわれた第11ステージは、序盤に4級山岳が設定されている他は全て平坦路。しかしミストラルと呼ばれる地域特有の季節風が横から吹き付けたため、平坦ステージながら序盤から大きくレースは動いた。
この日も天候に恵まれ、南仏の太陽が照りつけるマルセイユの街を171人の選手がスタートした。レースはスタート直後からアタックが頻発する展開で、アタック合戦の後に6km地点で20人が集団から抜け出した。
やがて先頭は9人に絞り込まれ、その中にはイェンス・フォイクト(ドイツ、CSC)やシルヴァン・シャヴァネル(フランス、コフィディス)が含まれた。この9人はタイム差を広げ始めるが、メイン集団はこれを容認しない。ミルラムやプレディクトールロットを中心にハイスピードで追い上げ、82km地点で全ての逃げを吸収。レースはフリダシに戻った。
ここからは再びアタックが繰り返され、すぐさまファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ゲロルシュタイナー)を中心とした逃げスループが形成され、遅れてデーヴィット・ミラー(イギリス、サウニエルドゥバル)がこれに合流。5人になった先頭は順調にタイム差を広げた。
メイン集団は積極的にコントロールするチームが現れず、タイム差は7分にまで広がった。しかしゴールまで72kmを残してメイン集団の先頭にはアスタナがメンバーを揃えて上がり、積極的にペースを上げ始めた。
横風の強い区間でのペースアップ。このアスタナの奇策によって多くの選手がメイン集団から千切れた。この日ステージ優勝を狙っていたスプリンターのトル・フースホフト(ノルウェー、クレディアグリコル)を始め、総合6位のクリストフ・モロー(フランス、アージェードゥーゼル)もメイン集団から遅れた。
メイン集団はアスタナ、クイックステップ、バルロワールドと言ったチームが積極的に前を引き続け、追走するモローらを引き離していく。モローらは集団を形成して追走するが、タイム差は縮まるどころか広がり始めた。
先頭を逃げていたミラーら5人はゴール40km手前で吸収された。モローの追走集団はアージェードゥーゼルが一丸となってペースを上げたが、メイン集団にはスピードで敵わない。メイン集団とモローの追走集団のタイム差はじわりじわりと広がり、ラスト20kmで2分にまで広がった。
やがてゴールが近づくとスプリンターチームが集団を更に高速域に持っていく。バルロワールドやクイックステップが積極的に前を牽き、リクイガスやチームCSCがこれに続いた。そしてラスト4kmのアーチを潜るとアスタナカラーの選手が一人でアタック。スペシャルカラーのヘルメットと両膝の包帯。ヴィノクロフが単独アタックを試みた。
ヴィノクロフは数十メートルのアドバンテージを得たが、クイックステップが牽く集団に吸収されてしまう。その後も集団を完全にコントロールするチームは現れず、ラスト1.5kmでファビアン・カンチェラーラ(スイス、CSC)がアタック。これにマークス・ブルグハート(ドイツ、Tモバイル)らが続いたが、クイックステップやクレディアグリコルが牽く集団はこれも封じた。
そして運命のラスト1km。右に左に連続するカーブで集団の前方に落車が発生し、これにトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)やフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、サウニエルドゥバル)が巻き込まれた。ボーネンはすぐさま再スタートを切ったが、集団先頭はすでに遥か彼方。ボーネンはステージ優勝とポイント獲得の絶好のチャンスを逃した。
集団の先頭はTモバイルとリクイガスが牽いてゴールに突進し、ラスト300mのカーブ出口からスプリントバトルの鐘が鳴る。真っ先に先頭でスプリントを開始したのはハンターだ。
先頭ハンターを追撃したのはムリロ・フィッシャー(ブラジル、リクイガス)とカンチェラーラだった。カンチェラーラは持ち味の独走力で追い上げたが、ハンターの勢いは最後まで衰えない。フィッシャーの追い上げも届かず、ハンターがフィニッシュライン上で力強く手を挙げた。
ヴィノクロフを始めとした総合上位陣が集団でゴールした一方で、モローらの追走集団は3分20秒遅れでゴール。これを受けてモローは総合14位に順位を下げた。そして落車で遅れたボーネンはポイントこそ稼げなかったがマイヨヴェールをキープ。そしてこの日ステージ優勝を飾ったハンターがポイント賞争いの2位に浮上した。
優勝したハンターは1998年にマペイでプロ入りし、ランプレ、ラボバンクと渡り歩き、今季フォナックの解散に伴ってバルロワールドに移籍した。グランツールではブエルタでステージ2勝を挙げているが、ツールでの優勝は初めて。ハンターは第9ステージを制したマウリシオ・ソレール(コロンビア)に続いて、ステージ2勝目をバルロワールドチームにもたらした。ワイルドカードで出場しているチームとしては快挙である。
翌第12ステージは難易度の低い山岳ポイントの先に2級山岳が設定された中級山岳ステージ。翌日に個人タイムトライアルが控えているため、総合上位陣は集団内でステージを終えるだろう。スプリンターが勝負に絡むためにはゴール48km手前に設定された2級山岳を越えなければならない。逆にチャンスが回ってくるのは序盤から飛び出す逃げ屋だ。レースは序盤から激しく動くだろう。
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、CSC)
3位 ムリロ・フィッシャー(ブラジル、リクイガス)
4位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、リクイガス)
5位 アレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレフォンディタル)
6位 パオロ・ボッソーニ(イタリア、ランプレフォンディタル)
7位 クラウディオ・コリオーニ(イタリア、ランプレフォンディタル)
8位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、フランセーズデジュー)
9位 ウィリアム・ボネ(フランス、クレディアグリコル)
10位 キム・キルシェン(ルクセンブルク、Tモバイル)
1位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、ラボバンク) 53h11'45"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケスデパーニュ) +2'35"
3位 イバン・マヨ(スペイン、サウニエルドゥバル) +2'39"
4位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、プレディクトールロット)+2'41"
5位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ディスカバリーチャンネル)+3'08"
6位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ) +3'50"
7位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、ディスカバリーチャンネル)+3'53"
8位 カルロス・サストレ(スペイン、CSC) +3'54"
9位 キム・キルシェン(ルクセンブルク、Tモバイル) +4'59"
10位 ミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル) +5'20"
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) 160pt
2位 ロバート・ハンター(南アフリカ、バルロワールド) 149pt
3位 エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム) 144pt
1位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、ラボバンク) 98pt
2位 マウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド) 79pt
3位 ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、ディスカバリーチャンネル)70pt
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ディスカバリーチャンネル)53h14'53"
2位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、Tモバイル) +3'37"
3位 マウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド) +3'41"
2位 ケスデパーニュ +5'02"
3位 ディスカバリーチャンネル +5'08"
リタイア
イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)
シルヴァン・カルザッティ(フランス、アージェードゥーゼル)
デーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、CSC)

ツール・ド・フランス2007第11ステージ グラフィックス

ツール・ド・フランス2007第11ステージ ダイジェストムービー
text:Kei.TSUJI
←第10ステージ 第12ステージ→


ツール・ド・フランス2007第11ステージ
ハンターが念願の勝利、アスタナの奇襲にモロー脱落
マルセイユからモンペリエまでの182kmで行なわれた第11ステージは、序盤に4級山岳が設定されている他は全て平坦路。しかしミストラルと呼ばれる地域特有の季節風が横から吹き付けたため、平坦ステージながら序盤から大きくレースは動いた。
この日も天候に恵まれ、南仏の太陽が照りつけるマルセイユの街を171人の選手がスタートした。レースはスタート直後からアタックが頻発する展開で、アタック合戦の後に6km地点で20人が集団から抜け出した。
やがて先頭は9人に絞り込まれ、その中にはイェンス・フォイクト(ドイツ、CSC)やシルヴァン・シャヴァネル(フランス、コフィディス)が含まれた。この9人はタイム差を広げ始めるが、メイン集団はこれを容認しない。ミルラムやプレディクトールロットを中心にハイスピードで追い上げ、82km地点で全ての逃げを吸収。レースはフリダシに戻った。
ここからは再びアタックが繰り返され、すぐさまファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ゲロルシュタイナー)を中心とした逃げスループが形成され、遅れてデーヴィット・ミラー(イギリス、サウニエルドゥバル)がこれに合流。5人になった先頭は順調にタイム差を広げた。
メイン集団は積極的にコントロールするチームが現れず、タイム差は7分にまで広がった。しかしゴールまで72kmを残してメイン集団の先頭にはアスタナがメンバーを揃えて上がり、積極的にペースを上げ始めた。
横風の強い区間でのペースアップ。このアスタナの奇策によって多くの選手がメイン集団から千切れた。この日ステージ優勝を狙っていたスプリンターのトル・フースホフト(ノルウェー、クレディアグリコル)を始め、総合6位のクリストフ・モロー(フランス、アージェードゥーゼル)もメイン集団から遅れた。
メイン集団はアスタナ、クイックステップ、バルロワールドと言ったチームが積極的に前を引き続け、追走するモローらを引き離していく。モローらは集団を形成して追走するが、タイム差は縮まるどころか広がり始めた。
先頭を逃げていたミラーら5人はゴール40km手前で吸収された。モローの追走集団はアージェードゥーゼルが一丸となってペースを上げたが、メイン集団にはスピードで敵わない。メイン集団とモローの追走集団のタイム差はじわりじわりと広がり、ラスト20kmで2分にまで広がった。
やがてゴールが近づくとスプリンターチームが集団を更に高速域に持っていく。バルロワールドやクイックステップが積極的に前を牽き、リクイガスやチームCSCがこれに続いた。そしてラスト4kmのアーチを潜るとアスタナカラーの選手が一人でアタック。スペシャルカラーのヘルメットと両膝の包帯。ヴィノクロフが単独アタックを試みた。
ヴィノクロフは数十メートルのアドバンテージを得たが、クイックステップが牽く集団に吸収されてしまう。その後も集団を完全にコントロールするチームは現れず、ラスト1.5kmでファビアン・カンチェラーラ(スイス、CSC)がアタック。これにマークス・ブルグハート(ドイツ、Tモバイル)らが続いたが、クイックステップやクレディアグリコルが牽く集団はこれも封じた。
そして運命のラスト1km。右に左に連続するカーブで集団の前方に落車が発生し、これにトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)やフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、サウニエルドゥバル)が巻き込まれた。ボーネンはすぐさま再スタートを切ったが、集団先頭はすでに遥か彼方。ボーネンはステージ優勝とポイント獲得の絶好のチャンスを逃した。
集団の先頭はTモバイルとリクイガスが牽いてゴールに突進し、ラスト300mのカーブ出口からスプリントバトルの鐘が鳴る。真っ先に先頭でスプリントを開始したのはハンターだ。
先頭ハンターを追撃したのはムリロ・フィッシャー(ブラジル、リクイガス)とカンチェラーラだった。カンチェラーラは持ち味の独走力で追い上げたが、ハンターの勢いは最後まで衰えない。フィッシャーの追い上げも届かず、ハンターがフィニッシュライン上で力強く手を挙げた。
ヴィノクロフを始めとした総合上位陣が集団でゴールした一方で、モローらの追走集団は3分20秒遅れでゴール。これを受けてモローは総合14位に順位を下げた。そして落車で遅れたボーネンはポイントこそ稼げなかったがマイヨヴェールをキープ。そしてこの日ステージ優勝を飾ったハンターがポイント賞争いの2位に浮上した。
優勝したハンターは1998年にマペイでプロ入りし、ランプレ、ラボバンクと渡り歩き、今季フォナックの解散に伴ってバルロワールドに移籍した。グランツールではブエルタでステージ2勝を挙げているが、ツールでの優勝は初めて。ハンターは第9ステージを制したマウリシオ・ソレール(コロンビア)に続いて、ステージ2勝目をバルロワールドチームにもたらした。ワイルドカードで出場しているチームとしては快挙である。
翌第12ステージは難易度の低い山岳ポイントの先に2級山岳が設定された中級山岳ステージ。翌日に個人タイムトライアルが控えているため、総合上位陣は集団内でステージを終えるだろう。スプリンターが勝負に絡むためにはゴール48km手前に設定された2級山岳を越えなければならない。逆にチャンスが回ってくるのは序盤から飛び出す逃げ屋だ。レースは序盤から激しく動くだろう。
ツール・ド・フランス2007第11ステージ結果
1位 ロバート・ハンター(南アフリカ、バルロワールド) 3h47'50"2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、CSC)
3位 ムリロ・フィッシャー(ブラジル、リクイガス)
4位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、リクイガス)
5位 アレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレフォンディタル)
6位 パオロ・ボッソーニ(イタリア、ランプレフォンディタル)
7位 クラウディオ・コリオーニ(イタリア、ランプレフォンディタル)
8位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、フランセーズデジュー)
9位 ウィリアム・ボネ(フランス、クレディアグリコル)
10位 キム・キルシェン(ルクセンブルク、Tモバイル)
1位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、ラボバンク) 53h11'45"2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケスデパーニュ) +2'35"
3位 イバン・マヨ(スペイン、サウニエルドゥバル) +2'39"
4位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、プレディクトールロット)+2'41"
5位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ディスカバリーチャンネル)+3'08"
6位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ) +3'50"
7位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、ディスカバリーチャンネル)+3'53"
8位 カルロス・サストレ(スペイン、CSC) +3'54"
9位 キム・キルシェン(ルクセンブルク、Tモバイル) +4'59"
10位 ミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル) +5'20"
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) 160pt2位 ロバート・ハンター(南アフリカ、バルロワールド) 149pt
3位 エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム) 144pt
1位 ミカエル・ラスムッセン(デンマーク、ラボバンク) 98pt2位 マウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド) 79pt
3位 ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、ディスカバリーチャンネル)70pt
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ディスカバリーチャンネル)53h14'53"2位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、Tモバイル) +3'37"
3位 マウリシオ・ソレール(コロンビア、バルロワールド) +3'41"
チーム総合成績
1位 チームCSC 159h20'49" 2位 ケスデパーニュ +5'02"
3位 ディスカバリーチャンネル +5'08"
敢闘賞
ブノワ・ヴォグルナール(フランス、フランセーズデジュー)リタイア
イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)
シルヴァン・カルザッティ(フランス、アージェードゥーゼル)
デーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、CSC)
ツール・ド・フランス2007第11ステージ グラフィックス
ツール・ド・フランス2007第11ステージ ダイジェストムービー
text:Kei.TSUJI
←第10ステージ 第12ステージ→
まだコメントはありません








コメント(0)
トラックバック(1)



























