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2017/6/12 20:16

クリテリウム・ド・ドーフィネ第8ステージ

クリテリウム・ド・ドーフィネ第8ステージ:大どんでん返し!フグルサングがステージ勝利でまさかの大逆転総合優勝!ポート2位で、D.マーティンも大逆転表彰台!フルーム、コンタ陥落!


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クリテリウム・ド・ドーフィネ最終ステージ、ツール・ド・フランス差の前哨戦と言われるレースは、誰も予想すらできないような大どんでん返しが待っていた。最後の最後で総合上位が大シャッフルされるという大興奮の展開となった。そして総合優勝をさらっていったのは、昨日までの総合リーダー、リッチー・ポート(BMC)でもツールの優勝候補筆頭のクリス・フルーム(チームスカイ)でも、今シーズン絶好調の大ベテラン、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)でもなく、誰も予想すらしなかった快進撃を続けてきたヤコブ・フグルサング(アスタナ)だった。ツール・ド・フランスでファビオ・アルー(アスタナ)のアシストとなると思われた男が、「俺こそエース」とばかりに並み居る強豪全てを振り切り独走で最終ステージ頂上ゴールを制し、大逆転で総合優勝を決めた。


『表彰台は最後にひっくり返った。 ©Tim D.Waele』
僅か115kmのショートステージながら、スタート直後から1級、2級、1級そして超級山岳でのゴールと続く極めてアップダウンしかない過酷なステージだった。総合2位に1分以上の差をつけてスタートするポート圧倒的有利と思われたレースは、まったく予想しない方向へと向かっていった。


『フルームとバルベルデがペースアップ ©Tim D.Waele』
まず最初の1級山岳の上りでフルームとバルベルデが集団のペースを上げると、ポートはその時点でほとんどのアシスト陣を失ってしまう。そしてそのまま二つ目の2級山岳でもフルームとチームスカイは攻めの手を緩めない。元世界チャンピオンのミカル・クウィアトコウスキー(チームスカイ)らスピードあるメンバーが加速をし、一旦は抜け出すもここはポートを含む総合系のグループに飲み込まれてしまう。この時点で短髪で発生していた逃げも全て吸収、先頭集団は22名による直接バトルとなることが決定的となる。


『アルーとバルベルデが仕掛けた。 ©Tim D.Waele』

『追走の3人 ©Tim D.Waele』
そしてこの日3つ目の山岳、コル・デ・ラ・コロンビエールでついにレースが動く。まず飛び出したホはバルベルデとアルー、一気に後続との差を広げ1分ほどのタイム差をつけると、その背後ではフグルサング、ダニエル・マーティン(クイックステップ・フロアーズ)、そしてロメイン・バルデ(AG2R)がさらに飛び出し、攻撃を仕掛けていく。その3人にさらにアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレド)らが合流するが、そこにフルームとポートの姿はなかった。


『フルームも最後にポートを引き離した。 ©Tim D.Waele』
序盤に積極的な攻めを見せたフルームは、ここへ来てポートをマーク、ポートも単独でどう攻めるべきか迷っている間に今度はフルームまでもがアタック、コロンビエールの頂上をポートを置き去りにした状態で超えていく。ライバル達に順番に攻撃を仕掛けられたポートはまさかの遅れを取り、ここから自力で追走を仕掛けなければいけない展開となる。

フルームは先行していたフグルサングらと下りで合流、さらに前を行くバルベルデとアルーを追い詰めていく。この時点でポートは約1分半も後方、ポートの総合リーダーの座に黄色信号が灯るだけではなく、最後の超級山岳を残し更に大きくタイム差を失うことも予感させた。


『ポートは必死の追走 ©Tim D.Waele』

『フグルンサグとDマーティンが仕掛けた ©Tim D.Waele』
そして最後の超級山岳に入ると先頭集団は一つとなり、総合優勝争いは一気に読めない展開となる。僅差でひしめき合う選手たち、次の一手を誰が打つかに注目が集まった。そして残り7km、最後の頂上バトルでまず動いたのはD.マーティンだった。それにフグルサングも反応、この二人が一気にペースをあげ、後続集団をかき乱した。その背後ではポートが単独となりながらも素晴らしい走りを見せる。マイペース双方だが力強く前を向いて攻めの走りを展開、あっという間にフルームら第2グループとの差を30秒ほど詰めてくる。


『ポートはタイム差をなんとかキープし続けたが・・・ ©Tim D.Waele』
フグルサングはそのままD.マーティンも振り切り独走態勢を築くと、一切ペースを落とさずに最後までポートとのタイム差を1分以上キープしてゴール、ボーナスタイム10秒も獲得し後はポートのゴールを待つだけとなる。D.マーティンも2位でゴール、総合順位は後続の選手達の結果次第となる。

そんな後続集団では新人賞争いも勃発、ルイス・メインチェス(UAEチームエミレーツ)とエマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ)が激しいバトルを演じる。その結果メインチェスが先行し3位でゴールを果たすも、ブッフマンを逆転するには至らなかった。そのさらに後方ではポートが次々と先行していたライバルたちを脱落させ、猛追を続けていた。最後はフルームも脱落させて7位でゴール、しかしフグルサングにはボーナスタイムの10秒分届かず、まさかの総合2位転落となった。しかしそれでも一人での猛追はライバルフルームを持ってして「ツールの本命の1人」と言わしめるには十分な走りだった。


『総合トップ3それぞれに明暗が別れた ©Tim D.Waele』
そのフルームはタイムを大きく失い、総合表彰台をも失ってしまう。総合3位にはD.マーティンが僅か1秒の差で滑り込む形となった。ツール・ド・フランスへ向け調子が気になるコンタドールはさらに大幅に遅れ、なんと総合トップ10も逃してがしまった。ツール前哨戦は、今年のツールが予想以上の大混戦になることを予感させてくれた。

フグルサングは先日のステージではワールドツアー初優勝から一気にけっかをだし、2つ目のステージ優勝とともに、ドーフィネの総合優勝というとてつもなく大きな仕事をやってのけた。それに加えこれで一気に首脳陣の評価も獲得、今大会でまだ完全復調が見られないアルーに加え、フグルサングも一気にエースの座を確立、これでツール・ド・フランスではアルーとフグルサングのダブルエース体制となりそうだ。


『フグルサングがアッパレ大金星の総合優勝 ©Tim D.Waele』
「言葉が見つからないよ。とにかく目的は総合順位を守ることだったんだ。またアルーとの連携もうまくいったしね。フルームがバルベルデとアルーを追いかけて消耗してこれたことがこの結果に繋がったと思うよ。後はD.マーティンの動きに体が反応しただけだよ。」フグルサングは冷静に状況を説明した。


『ポートの粘りの走り ©Tim D.Waele』
クリテリウム・ド・ドーフィネ第8ステージ
1位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ)   3h26’20”
2位 ダニエル・マーティン(クイックステップ・フロアーズ)   +12”
3位 ルイス・メインチェス(UAEチームエミレーツ)   +27”
4位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ)   +44”
5位 ファビオ・アルー(アスタナ)   +1’01”
6位 ロメイン・バルデ(AG2R)   +1’02”
7位 リッチー・ポート(BMC)   +1’15”
8位 クリス・フルーム(チームスカイ)   +1’36”
9位 ラファエル・バルス(ロット・ソウダル)   +1’41”
10位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)   +3’30”

クリテリウム・ド・ドーフィネ総合順位
1位 ヤコブ・フグルサング(アスタナ)   29h05’54”
2位 リッチー・ポート(BMC)   +10”
3位 ダニエル・マーティン(クイックステップ・フロアーズ)   +1’32”
4位 クリス・フルーム(チームスカイ)   +1’33”
5位 ファビオ・アルー(アスタナ)   +1’37”
6位 ロメイン・バルデ(AG2R)   +2’04”
7位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ)   +2’32”
8位 ルイス・メインチェス(UAEチームエミレーツ)   +3’12”
9位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)  +4’08”   
10位 ラファエル・バルス(ロット・ソウダル)   +4’40”

H.Moulinette
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