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2016/7/1 16:14

ツール・ド・フランス2016:総合優勝を巡る激戦を制するのは?

ツール・ド・フランス2016:総合優勝を巡る激戦を制するのは?有力チームの戦力と戦略、果たしてフルームは絶対的優位なのか?アシストの価値がわかる大会に


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いよいよ開幕する今年のツール・ド・フランス、総合優勝争いは熾烈を極めるだろう。現在最強のグランツールライダーと言えるクリス・フルーム(チームスカイ)絶対的優位と思われる中、引退を撤回したアルベルト・コンタドール(ティンコフ)、そして最強コロンビアン、ナイロ・キンターナ(モビスター)の三つ巴のバトルが予想されている。しかし今大会も多くのダークホースが顔を揃え、虎視眈々と下克上を狙っている。グランツールはなんといっても3週間の長丁場、”絶対的優位”はあくまでも推測であり、勝負は最後の最後まで分からないのだ。これこそがグランツールであり、これこそがロードレース、フランスの夏の祭典は潰し合い上等のドラマを演出してくれるだろう。


『フルームが再びツールを制するか? ©Tim D.Waele 』

『チームスカイの優位は変わらない ©Tim D.Waele 』
総合優勝候補にすんなりと名前が上がる実力者は少ない。まず3強といえるのがフルーム、コンタドール、キンターナだ。この3人の実力は拮抗しており、また経験も豊かでありグランツール覇者でもある。この3人を分けるものがあるとすれば、それはアシストの差だろう。フルームのチームスカイは結束力抜群の最強のチームワークを見せるチームの一つだ。平地から山岳まで、それぞれがステージ優勝を狙えるレベルの実力者揃いでありながらも、自分自身を犠牲にできるメンタルの強さも持ち合わせている。鍵となるのは、グランツールエースの座を射止めながら、体調不良でジロ・デ・イタリアを途中リタイアしたミケル・ランダの出来だろう。接戦になればなるほど、総合力もあるこの男の出来不出来が、フルームの結果に大きな影響を与えそうだ。


『モビスターの戦力は強力だ ©Tim D.Waele 』
それに匹敵するメンバーを揃えてきているのがモビスターだ。エースのキンターナのアシストとして、今年のジロ・デ・イタリアで総合3位となっており、今大会でも自らも総合表彰台を狙えるアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が控えているだけではなく、山岳系のアシストの充実ぶりが徹底している。勝負どころは山岳、それを踏まえたうえでのメンバーとなっている。


『コンタドールにとってはきつい勝負となるだろう ©Tim D.Waele 』
対してコンタドールのアシストは心もとない。次世代エースのラファル・マイカ(ティンコフ)がいるとは言え、チームは世界チャンピオンのピーター・サガン(ティンコフ)のステージ勝利とポイント賞狙いもあり、山岳アシストとしてはかなりチームスカイとモビスターに比べるとかなり見劣りする。


『アスタナが台風の目となるだろう ©Tim D.Waele 』
この3人の対抗馬もかなりの面子が顔を揃えている。まずその筆頭にあげられるのがファビオ・アルー(アスタナ)だろう。正直おとなしくアルーのアシストをするとは思えないヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)は不安の種だが、もしきちんと機能する場最強タッグになる可能性もある。ヤコブ・フグルサング(アスタナ)も総合力があり、また山岳系を走れる選手も多いだけに、要注意のチームといえるだろう。

Ag2Rはロメイン・バルデとドメニコ・ポッツォヴィーヴォの二枚看板で乗り込んでくる。それに対してBMCもリッチー・ポートを中心に、ティージェイ・ヴァン・ガーデレン、グレッグ・ヴァン・アーヴェルマートという強力な布陣で挑んでくる。それ以外にもティボー・ピノー(FDJ)は間違いなく総合上位争いに顔を出してくるだろう


『早くもフランスは黄色に ©Tim D.Waele 』
不気味な存在なのはジャイアント・アルペシンだ。ワーレン・バーギルを中心に、トム・デュムラン、ローレンス・テン・ダムという総合力ある選手を揃えており、様々な攻撃パターンで攻めてきそうだ。

カチューシャもホアキン・ロドリゲスとイルヌール・ザッカリンの2枚体制で挑んでくるが、正直ホアキンの調子が未知数なのと、ザッカリンがジロでの大怪我からどこまで復帰出来ているかが鍵となりそうだ。またエティックス・クイックステップもダニエル・マーティンとジュリアン・アラフィリップの2枚体制だが、グランツールという意味ではどこまで結果が出せるかはやってみなければわからないだろう。ツボにはまれば急成長を遂げる可能性のあるアラフィリップの存在は面白いが、総合という意味では難しいだろう。


『チームプレゼンはWW2とノルマンディー作戦がテーマ ©Tim D.Waele 』
これ以外の選手が突発的な急成長で一気にスターダムにのし上がる可能性は否定出来ない、ただグランツールはやはりチームスポーツであり、チームとしての総合力が大きくモノを言うことになるだろう。そういう意味では間違いなくフルームとキンターナが他の選手達に比べ優位な立場にいることは間違いない。しかしレースは生き物、想定外の悪心デントが起こる可能性は否定出来ない。メカトラや落車、パンク一つで優勝争いが泡と消える可能性すらある。今年もシャンゼリゼで誰がマイヨ・ジョーヌで笑うかは、その瞬間が来るまで分からない。

H.Moulinette
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