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2015/11/9 15:36

BBを考える

BBを考える:乱立するBB規格、プレスフィット全盛期にさらば?未だに根強い人気のスレッドBBが大口径化!果たして新規格T47は定着するか?見えてくるユーザー思いの開発


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皆さんは自分が今お使いの自転車のBB規格をご存知だろうか?今現在のBB規格というのは本当に面倒くさい、おおまかに分けるとネジ式(スレッド式)と圧入式(プレスフィット)に別れるが、各メーカー独自の規格を作り出したことで、それにより使えるクランクが制限されている状況だ。そして規格としては古いと言われるスレッド式だが、プレスフィット全盛期になっても、消えることなく確実にシェアを獲得し続けているにには意味があるのだ。

そもそもなぜ規格が乱立したのか、これは悪く言えばある意味覇権争いの結果といえる。つまりは互換性をなくし、自分たちのフレームやコンポーネントを使わせるための”縄張り争い”なのである。正直巻き込まれたユーザー側にとってははた迷惑な話であり、よく規格を間違ってしまったものを買ってしまい使えなかったという話を耳にする。


『結局原点回帰するのが世の常、いいものはやはりいいのだ (C)Retrobike』
昔はスレッド式(JIS/BSAとイタリアン)が主流だったために、様々なクランクがあっても共通のスクエアテーパーが共通であったために多くの互換性があり、様々なクランクを選ぶことが出来た。特にMTB全盛期の1980年台には多くの小さなコンポーネントメーカーがクランクを製作、カスタマイズといえば足元から、ということでクランク選びという楽しみが定番だった。

よくプレスフィットのほうが後発であるから、技術革新の証であり優れているという論調を聞くが、それは大きな間違いだ。ヘッドセットでも同様で、最新の規格が最も優れているとはいえないのだが、一般的にはそう勘違いしている人が多い。競輪を見ればわかるが、あれだけの負荷を与える競技で、最もオーソドックスな1インチスレッド式ヘッドセットとスレッド式BB、スクエアテーパーが規格として定められていることからわかるように、古い=劣るではなく、実際にはこの規格が今でも最も信頼性があるものであると言っても過言ではない。逆にコロコロ変わるそれ以外の規格は、そこまでの熟成度も信頼度も無い、と言っても過言ではない。そもそもプレスフィットは大口径化されたアルミやカーボンフレーム用(肉薄になったために溶接や接着面積の増加が必要だった)のに考えられた規格と言ってもよく、同じプレスフィット内でも規格が乱立する時点(BB30、BBright、PF30、PFBB86)で答えが見つけられていないのだ。それ以上に実はメーカー側としてはねじ切りをしていない”ただのパイプ”を使うことで一手間省ける、経費削減という都合の良さもあったのだ。


『パラゴンもエンデューロもきっちりと形にしてきた意味は大きい (C)Retrobike』

『クリスキングが動いたことは大きいだろう (C)Chris King』
しかしやはりここへ来て、その流れに待ったをかける声が上がった。すでにピナレロなどの一部メーカーは生産を全て昔ながらのスレッド式に戻しており、プレスフィットを見捨てる動きは始まっている。そしてホワイト・インダストリー、クリス・キング、エンデューロ、アルノーサイクル、エンジンサイクル、パラゴンマシーンワークスといったメーカーが共同で、T47という規格を登場させたのだ。これは簡単にいえば大口径化されたスレッド式であり、30ミリと24ミリ両方のスピンドルをもちろん使える規格である。

フレームビルダーのためのパーツを制作するパラゴンマシーンワークスはすでに今月末よりパーツ販売を開始する予定であり、多くのハンドメイドビルダーが採用するパラゴンマシーンワークスがその選択をしたことその影響は計り知れない。


『早くもT47搭載車両も登場 (C)Engin & WI』
そして何よりもこの規格を提案してきた上記のメーカーがこだわったのが、既存のプレスフィットユーザーのための対策としてPF30と同径にすることで、PF30ユーザーはショップでタップ(ネジ切り)をしてもらえれば、T47が使用できる仕様にしたことだ。またそれ専用のタッピングダイス(刃)も用意され、パークツールなどタッピングツールと組み合わせて使用できる。互換性を完全に無視する大手メーカーの不親切で独断極まりない勝手な"企画"づくりとは違い、さすがBBやクランクなどを作り続けてきた老舗中堅パーツメーカーが中心となっただけのことはある。そしてそれ以外の取り付け用ツールなどに関しても、できるかぎり既存のツールが流用できる方向で進められている。これこそがユーザー思いの開発というものだろう。

この規格が定着するかどうかを判断するにはまだまだ早すぎる。しかしコンポーネントづくりに特化した一流パーツメーカーが、あえてスレッド式を選択してきたことが、今後へ向けての一つの回答となりそうだ。

装着時点で割れるなどのトラブル報告もあり、何度か付け外しをすると馬鹿になると言われたプレスフィット(原則は一度嵌めたら交換はしない前提とされている)、パーツ交換などをしないのであればそれでいいかもしれないが、やはりメカ好きにとっては、カスタマイズの楽しみと、より精度が高いスレッド式を選択したいと思ってしまう。

H.Moulinette
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