2007/7/11 3:59


この日の第3ステージはベルギーのワレヘムからフランスのコンピエーニュまでのフラットな236kmで行なわれた。「北の地獄」または「クラシックの女王」と称されるパリ〜ルーベのコースを一部通過するが、パヴェ(石畳)区間は通過しない。
3つの中間スプリントポイントが設定されている今大会最長のステージで、山岳ポイントはゴールの34km手前に設定された4級山岳のみ。スプリンターが遅れるような登りとは言えず、逃げた選手とスプリンターによる大混戦のステージバトルが繰り広げられた。
前日の悪天候からは一転、この日の第3ステージは好天に恵まれた。選手たちはゆっくりとしたペースでワレヘムをスタートし、6km地点でニコラ・ヴォゴンディ(フランス、アグリチュベル)とマチュー・ラダニュ(フランス、フランセーズデジュー)の2人が早くも抜け出した。
メイン集団はこの2人を追う気配を見せず、ヴォゴンディとラダニュはアドバンテージを広げながら逃げ続けた。ヴォゴンディとラダニュは瞬く間にタイム差を広げ、気づけば44km地点でこの日最大の13分50秒のアドバンテージ。メイン集団は談笑ペースでレースを進めた。
平坦ステージではあるが、236kmの長丁場とあってペースは上がらない。レース2時間目の平均時速は30.7km/hを記録するなど、逃げもメイン集団もゆったりペース。長年ツール・ド・フランスのレースディレクターを務めたジャンマリー・ルブラン氏の故郷を通過する第2中間スプリントポイントでは、各賞ジャージが集団の最前列に並ぶという異例のパフォーマンスも。
その後も先頭のヴォゴンディとラダニュは10分近いアドバンテージを得て逃げ続け、メイン集団ではスプリンターチームが前に上がってペースアップ。しかし先頭2人を捕まえるには至らず、中間スプリントポイントは全て先頭2人がワンツーで通過。そして積極的に集団から飛び出してボーナスタイムを稼いだミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル)は総合トップ10入りを果たした。
やがて逃げと集団のタイム差が4分にまで縮まると、集団からステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)とフレデリック・ヴィレムス(ベルギー、リクイガス)がアタックを決めた。この2人はすぐさま先頭2人に追いつき、ゴール34km手前の4級山岳はオジェが先頭で通過。これによってオジェがマイヨブランアポワルージュ(山岳賞ジャージ)を獲得した。
オジェ、ヴィレムス、ヴォゴンディ、ラダニュの4人はその後も勢いを保って逃げ続け、ラスト30kmで3分20秒のアドバンテージ。「逃げ切り」という危険を察知したメイン集団はスプリンターチームが猛烈にスピードを上げて追撃するが、思うようにタイム差が縮まらない。タイム差はラスト20kmで2分20秒、ラスト10kmで1分20秒。
ラスト10kmのアーチを潜ると先頭からはヴィレムスがアタックするが決まらず、先頭4人のままゴールに向かう。ラスト5kmの時点で43秒のアドバンテージを得ていたが、牽制が入ってペースはダウン。ヴィレムスの度重なるアタックは決まらず、先頭4人のままラスト1kmに突入した。
スプリンターチームの激しい追撃によって4人の後ろにまで迫ったメイン集団からは、ラスト1kmでマイヨジョーヌのカンチェラーラがロングスパートを決める。スプリンターの意表を突くこの動きには誰も反応出来ず、カンチェラーラは先頭を逃げていた4人をパス。カンチェラーラは独走でゴールに向かい、その後方ではスプリンターたちが追い上げた。
超高速をキープするカンチェラーラと、爆発的な加速で追い上げるスプリンターたち。エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム)を筆頭に、スプリンターたちはマイヨジョーヌに迫ったが、フィニッシュライン上で手を挙げたのはカンチェラーラだった。
まさかまさかのマイヨジョーヌによるステージ優勝。目測によるとカンチェラーラはラストの1kmを1分10秒で走り抜けた。しかも236kmを走破した後でだ。カンチェラーラはこれでプロローグに続くステージ2勝目。ボーナスタイムを獲得してマイヨジョーヌを手堅いものにした。
各賞ジャージはマイヨブランアポワルージュがオジェに移った以外は変動が無く、マイヨヴェールはステージ4位に入ったトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)、そしてマイヨブランはウラディミール・グセフ(ロシア、ディスカバリーチャンネル)が守った。敢闘賞は序盤からの逃げに乗ったラダニュが獲得している。
翌第4ステージは4つの山岳ポイントが設定された193kmで行なわれる。しかしどれもスプリンターが遅れるような難易度では無く、しかも最後の4級山岳はゴールの49km手前。ゴール地点のブルゴーニュ地方ジョワニーでは今大会4回目のスプリントバトルが予想される。マイヨヴェールを着るボーネンか、それとも完調ではないマキュアンか。マイヨブランアポワルージュとマイヨヴェールの行方を含めて注目のステージである。
2位 エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム)
3位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、ランプレフォンディタル)
4位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
5位 ロバート・ハンター(南アフリカ、バルロワールド)
6位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ゲロルシュタイナー)
7位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、プレディクトールロット)
8位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリー、Tモバイル)
9位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、Tモバイル)
10位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、ゲロルシュタイナー)
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、CSC) 15h12'08"
2位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ) +33"
3位 デーヴィット・ミラー(イギリス、サウニエルドゥバル) +41"
4位 ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、ディスカバリーチャンネル) +43"
5位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、コフィディス)
6位 ウラディミール・グセフ(ロシア、ディスカバリーチャンネル) +45"
7位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) +46"
8位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、ケスデパーニュ)
9位 トル・フースホフト(ノルウェー、クレディアグリコル) +49"
10位 ミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル)
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) 80pt
2位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、プレディクトールロット)74pt
3位 エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム) 62pt
1位 ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス) 8pt
2位 デーヴィット・ミラー(イギリス、サウニエルドゥバル) 5pt
3位 フレディ・ビショ(フランス、アグリチュベル) 3pt
1位 ウラディミール・グセフ(ロシア、ディスカバリーチャンネル)15h12'53"
2位 トーマス・デッケル(オランダ、ラボバンク) +06"
3位 ブノワ・ヴォグルナール(フランス、フランセーズデジュー) +07"
2位 チームCSC +02"
3位 ディスカバリーチャンネル +05"

ツール・ド・フランス2007第3ステージ グラフィックス

ツール・ド・フランス2007第3ステージ ダイジェストムービー
text:Kei.TSUJI
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ツール・ド・フランス2007第3ステージ
スプリンターを振り切ったカンチェラーラが劇的勝利
この日の第3ステージはベルギーのワレヘムからフランスのコンピエーニュまでのフラットな236kmで行なわれた。「北の地獄」または「クラシックの女王」と称されるパリ〜ルーベのコースを一部通過するが、パヴェ(石畳)区間は通過しない。
3つの中間スプリントポイントが設定されている今大会最長のステージで、山岳ポイントはゴールの34km手前に設定された4級山岳のみ。スプリンターが遅れるような登りとは言えず、逃げた選手とスプリンターによる大混戦のステージバトルが繰り広げられた。
前日の悪天候からは一転、この日の第3ステージは好天に恵まれた。選手たちはゆっくりとしたペースでワレヘムをスタートし、6km地点でニコラ・ヴォゴンディ(フランス、アグリチュベル)とマチュー・ラダニュ(フランス、フランセーズデジュー)の2人が早くも抜け出した。
メイン集団はこの2人を追う気配を見せず、ヴォゴンディとラダニュはアドバンテージを広げながら逃げ続けた。ヴォゴンディとラダニュは瞬く間にタイム差を広げ、気づけば44km地点でこの日最大の13分50秒のアドバンテージ。メイン集団は談笑ペースでレースを進めた。
平坦ステージではあるが、236kmの長丁場とあってペースは上がらない。レース2時間目の平均時速は30.7km/hを記録するなど、逃げもメイン集団もゆったりペース。長年ツール・ド・フランスのレースディレクターを務めたジャンマリー・ルブラン氏の故郷を通過する第2中間スプリントポイントでは、各賞ジャージが集団の最前列に並ぶという異例のパフォーマンスも。
その後も先頭のヴォゴンディとラダニュは10分近いアドバンテージを得て逃げ続け、メイン集団ではスプリンターチームが前に上がってペースアップ。しかし先頭2人を捕まえるには至らず、中間スプリントポイントは全て先頭2人がワンツーで通過。そして積極的に集団から飛び出してボーナスタイムを稼いだミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル)は総合トップ10入りを果たした。
やがて逃げと集団のタイム差が4分にまで縮まると、集団からステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス)とフレデリック・ヴィレムス(ベルギー、リクイガス)がアタックを決めた。この2人はすぐさま先頭2人に追いつき、ゴール34km手前の4級山岳はオジェが先頭で通過。これによってオジェがマイヨブランアポワルージュ(山岳賞ジャージ)を獲得した。
オジェ、ヴィレムス、ヴォゴンディ、ラダニュの4人はその後も勢いを保って逃げ続け、ラスト30kmで3分20秒のアドバンテージ。「逃げ切り」という危険を察知したメイン集団はスプリンターチームが猛烈にスピードを上げて追撃するが、思うようにタイム差が縮まらない。タイム差はラスト20kmで2分20秒、ラスト10kmで1分20秒。
ラスト10kmのアーチを潜ると先頭からはヴィレムスがアタックするが決まらず、先頭4人のままゴールに向かう。ラスト5kmの時点で43秒のアドバンテージを得ていたが、牽制が入ってペースはダウン。ヴィレムスの度重なるアタックは決まらず、先頭4人のままラスト1kmに突入した。
スプリンターチームの激しい追撃によって4人の後ろにまで迫ったメイン集団からは、ラスト1kmでマイヨジョーヌのカンチェラーラがロングスパートを決める。スプリンターの意表を突くこの動きには誰も反応出来ず、カンチェラーラは先頭を逃げていた4人をパス。カンチェラーラは独走でゴールに向かい、その後方ではスプリンターたちが追い上げた。
超高速をキープするカンチェラーラと、爆発的な加速で追い上げるスプリンターたち。エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム)を筆頭に、スプリンターたちはマイヨジョーヌに迫ったが、フィニッシュライン上で手を挙げたのはカンチェラーラだった。
まさかまさかのマイヨジョーヌによるステージ優勝。目測によるとカンチェラーラはラストの1kmを1分10秒で走り抜けた。しかも236kmを走破した後でだ。カンチェラーラはこれでプロローグに続くステージ2勝目。ボーナスタイムを獲得してマイヨジョーヌを手堅いものにした。
各賞ジャージはマイヨブランアポワルージュがオジェに移った以外は変動が無く、マイヨヴェールはステージ4位に入ったトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)、そしてマイヨブランはウラディミール・グセフ(ロシア、ディスカバリーチャンネル)が守った。敢闘賞は序盤からの逃げに乗ったラダニュが獲得している。
翌第4ステージは4つの山岳ポイントが設定された193kmで行なわれる。しかしどれもスプリンターが遅れるような難易度では無く、しかも最後の4級山岳はゴールの49km手前。ゴール地点のブルゴーニュ地方ジョワニーでは今大会4回目のスプリントバトルが予想される。マイヨヴェールを着るボーネンか、それとも完調ではないマキュアンか。マイヨブランアポワルージュとマイヨヴェールの行方を含めて注目のステージである。
ツール・ド・フランス2007第3ステージ結果
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、CSC) 6h36'15"2位 エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム)
3位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、ランプレフォンディタル)
4位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
5位 ロバート・ハンター(南アフリカ、バルロワールド)
6位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ゲロルシュタイナー)
7位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、プレディクトールロット)
8位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリー、Tモバイル)
9位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、Tモバイル)
10位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、ゲロルシュタイナー)
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、CSC) 15h12'08"2位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ) +33"
3位 デーヴィット・ミラー(イギリス、サウニエルドゥバル) +41"
4位 ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、ディスカバリーチャンネル) +43"
5位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、コフィディス)
6位 ウラディミール・グセフ(ロシア、ディスカバリーチャンネル) +45"
7位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) +46"
8位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、ケスデパーニュ)
9位 トル・フースホフト(ノルウェー、クレディアグリコル) +49"
10位 ミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル)
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) 80pt2位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、プレディクトールロット)74pt
3位 エリック・ツァベル(ドイツ、ミルラム) 62pt
1位 ステファヌ・オジェ(フランス、コフィディス) 8pt2位 デーヴィット・ミラー(イギリス、サウニエルドゥバル) 5pt
3位 フレディ・ビショ(フランス、アグリチュベル) 3pt
1位 ウラディミール・グセフ(ロシア、ディスカバリーチャンネル)15h12'53"2位 トーマス・デッケル(オランダ、ラボバンク) +06"
3位 ブノワ・ヴォグルナール(フランス、フランセーズデジュー) +07"
チーム総合成績
1位 アスタナ 21h38'42"2位 チームCSC +02"
3位 ディスカバリーチャンネル +05"
敢闘賞
マチュー・ラダニュ(フランス、フランセーズデジュー)ツール・ド・フランス2007第3ステージ グラフィックス
ツール・ド・フランス2007第3ステージ ダイジェストムービー
text:Kei.TSUJI
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