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UCIシクロクロス世界選手権シリーズ第9戦最終戦は、このレースの王者も、年間王者も、どちらもレースの醍醐味を感じさせるものとなった。このシリーズ、スケジュールと移動の関係もあり、僅か出場5戦にとどまった世界チャンピオンのマシュー・ファン・デル・ポエル（アルペシン・フェニックス）だが、その5戦をすべて勝利で飾ってみせた。あまりにも速さの違う圧勝、世界チャンピオンとしての貫禄を見せつけた。そして年間王者は、なんと一度も勝利出来なかった昨年度の年間王者、トゥーン・アールツ（テレネット・バロワーズ・ライオンズ）が、このレースでも安定の2位で連覇を成し遂げた。

©UCI

このレースでもファン・デル・ポエルの速さは圧倒的だった。レース中盤、残り4周で早くも独走態勢となり、途中何度もハンドルから手を離したり、背後を確認する余裕の走り、世界チャンピオンとしてその強さをライバルたちに見せつけた。世界選手権を前に、連覇を狙う男はすでに準備万端だ。

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「今日は歓声が大きかったね。レース自体はかなりきつかったよ。走っている間は結構きつかったから、消耗戦を続けるよりは一発のアタックに賭けたんだよ。それが見事にドンピシャではまったね。」ファン・デル・ポエルは納得の表情を見せた。

その背後の2位争いは激戦だった。今年の年間王者を争ってきたアールツとイーライ・イザービット（パウエルス・サウザン・ビンゴール）が激しく競い合う。イザービットは1戦リタイアをしているため、4勝しているにもかかわらず、総合2位に甘んじている。対してアールツは未勝利も、安定して上位に入り続け、一度もリタイアがなかったことで総合リーダーとして最終戦を迎えた。

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この二人のバトルはアタック合戦となったが、障害物エリアでバニーホップでクリアしたアールツに対して、体格的に劣るイザービットはバイクを降りてバイクを担いでクリアした。このタイミングを見計らっていたかのようにアールツは加速、一気にイザービットを突き放す。これで勝負あり、アールツが2位を確保し、合計577ポイントとしてイザービットとの差を46ポイントとし、自らの年間王者連覇を確定させた。

「年間王者2連覇は嬉しいね。去年ほど調子が良くない中で、でも気がつけば最後に総合チャンピオンになれたんだからね。落車で肋骨を骨折し、そのまま次のレースを迎えたときは、あまりの痛みときつさに、シーズンが終わったと思ったよ。でも今日はいい感じで走れたよ。ファン・デル・ポエルがアタックした際に対応できたのは僕だけだったからね。でもその後はついていけなかったよ。勝負どころでは、バイクを降りるよりもバニーホップの方が楽だったんだよ。体も疲れていたからね。結果的にそれがイザービットを突き放すことにもつながったしね。」アールツは連覇に安堵の表情を見せた。

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このレースでは元シクロ世界王者でもあり、ファン・デル・ポエルの最大のライバルだったワウト・ファン・アールト（ジャンボ・ヴィズマ）は、怪我から復帰5戦目となった最終戦は8位に終わり、世界選手権へ向け厳しい状況が続いている。

今シーズン後半急激に台頭したイギリス人選手のトーマス・ピドコック（トリニティ―レーシング）箱のレースでも素晴らしい走りを見せた。このレースでも7位、表彰台までは11位と着実に結果を残している。「世界選手権では表彰台を狙いたいね。」新鋭は力強く語った。

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UCIシクロクロス世界選手権シリーズ第9戦フーゲルハイド
1位　マシュー・ファン・デル・ポエル（アルペシン・フェニックス）　　　1h04’39”
2位　トゥーン・アールツ（テレネット・バロワーズ・ライオンズ）　　　+38”
3位　イーライ・イザービット（パウエルス・サウザン・ビンゴール）　　　+43”
4位　ミカエル・ファントゥーレンハウト（パウエルス・サウザン・ビンゴール）　　　+49”
5位　ティム・メリエール（クレアフィン・フリスタッヅ）　　　+50”
6位　ラース・ファン・デル・ハール（テレネット・バロワーズ・ライオンズ）
7位　トーマス・ピドコック（トリニティ―レーシング）　　　+52”
8位　ワウト・ファン・アールト（ジャンボ・ヴィズマ）　　　+53”
9位　ローレンス・スウィーク（テレネット・バロワーズ・ライオンズ）　　　+59”
10位　コーン・ファン・ケッセル（サーカス・ワンティゴベール）　　　+1’05”

UCIシクロクロス世界選手権シリーズ年間ランキング
1位　トゥーン・アールツ（テレネット・バロワーズ・ライオンズ）
2位　イーライ・イザービット（パウエルス・サウザン・ビンゴール）
3位　ミカエル・ファントゥーレンハウト（パウエルス・サウザン・ビンゴール）　　　+1’16”

H.Moulinette