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CYCLINGTIME.com

2011/7/13 16:00

BARRACUDA インプレッション

美しく輝く超軽量アルミ戦闘バイク


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BARRACUDAを初めて見るとこの透明感に見入ってしまう人も多いだろう。光り輝くそのフレームは、ポリッシュが流行った時代を経験した私が見ても、新鮮に映る程に光り輝いていた。

BARRACUDAのロゴには頭と尾びれが付いて、まさに魚の形をしている。さらにそのロゴは左右ともに頭が上を向くように反転しており、デザインのこだわり感じる。光が当たると細かなラメが入ったロゴが光り輝き非常に美しい。

BARRACUDAの完成車重量は8,2kg、開発者曰く『世界最軽量アルミフレーム』との事。その他のパーツはまだまだ軽量化出来る余地がありそうなので、世界最軽量のアルミフレームバイクに仕上げる事も実現可能だろう。

そして、この軽さが走りの軽さに繋がるのだが、そのお話はまた後ほど。

その他の特徴としては、ブレーキケーブルが内蔵されている。全体的に見た時に、すっきりした美しさがあるのはその恩恵だろう。また、シートポストにエアロ形状のカーボンポストが採用されている。フォーク、コラム共にカーボンを採用している所は、軽量化と快適さを狙っての事。また、トップチューブからシートステーに掛けての溶接跡も研磨されており、更にバイクの透明感を引き立たてている。あとは、上下異系のヘッド構造を採用。ヘッド周りの剛性感を上げている事で、高トルク型の選手のパワーにも対応出来るのだ。


試乗

BARRACUDAに乗ってみると、今までのFUJIバイクになかったジオメトリーで作られている事に気がついた。アジア人向けの作りになっているのだ。これにより、シートチューブでサイズを合わせても十分にステムが伸び、バイク本来の性能を楽しむ事が出来る。

ペダルを前に蹴り出し走り出すと、今までの20万円を切るバイクにない踏み出しの軽さを感じた。剛性感があり、踏んだ分だけ前に押し出されるような爽快感がある。久しぶりに全盛時代のアルミフレームの剛性ある走りを感じた。そして、そこに重量の軽さが加わり、気持ちよくリズミカルにバイクを振る事ができるのだ。

近年、アルミフレームといえば『安い』というイメージが定着しており、乗り味も快適さを求めてかあえて剛性を落としているフレームもある。しかし、BARRACUDAは10数年前のクロモリからアルミへ移行する時代の、クロモリには出せない魅力を押し出す為にひたすらに軽く!強く!と進んでいた時代のアルミフレームを彷彿とさせる。

当時の高剛性だけのアルミフレームと比べガチガチの乗り味の悪いバイクではなく、試乗した80kmの行程を難なく走る事が出来る程の快適さは持ち合わせている。これで、入れる所は入れて抜く所は抜くといったメリハリがしっかりと出来ているバイクである事が分かった。

他のバイクとの違い

走り出して少しすると、他のバイクと大きく違う『じゃじゃ馬』な点を発見。ハンドリングフィールが不安定さを感じる程に軽いのだ。安定したハンドリングのバイクが主流の中、BARRACUDAは飛び抜けてクイックな仕上がりである。

しかし、ここには『オーバーステアの中にこそ、安全性が存在する』という設計者の狙いとメッセージが隠されている。

乗り始めて20分程すると、その言葉の意味を理解した。不安定さはやがて、思い通りに動く運動性へと評価は変化した。

コーナリング時に、いつも以上にフロントのグリップ力を感じる。路面に対してタイヤがどれ位食いついているのか、それによってバイクをどれ位傾ければ良いのか、コーナーが急になってきた所で、あとどれ位グリップ力が残っているのか。

コーナー中に絶えず色々な情報が入って来て、それが気持ちのゆとりに繋がる。勿論、他のジオメトリーのバイクでも分かる事なのだが、それがいつも以上にバイクから伝わって来るのだ。

この感覚はロードバイクでは初めてだった。そしてそれを感じた時に、設計者のメッセージの意味を強く感じる事が出来たのだった。

BARRACUDAは障害物の多い街中走行にも向いているだろう。それくらいに、ハンドリングが楽で、思い通りに進んでくれる。

登坂力

集団走行のなかで試乗したが、丘に差し掛かった時に自然の流れでアタック合戦に突入した。最初2人が先行し、集団と10m程の差が開いた。そこで、単独で前を追う事にした。ギアを掛けて立ち上がりペダルを踏み込むと、踏み込んだ分だけ気持ち良くバイクが加速し、一気に前に進んだ。そのままリズム良くダンシングを続け加速し、前に追い付いた時点でシッティングに切り替えて2人の後ろについた。登坂時でも加速性の良さを感じた瞬間である。軽量なバイク故にその後もペースは崩れる事なく、最後まで登り切った。

カーボンフレームに勝るとも劣らない性能を、この短い登坂で感じた。

総評

試乗してみてのBARRACUDAの感想は、コンセプト通り、『アルミバイクでありながらカーボンバイクを喰う性能』を秘めているということ。同時にアルミの新たな可能性を感じた。そして、この性能でありながら価格がフレームセットが14万円という設定は驚くべき事で、担当者も頑張ったと胸を張る自信作である事が良く分かる。そして、更に驚くのはSHIMANO105を搭載した完成車価格が189,000円である事。計算が合わない価格設定だ。頑張れば買える価格帯で、本気で欲しいと思わせてくれたBARRACUDAに、そして20万円を切るバイクでも自転車を存分に楽しむ事が出来る可能性を提供し、実現してくれたFUJIに心から感謝する。

青空の下でBARRACUDAを走らせていると、トップチューブに青空が写り、まるで水の上を走っているような感覚に陥る。まさに魚に股がって走っているような。今年の夏は、光り輝くバイクとすれ違う機会が増えるかもしれない。

BARRACUDA バラクーダ

完成車
定価:189,000円→CTストア価格:171,000円(9%OFF)


フレームセット
定価:147,000円→CTストア価格:132,300円(10%OFF)


text:Daigoro Yamada

山田 大五朗(やまだ・だいごろう)
CYCLINGTIME.com スタッフ

高校卒業後フランスへ渡り、ロードチーム AVCA(アーベーセーアー)に所属。帰国後は種目をMTBに絞り活動を続け、2005年にTEAM FUKUSAYAを設立。2011年よりFUKUSAYA-FUJI-CYCLINGTIME.comという形での活動をスタートさせる。

主な戦績 : 2007〜2009年のMTB XCM 世界選手権3年連続出場、2007年XCMワールドカップ41位、2010年の白馬24時間耐久レース優勝など。
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