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2012/6/2 7:38

Electric Component Vol.1

ロード用電動コンポはどこまで進化するか 〜其の壱 電動コンポの歴史


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今や当たり前になりつつある電動コンポーネント、つい昨日もシマノが新型Di2を発表した。機械式の新型デュラエース同様に11速化となり,さらなる進化を遂げている。そこで今一般に普及しつつある電動コンポに関して色々と考えてみようと思う。


『完成度は世界標準のシマノ』
そもそもロード用電動コンポーネントはいつ頃からあったのか?初めて本格的にレースシーンに登場したのはなんと1993年あのマビックが発売したMAVIC ZMS(ザップ・マビック・システム)が初めてだ。樹脂とチタンの何とも言えないコンビネーションで作られた有線式のこのシステムは厳密に言えば電動と言うよりは電子制御型で、内部のカムのみを電気で動かし、チェーンが駆動することにより変速していくというハイブリッド的な作りだった。グレッグ・レモンが最終日に大逆転でツール・ド・フランス制した際に使用していたのもこのシステムだ。電池はハンドル内に収まり、ドロップバーの下部を握っていても、上部を握っていても変速できるように、小さなシフトスイッチを2ヶ所に設置できるようになっている。ただし致命的な問題があり、防水対策が不十分で雨に弱いという欠点があった。また構造上出っ張りが大きく、落車で壊れるという難点もあった。その性能の低さとは裏腹に作動感はとても良く、私自身も未だに愛用しているが心地よく変速をしてくれる。


『電動への果敢な挑戦』
そしてこの問題点を克服して一発打開してやろうと満を持して1999年にマビックが次に送り込んできたのがメカトロニックだった。水が入る余地を排除し無線化したが、人間工学を駆使したシフターの形状が危険だとUCIからダメ出しをくらい、そしてメーカーの考えが甘く、都市部での電波の多さが災いして誤作動を頻発するという結果で失敗に終わった。またフロントは従来通りのワイヤー式であったことも中途半端であった。マビックはこの失敗が災いしてコンポーネントから手を引かざるをえない状況となってしまった。先見の目と独創性があっただけに残念だ。


『武器と言われたシフター』
そして遂にコンポーネントジャイアントのシマノが動いた。Di2システムで華麗に電動コンポーネントデビューを果たしたのだ。当初こそその性能や信頼性を疑う声もあったが、繰り返される実戦でのテストで、その信頼性は確たるものとなり、遂に一般向けの発売に至った。価格は驚くほど高く、またバッテリーが不恰好など不評もあったが、大方市場では歓迎され成功を収めた。

そしてシマノは電動をミドルグレードのアルテグラでも発表、電動コンポーネントシェアを着実に伸ばしている。


『老舗カンパらしさは健在』
しかしライバルメーカーも黙ってはおらず、コンポーネントの老舗カンパニョーロが電動コンポーネント、スーパーレコードEPSを対抗馬として送り出してきた。しかしながらスラムは未だに独自路線を貫き、電動に参入していない。3年ほど前に手の込んだエイプリル・フールで期待させたことはあったが、その後の展開はなかったようだ。現状での開発状況は極秘扱いのようで、どうなっているのかは不透明だ。シマノ、カンパニョーロとは常に一線を画した独自路線を貫くだけに期待をしてしまう。


『個性派のTISOの挑戦』
逆に小規模メーカーであるイタリアのティソ(TISO)が電動に積極的に取り組んで試作を繰り返しているあたりが面白い。なんと12速化を想定しており、無線式で年内に発売を予定しているという。しかもシフティングをiPhoneやスマホで出来るようにするらしい。職人気質の国であることを考れば、あり得ないと言えないところがまたイタリアンらしい。

H.Morine

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