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2013/9/15 13:25

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2013 第20ステージ

逆転目指し仕掛けまくるニーバリに対応、そしてニーバリを置き去りにした鉄人ホーナーがステージ2位で総合優勝を確定的に!ステージは若きフレンチマン、エリソンデが逃げ切りで大金星!


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ニーバリと健闘をたたえ合うホーナー
『ニーバリと健闘をたたえ合うホーナー ©Tim D.Waele』
最後の最後までわからない展開、そんな魔の山アングリル頂上決戦は、昨日マイヨ・ロホを失ったヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)の4度の激しい攻撃を耐えしのいだ鉄人クリス・ホーナー(レディオシャック・レオパード)が、一発の攻撃でニーバリを撃沈、置き去りにして見事ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝のタイトルをほぼ手中に収めた。最年長記録を次々と塗り替え続けた、もうすぐ42歳になる沖縄生まれの鉄人ホーナー、残るはマドリッドへのパレードステージを残すのみとなった。

自ら掴んだ最高の結果、この何気ないガッツポーズもベテランらしい - クリス・ホーナー(レディオシャック・レオパード)
『自ら掴んだ最高の結果、この何気ないガッツポーズもベテランらしい ©Tim D.Waele』
実質的な頂上決戦となったこのステージ、昨日の段階からすでに勝負は始まっていた。自信を口にするホーナーに対し、ニーバリはどこか気弱な発言を口にしていた。そしてこの日のステージではそれが露骨に現れた。雨が降ればホーナーがダンシングできなくなるので自分が有利になると語ったニーバリだが、魔の山アングリルはそんなニーバリに味方をしなかった。

徐々に霧が濃くなっては行くものの、路面は濡れてはいない。普段は冷静にライバル達に対処するニーバリだが、このステージではなんと残り6km以上を残していきなりの先制攻撃を仕掛ける。一旦はホーナーらとの差が広がるが、ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)、そしてアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)とともにホーナーはその差を詰めていく。そしてさらなるアタックを仕掛けるニーバリに、ホアキンとバルベルデは力尽きて脱落していく。しかしそれでも決してブレることなく淡々とダンシングを続けるホーナー、ニーバリにとってはどんなことをがあっても引き離せない悪夢のようだっただろう。

霧中の激走、ニーバリとのマッチバトルを見事に制す - クリス・ホーナー(レディオシャック・レオパード)
『霧中の激走、ニーバリとのマッチバトルを見事に制す ©Tim D.Waele』
4度のニーバリのアタックを耐えしのいだホーナーは、残り2kmで一気に加速していくと、あっという間にニーバリの視野から消え、霧の中へと消えていった。総合勝利を確信したホーナーは、ゴールラインで笑顔でガッツポーズをしてみせ、自らの結果を讃えた。これで遂にニーバリの年間グランツール2勝の夢はほぼ完全に潰えてしまった。マタドールと化したマイヨ・ロホのホーナーは、ひらりひらりとニーバリをかわし、見事にとどめを刺してみせた。

ホーナーは最後までライバルの上を行った。
『ホーナーは最後までライバルの上を行った。 ©Tim D.Waele』
「これは歴史的瞬間だね。僕自身が何を達成したかということははすぐに理解できたよ。なんといっても僕は大ベテランだからね。ただ素晴らしいね!間違いなく僕の選手生活で最高の結果だよ。実は達成した今でもまだ実感が無い部分もあるんだよ。とにかく皆に感謝だよ!」

「ニーバリは強かったね。それ以外にも素晴らしい戦歴を誇るバルベルデなど多くの超一流を倒せたことは凄いことなんだよね。間違いなく歴史的な瞬間だよね!これをもう一度やってみろと言われても二度と出来ないだろうね。このレースを楽しみにしてくれていた皆が楽しんでくれたなら何よりだよ!。」大ベテランは、エンターテイナーとしてのプロフェッショナリズムにも配慮できるほどの冷静さも持ち合わせていた。

ニーバリは最終的に脱落
『ニーバリは最終的に脱落 ©Tim D.Waele』
ニーバリは結局一度は置き去りにしたバルベルデにも追いつかれ、ステージ4位に沈んだが、総合では2位を死守してみせた。バルベルデは安定したマイペース走法で、気がつけばステージ3位、これで総合の表彰台を確定的とした。

そんな白熱した頂上決戦を制したのは、若干22歳のケニー・エリソンデ(FDJ.fr)だった。レース途中で飛び出して逃げを敢行した若きフレンチマンは、大きな貯金をアングリル到達までに築くと、タイムを失いながらも根性の走りを見せた。20%を超える難所の連続に蛇行しながらも歯を食いしばりながら懸命に走りきり、再難関ステージでの勝利という大金星をチームにもたらした。

まさかの難関ステージ制覇 - ケニー・エリソンデ(FDJ.fr)
『まさかの難関ステージ制覇 ©Tim D.Waele』
「逃げにもビッグネームがいたし、僕自身正直調子が良いと感じていなかったから難しいと思ったんだよ。アングリルはレース界の伝説、世界でも最難関の一つに数えられる山岳、そんなステージで勝利をあげられるなんて今朝起きた時には思いもしなかったよ。僕はピノーのアシストのつもりだったし、まさかこんな形で勝利できるとは思ってもいなかったよ。人生最高の瞬間だよ。」ビッグチャンスをものにしたエリソンデは笑顔でそう語った。

この日の戦略の差は明快だった。逃げに3人を送り込んだアスタナに対し、レディオシャック・レオパードはホーナーを守ることを選択した。通常は総合上位の選手が獲得することが多い山岳賞も、このブエルタでは思わぬ伏兵が連日逃げまくって獲得することが多い。そして今年そんな走りに徹したのはニコラス・エデ(コフィディス)だった。このステージでも逃げを敢行するときっちりとポイントを獲得し、山岳賞を確定させた。

また新たな選手が台頭 - ケニー・エリソンデ(FDJ.fr)
『また新たな選手が台頭 ©Tim D.Waele』
エリソンデとパオロ・ティーラロンゴ(アスタナ)の二人になった逃げに対し、後続の集団は総合最後の決戦を睨んだ各チームがペースアップをし、一気に集団は一握りほどにまで減っていく。そして単独になったエリソンデに対し、逃げていた面々はニーバリに合流しホーナーに対して数的優位を作った。しかし結局この作戦は全く機能せず、ホーナーの衰えない持続力と折れない気持ちにニーバリは屈してしまった。

今年のグランツールの中では間違いなく最も白熱した総合優勝争い、そして最後まで激戦もまたブエルタの特徴。ここ数年間違いなくブエルタはジロ、そしてツールに引けをとらないグランツールの名にふさわしい大会として、多くのファンを獲得しただろう。残るは1日、スペインの暑い夏はもうすぐ終りを迎える。

ブエルタ・ア・エスパーニャ 第20ステージ順位
1位 ケニー・エリソンデ(FDJ.fr)   3h55’36”
2位 クリス・ホーナー(レディオシャック・レオパード)   +26”  
3位 アレハンドロ・バルベルデ (モビスター)   +54”  
4位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)  
5位 アンドレ・フェルナンド・カルドソ(カハ・ルーラル)   
6位 ドミニク・ネルツ(BMC)    
7位 ホセ・ホァオ・メンデス(ネットアップ・エンデューラ)   +1’15”
8位 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)   +1’45”
9位 セルジュ・パウエルス(オメガファルマ・クイックステップ)   +1’52”  
10位 ティボー・ピノー(FDJ.fr)   +1’59”

ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 クリス・ホーナー(レディオシャック・レオパード)   81h52’01”
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)   +37”
3位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)   +1’36”
4位 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)   +3’22”
5位 ニコラス・ロッシュ(サクソ・ティンコフ)   +7’11”
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(AG2R)   +8’00”  
7位 ティボー・ピノー(FDJ.fr)    +8’41”
8位 サミュエル・サンチェス・ゴンザレス(エウスカルテル・エウスカディ)  +9’51”
9位 レオポルド・ケーニッヒ(ネットアップ・エンデューラ)  +10’11”
10位 ダニエル・モレーノ(カチューシャ)   +13’11”

H.Morine


ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第20ステージ フォトギャラリー
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ピックアップライダー

ケニー・エリッソンド
Kenny Elissonde
ケニー・エリッソンド
国籍
フランス
生年月日
1991.7.22
所属チーム
FDJ.FR
身長
169cm   
体重
52kg

ピックアップライダー

クリストファー・ホーナー
Christopher Horner
クリストファー・ホーナー
国籍
アメリカ合衆国
生年月日
1971.10.23
所属チーム
レディオシャック・レオパード・トレック
身長
179cm   
体重
66kg
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