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2007/4/7 17:14

ロンド・ファン・フラーンデレン2007 現地レポートby綾野 真

クルマで石畳のコース下見へ。ムセーウに遭遇!


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最大勾配22%
『ロンドのルートにつけられた道案内表示。サイクリングコースにもなっている。コッペンベルグの坂は長さ500m・最大勾配22%!』
パヴェのディテール
『激坂「コッペンベルグ」のディテール』
コース上にあるレストラン
『ロンドのコース上にあるレストランに自転車が列を成して停まっていた』
ムセーウと土肥志穂
『ヨハン・ムセーウと土肥志穂(ジャーナリスト)』
「ムセーウ」の自転車
『引退したヨハン・ムセーウが興したブランド「ムセーウ」の自転車』
バールは店内壁一面ボーネンだらけ
『ロンドのコース上のバールは店内壁一面ボーネンだらけ』
アスタナのロンド仕様バイク
『アスタナのロンド仕様バイク』
レースの2日前にベルギーはヘントに入った。フランドル地方は快晴で、緑が美しい。さっそく今回同行しているジャーナリストの土肥志穂さんと一緒に、クルマでロンドのコース下見に出かけた。そこで待っていたのはビックリするような出会いだった。

ブリュッセルから車を飛ばし、昨夜遅くにヘントに到着。迎えた朝は快晴。いつものレースなら前日のプレス受付までに入ることがほとんどだけど、今回は少し時間の余裕を持って現地入りした。他のどこよりも自転車競技に熱狂なベルギーのレースは、国の文化そのもの。だからレースだけでなく、その周辺のことも味わって初めてこのクラシックを知ることができるんだな、と思っている。ただそれにしても深く、濃すぎるのがこのロンドではあるけれど。

ヘント周辺のホテルに到着しているチームはまだアスタナとウィーゼンホフだけだった。訊けば選手たちはコースのラスト40kmを試走に出かけたとか。ならば我々も、と南へ向かった。

フランドル地方の春はいつもより早くやってきたようだ。新緑に混じって菜の花、サクラ、モクレンの花が満開で、本当に美しい。

オートバイのパイロットのルディさんから携帯に電話がかかってきた。「マコト!この日曜の天気予報は快晴だ。ここのところずっと天気が良くて路面もドライだから心配ないよ。楽しめそうだね!」と心底嬉しそうだ。

ロンドの前半は平坦路。そしてパヴェ(石畳)の始まる中盤以降の拠点となるオーデンナールデの街から名所「コッペンベルグ」の激坂を目指す。コッペンベルグは2002年からコースに復帰したが、今年は外されたとのことだ。距離500m、最大勾配22%のこの坂を最初に訪ねてみた。

昨年はここを飛ぶように駆け上がったボーネンが集団から抜け出し、それに続くグループの先頭の選手が足を着いてしまったおかげで、大変な事態になった。自転車を担ぐシクロクロススタイルや、サドルを押して上った選手たち。カーボン製のシューズの底がカタカタ鳴って、ちょっとへっぴり腰の無様な恰好で。

実際この坂を足で歩いてみる体験は面白かった。石畳のブロックは角が取れているもの、また埋め込まれて新しいものなどが混在している。その間には土があり、草が生えている箇所もある。これが雨で濡れると滑るわけだ。
道幅は狭い。通れるのはクルマ1台がやっとだ。両側は草地の土手と疎林で、雨ならこの土手から土が流れてさらに滑る。もっとも勾配のきついあたりの石畳ほど荒れていて、30cmほどの大きな穴がど真ん中にあった。坂からは街が見下ろせる。

このコース両脇に観客が鈴なりになるわけだ。この日はレース前日に行われる市民版ロンドの試走をしているサイクリストが多かった。実は土肥さんは昨年開催されたその市民版ロンドに参加して、実際に自転車でコースを走っている。だから「ここで泣きが入ったんですよ」と、実体験に基づく解説つきだ。しかも朝からずっと雨に降られたという。この市民版ロンド、同じコースを走るがレースではないので、自分が苦労したパヴェをトップ選手たちがどんなスピードで走るか実際に比較して観戦もできるから、いい体験になるだろう。これを読んでいる貴方も来年はぜひ!

つなぎの舗装区間も驚くほど細く、曲がりくねっている。カメラマントしてもレース本番でどうコースをつないで撮影していくか、抜け道はどうするか考えておくことも重要なポイント。それらを確認しながらエキサイティングなインスペクション(下見)だ。

自転車が列をなして停まっているレストランの前を通りかかった。ここらで昼食タイムを、と中へ入ろうとすると、扉を開けて出てきたのはヨハン・ムセーウだった。かちあったうえにいきなり「ハアイ!」と声をかけられて、こちらは唖然としてしまった。93・95・98年の3度ロンドに優勝している"フランドルのライオン"は、ベルギー人にとっては神の様な存在。なんと明日の市民版ロンドを走るので、その試走中なのだとか。

乗っている自転車は、つい最近立ち上げた自身のブランド"Museeuw"だ。ライオンのヘッドマークに、世界チャンピオンにもなったからその証のアルカンシェル(虹色のストライプ)もあしらわれる。ジップの金色ロゴの入った特別なホイールを履いて、コンパクトドライブのクランクを装着していた。ムセーウがコンパクト...。そしてレディには念入りなご挨拶のキッス。以前のような近寄りがたい神々しさは薄れ、親しみやすいヨハンに変わっていた。

ムセーウのアシストする「ベルギーサイクリングチーム」は、30人ほどの団体で、プロチームばりのサポートカーやメカニックトラックが同行していた。

次ぎはボーネンのイラストが店の前に大きく描かれているバールに立ち寄った。店の中に入るとポスターや写真、ジャージなど壁中ボーネンだらけ。いかにボーネンが人気があるかがわかる。フランドルの街のいたるところで見られるこのイラストは、ベルギーで著名なイラストレーターの作なのだという。彼がロンドで立ち寄る所ごとに、その絵が増え続けてくようだ。

ヘントからブルージュに移動。明日は選手たちのホテルを訪ねて前日の様子やコメントなどの情報収集をするつもりだ。


ロンド・ファン・フラーンデレン2007 大会前日・フランドルの様子 グラフィックス
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