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2017/9/16 5:19

ASIA BIKE SHOW REPORT Vol.1

ASIA BIKE SHOW REPORT Vol.1:コミュニティーシェアバイクがスポーツ自転車界に与えた影響、そしてこれからの展望とは


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今回の南京でのアジア・バイクショーで圧倒的な存在感を見せていたのは、なんとコミュニティーバイクのブースだった。実は会場の外でも、そして街中でも、いたるところにコミュニティーバイクが山のように有るのだ。駐輪スペースや路上に駐車されている自転車の8割ほどを締めるのではないかという圧倒的なその量に驚かされたのだが、なんとこの風景が見られるようになったのはここ僅か2年ほどのことだそうだ。そして瞬く間にアジア全域に広がった中国初のシェアバイクシステムは、その最大の企業であるOfoが今月より日本でもソフトバンクと共同で東京都大阪でスタート、そしてもう一つのMOBIKEが福岡、そして札幌と順次スタートしていく予定だ。


『まだ創業数年で急成長 ©CTJP 』
アジア・バイクショーの最大スポンサーの一つにのし上がったOfoは、2014年に4人の大学生と教授が中国国内が19都市の200の大学のキャンパスで試験的に行ったシェアバイクシステムから始まった。急成長を遂げ、さらに1100億という資金を調達し、ユーザー登録数1億人、自転車台数800万台、そして9カ国で展開をしている。なぜここまで広がったのかと言えば、まずはその価格だ。当初は無料ではじまり、そして有料へと切り替わったのだが、その金額は捨て値とも言える激安で、それが人々に自転車を使うという選択肢を与えたのだ。Ofo以外にも次から次へとバイクシェアの会社が誕生、自動車や電動バイク(中国では一般的)に代わる移動手段として、多くの人に使用されるようになったのだ。特に大都市部では公共交通機関よりも格安、短時間で移動できる手段(93%のユーザーが5km以内の利用)として爆発的にユーザーが増え、もはやシェバイクが景色の一部と化している。そしてこれが環境問題の解決策の1つとしても注目を集めている。

またタイミング的にキャッシュレス化が進んでいることも追い風となった。中国では様々な支払いがWeChatもしくはAlipayで行え、このシェアバイクもそのプラットフォームを利用しているのだ。スマホで簡単に登録、保証金(退会時に返金)を支払うだけ、使用時にスマホで操作し解錠して使うだけなのだ。時間あたりの金額が発生するが、極めて少額、さらにどこでも乗り捨て可能ということも魅力となった。


『会場にも多くの人はシェアバイクで訪れていた ©CTJP 』

『シンプルなこのシステムを提供している ©CTJP 』
中国国内からのみならず、ロシアやアメリカ系企業やファンドからも大きな出資を受け、驚異的な勢いで成長を続けているが、実は事業自体は黒字化ではないという側面もある。しかしそれでもファンドからすれば投資の価値があるとして膨大な資金が流れ込んでいるのだ。

実はこのバイクシェアがスポーツ自転車階にある影響を及ぼしている。それは明確な売上の落ち込みだ。しかし業界はこのシェアバイクをマイナス要素とは見ていないようだ。「若い世代が今まで乗らなかった自転車に乗るようになっているんですよ。そしてそこから新たな需要が生まれ始めています。今まではまったく見向きもしなかった購買層が、興味の眼差しを向け始めているんです。」アジアバイクショーの主催者代表のリチャード・リー氏はそう語った。つまりは「損して得取れ」という感覚で、中国の自転車界自体はこれが今後の追い風となると予測しているのだ。


『世界中にそのシステムを送り出している ©CTJP 』

『ノーパンクタイヤ使用でメンテが大幅に楽に ©CTJP 』
そんなシェアバイクだが、まず素朴な疑問は紛失や破壊などがどれだけの頻度で発生しているのかということだ。日本ではリサイクル自転車で無料レンタルを開始したところ、自宅へ持ち帰る人が続出、あっという間に機能しなくなったケースが有る。また他の一般のシェアバイクでは特定の駐輪スペースに止めなければならないのだが、観光地などに設置されたケースでは台数が少ない上に特定の場所に集中してしまい、まったく自転車がない駐輪スペースなどが発生、回収と移動を人力で行うのが当たり前になってしまっている。またパンクや空気を入れる手間なども非常にコストが嵩んでいるポイントとなっている。これではコスト面でもユーザーにとってもメリットがあまりにもない状態だ。


『国によって使う自転車が変わるのがOfoだ ©CTJP 』
Ofoでは当初はシステムにバグが有り、破損や盗難が相次いだが、今では大きく減少したとしている。特に自宅へ持ち帰るというケースは極めて少なく、近場の駐輪スペースに止めて家へは歩いて帰るというのが成立しているとのことだった。それに一役買っているのが、Ofoの自転車は全てが真っ黄色(Ofoはシステムを供給する会社なので、自転車の形状はなんでも可能)、つまり持って帰ればそれだけで目立ってしまい、あの人は勝手に”私物化しました”と周囲に宣言しているようなものなのだ。他のシェアバイクも同じくそれぞれ色や形状などが特徴的であり、勝手に私物化することが憚られるようになっているのだ。またタイヤはすべて新素材のノーパンクタイヤなどとなっており足廻りのメンテフリー、またベルもグリップシフト型で雨などで錆びないような工夫が随所に見られる。


『会場にはファットバイクバージョンも置かれていた ©CTJP 』
自転車の盗難が都市部での1つの多きな問題になっていたのだが、シェアバイクが普及したことでそちらを使用するユーザーが増え、また特殊な形状であったりするために転売がしにくいなどの要素も重なり、シェアバイクは盗難減少に一役買っているようだ。またその情報やデータも日本でいうところの総務省や建設省などにシェアされ、次の街づくりのためのデータベースとなっている。

もちろんいいことばかりではない。あまりの台数のシェバイクが一気に投入されたことで、不法駐輪が続出、大きな問題となっているのだ。

果たしてこのシェバイクの波がどこまで続くのはまったく不透明だ。またこのシステムが日本で定着するのかもまだ見えてこない。中国だからこそ成立したシェバイクのシステムは、今や国境を超えヨーロッパやアメリカにも進出しているが、まだ中国でのような爆発的な動きとはなっていない。ただこれから先の結果がどうなるにせよ、ひとつ言えるのは、結果的に自転車大国で、自転車から自動車やオートバイへと移行していたユーザーを引き戻し、自転車に乗る人口を再び圧倒的に増やしたことは間違いない。

H.Moulinette
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