2010/3/19 10:07


自転車ロードレース最高峰のひとつ、春のクラシックのミラノ〜サンレモが第101回大会を迎える。同大会はクラシックの中でも特に古い歴史を有しており、記念碑的なレースという意味合いを込めて「モニュメント」と呼ばれている5つのレース、ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、ジロ・ディ・ロンバルディアのうちの1つとして知られている。
2010年のミラノ〜サンレモは昨年のコースから変更なく、298kmの長距離を走る。このレースはスタミナのテスト、さらには戦術的経験のテストでもあり、選手たちにサンレモの町へと下る超高速の終盤数kmに向けてパワーを温存することが要求される。
レースはミラノの中心でスタートし、サンレモの地中海を見渡せるルンゴマーレ・イタロ・カルヴィーノにゴールする。
ミラノ〜サンレモの歴史
204km地点過ぎのル・マニエの登りが、再び選手のスタミナを試すレースのキーポイントとなるだろう。海岸沿いを走る伝統的なカピの登りがゴール手前50km地点で始まり、ここで選手たちはゴールラインが近付くのを感じながら、緊張を高めていく。スプリンターは集団スプリントと勝利のチャンスを夢に描き始め、一方、強力なルーラーはゴールまでの単独逃げ切りを願ってアタックを見せ始めるだろう。ゴール手前25kmのチプレッサとサンレモを見渡すポッジオの登りは、ここ数年そういった多くのアタックが仕掛けられたポイントとなった。
ポッジオはゴールから非常に近いため、極めて重要な登りだ。下りの後はわずか3kmでゴールとなる。頂上付近は平坦に見えるが、高速で越えるのは極めて難しい。ここはアタックが多いエリアだ。その後、ポッジオは下るにつれて曲がりくねり、1992年にショーン・ケリー(アイルランド)がモレノ・アルゼンティン(イタリア)を捕まえて優勝したときのように、ダウンヒルスペシャリストがアタックを挑めるほどの難しい下りである。
スプリンターチームは、最後のストレート手前の最終コーナーまで集団をひとまとめにしようとするだろう。今年はカチューシャやリクイガスなど好調のスプリントスペシャリストがいないチームが、まさにスプリンターを脱落させるためにポッジオでペースを上げようとするはずだ。
毎年、ミラノ〜サンレモは伝統的なコースで争われる魅力的なレースで、今年も大きな興奮が期待される。
このレースのアイデアは、当初小さなカフェで考え出された。そこでガゼッタ紙のディレクター、エウジェニオ・コスタマグナは自分たちの街にイベントを誘致したいと熱望する地元政治家たちから相談を受けた。政治家たちは何度か興行を行なったが、観客を引きつけることはできず、新たなアイデアを探していたのだ。コスタマグナはミラノとサンレモの間を走る春の自転車ロードレースを提案した。それはフランスやベルギーですでに定着していたレースに対抗するイベントだった。
しかし、このアイデアには2つの問題があった。距離とルートだ。ミラノ〜サンレモ間の距離は290km以上で、レースは数々の丘を越えなければならず、早春の時期、そこは道路状況が悪いことが多かった。
コスタマグナはこれらの問題を考慮し、最初にイタリアのトッププロ自転車選手10人にこのルートを走るように要請することを決定。ライダーたちは1906年3月にミラノを出発し、疲れきってサンレモに到着したが、コースには夢中になっていた。こうして、ミラノ〜サンレモとして知られるようになったレースは生まれた。
1907年3月14日の日曜日、33人の選手がミラノのペデシーモ広場のスタートラインに現れた。ルールは厳しかった。補給食や他の装備品、自転車交換、技術チームのサポートは許可されなかったのだ。イタリア人トップ選手のほとんどが出場したが、コスタマグナはフランス人スター選手のルシアン・プティブルトン(ビアンキ所属)とギュスタヴ・ガリグーにも金を払って出場してもらい、レースに国際的な趣をもたらした。
レースは雨の中、早朝にスタートした。イタリア人優勝候補のジョヴァンニ・ジェルビ(ビアンキ)がレース90km地点で最初の大きなアタックを試みた。ジェルビは雨と泥の中を力走し、トゥルキノの登りを単独で駆け上がった。登りの直後、ジェルビはサヴォナ所属のガリグー、さらにビアンキのチームメイト、プティブルトンに捕まった。
ゴールまで残りわずか数km、プティブルトンがアタック。ガリグーはついていこうとしたが、彼のジャージはプティブルトンのチームメイト、ジェルビにつかまれた。ジェルビは2位に入ったが、後にこの事件のため3位に降格となった。
1960年には、ゴールの数km手前にポッジオの登りが導入され、1982年にはチプレッサが追加された。他の登り、カーポ・メーレ、カーポ・ベルタ、カーポ・チェルボは『カピ』と総称される。2008年から主催者は『ル・マニエ』も追加した。しかし、これらの登りがあるにもかかわらず、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTCコロンビア)がハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)にホイールひとつの差で勝った昨年のように、レースは集団スプリントで終わることがほとんだ。
ミラノ〜サンレモで過去最も活躍した選手はエディ・メルクス(ベルギー)である。メルクスはこのロマンティックなレースで驚異の7勝を挙げており、これはいまだに1レースでの最多勝記録として残っている。近年、最も活躍した選手はエリック・ツァベル(ドイツ、現在はカヴェンディッシュのスプリントコーチ)で、4勝を挙げており、5勝目にもほとんど手がかかっていた。2004年には勝利を喜ぶ腕を挙げるのが早すぎて、オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)に敗れたのだ。
ミラノ〜サンレモ史上最高の勝利は、間違いなくイタリアの名選手ファウスト・コッピのものである。1946年3月19日、コッピは1月1日からレース当日まで7,000km以上のトレーニングをし、このレースに向けてかなり真剣に調整していた。レース開始50km過ぎ、コッピはいつの間にか自分が突然アタックしているのに気づく。イタリアのラジオ解説者はコッピのアタックを「真の狂気」と表現した。コッピは最初の70kmは小集団と一緒に走っていたが、その後の登りで他の選手をひとりずつふるい落とし、ゴールまで約200kmを単独。2位の選手に14分差をつけて勝利を手にし、彼は伝説となった。
深く記憶に残る歴史を持つ美しく厳しいレース、ミラノ〜サンレモは正真正銘『クラシック』のタイトルにふさわしい。
ミラノ〜サンレモ 注目選手
スプリンターは伝統的にミラノ〜サンレモが大好きだ。長距離かつ小さな厳しい登りがいくつかあるが、通常は集団スプリントで1日が終わる。そこで真のスピードマンたちがフィナーレを支配するのだ。しかし、今年は逃げ集団がゴールラインに突入するのではないかという感覚がプロトン内にある。
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)は欠場が決定。エヴァンスは先日閉幕したティレーノ〜アドリアティコで総合3位で大会を終え、シーズン序盤の調子の良さをうかがわせたが、BMCレーシングは好調のエヴァンスではなくアレッサンドロ・バッラン(イタリア)をジョージ・ヒンカピー(アメリカ)、カールステン・クローン(オランダ)、マークス・ブルグハート(ドイツ)のリーダーとして出場させることを決めた。
カチューシャはロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)は出場せず、2006年の大会王者であるフィリッポ・ポッツァート(イタリア)に全てを賭ける。
ティレーノ最終ステージのゴールスプリントで7位に入った後、マキュアンは「今は疲れているけど、調子は上がってきているよ。」とコメント。また、「チームはポッツァートをエースとしてレースをスタートする。僕の次戦は来週の水曜日に開催されるドワーズ・ドア・フラーンデレンだ。」とツイッターに投稿している。
フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)は自身のブログで、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTCコロンビア、2009年優勝)はゴールまで『楽に』走ったと思っており、今年は他の選手たちが終盤の登りでより積極的になることを期待している。
「今年は状況が異なり、真のアタックが仕掛けられることを願っている。特にポッジオでね。2006年に僕が勝ったときは、そこでアタックして飛び出したんだ。例え他の誰も動かなくても、僕はひとりで行くよ。できるだけ多くのスプリンターを振り落とすためには何かをやらなければいけない。特にカヴェンディッシュやペタッキのような選手をね。そうすれば、ポッジオの下りの後は僕たちの間で決着をつけられるだろう」
さらにポッツァートは、アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシング)、フランチェスコ・ジナンニ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)、ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アクアエサポーネ)、フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)、トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)、ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)がアタックで合流することを望んでいる。そうすれば、力を合わせてスプリンターを倒すことができるからだ。
ミラノのスタートとサンレモのゴールは雨の予報で、最後のポッジオの丘の下りは大きく曲がるコーナーが多く、高速なので例年よりもっと厳しいゴールになるかもしれない。
ポッツァートはトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)の優勝を予想しており、「ティレーノでライバルたちを研究したけど、ボーネンとベンナーティの登りとスプリントが印象的だったね。トムはすごくいい調子で走っていたし、今年は彼がチプレッサとポッジオを越えてくると信じてるよ」と分析していた。
しかし、ボーネンは自ら勝利を狙うことを公言しつつ、ベンナーティを注意すべき男だと考えている。
「ここで勝つことは僕のキャリアにとって大事なことなんだ。サンレモはスプリント・レースだから、すごくハードな勝負になるとは思うけれど、やっぱりスプリントで決まるべきだと思ってる。ダニエーレ・ベンナーティは僕が挙げる最大の優勝候補だね。おそらくあまり期待されている名前じゃないけど、彼は激しい走りが得意だし、リクイガスもね。おそらく、リクイガスは僕たち(クイックステップ)と同じ作戦で走るだろう。長く、激しいレースで、サンレモは消耗した集団のスプリントになるね」
単独アタックに話を向けると、2008年大会のラスト2kmで先頭集団から終盤のアタックを決めたカンチェラーラが最後の単独逃げ切り勝者である。カンチェラーラはいい走りを見せているし、ぴったりのタイミングで調子を上げている。そして、もしラスト数kmで彼が残っていれば、大きなチャンスがあるだろう。
カヴェンディッシュはゼッケン1番をつけるが、2連勝のチャンスはほとんどないと認めていた。つまり、チームHTCコロンビアはアタックをコントロールする役割を果たさないことになる。しかし、ボーネンはまだカヴェンディッシュにはチャンスがあると考えている。
「カヴェンディッシュも優勝の可能性はあると思うよ。でもまだ少し調子を上げないといけないけどね」
スプリンターのため終盤をコントロールする責任はクイックステップ、リクイガス・ドイモ、ランプレ・ファルネーゼヴィニ、サーヴェロ・テストチーム、ガーミン・トランジションズ、ラボバンクに移ることになる。彼らがそれぞれボーネン、ベンナーティ、ペタッキ、トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)、タイラー・フェラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)、オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)のために走るからだ。集団スプリントになれば、これらの選手全員にチャンスがあるだろう。
チームスカイはエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー)とフアンアントニオ・フレチャ(スペイン)の2人のエースを立てレースに臨む。
現在22歳のボアッソンは昨年同大会に初出場し、当時チームメイトだったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が優勝を決めた。彼はティレーノの終盤、好調な走りを見せ最終ステージを制し、昨年のヘント〜ウェヴェルヘムでも優勝している。彼にはどんなレースでも勝てるスプリント力があり、単独逃げ切り勝利を目指して飛び出せる強さもあるが、約300km走るこのレースで彼のスタミナに疑問が残る。もう1人のリーダーとなるフレチャも2月末に行われたオンループ・ヘット・ニュースブラッドで優勝を飾っており、好調さを証明した。
ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)の存在は、このレースにあらたな一面を加える。昨年、アームストロングはメイン集団でゴールした。チプレッサで脱落し、カヴェンディッシュからは8分19秒遅れだった。彼はひとつ年をとったにもかかわらず体調はよさそうで、おそらく終盤で一役買うかもしれない。また、ヴィノクロフも注意しなければならない。彼は多くのことを証明しなければいけないし、ラスト数kmでファクターとなるだろう。
最後にジルベールだ。彼は絶好調ではないだろうが、昨年秋のパリ〜トゥールとジロ・ディ・ロンバルディアでの優勝の後、クラシックでの成功を続けたいと考えているため、勝利へのモチベーションは高い。
最高のレースになるはずだ!今後のニュースをお見逃しなく!
text:Lee Rodgers, Valentino Sebic and Maki Terao
translation:Tatsuya Mitsuishi & Aya Moriyoshi
photo:(c)Tim De Waele & Maki Terao


ミラノ〜サンレモ2010 レースプレビュー
伝統あるワンデークラシック「プリマヴェーラ」
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| 『ミラノ〜サンレモ2010ルートマップ』 |
2010年のミラノ〜サンレモは昨年のコースから変更なく、298kmの長距離を走る。このレースはスタミナのテスト、さらには戦術的経験のテストでもあり、選手たちにサンレモの町へと下る超高速の終盤数kmに向けてパワーを温存することが要求される。
レースはミラノの中心でスタートし、サンレモの地中海を見渡せるルンゴマーレ・イタロ・カルヴィーノにゴールする。
ミラノ〜サンレモの歴史
204km地点過ぎのル・マニエの登りが、再び選手のスタミナを試すレースのキーポイントとなるだろう。海岸沿いを走る伝統的なカピの登りがゴール手前50km地点で始まり、ここで選手たちはゴールラインが近付くのを感じながら、緊張を高めていく。スプリンターは集団スプリントと勝利のチャンスを夢に描き始め、一方、強力なルーラーはゴールまでの単独逃げ切りを願ってアタックを見せ始めるだろう。ゴール手前25kmのチプレッサとサンレモを見渡すポッジオの登りは、ここ数年そういった多くのアタックが仕掛けられたポイントとなった。
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ポッジオはゴールから非常に近いため、極めて重要な登りだ。下りの後はわずか3kmでゴールとなる。頂上付近は平坦に見えるが、高速で越えるのは極めて難しい。ここはアタックが多いエリアだ。その後、ポッジオは下るにつれて曲がりくねり、1992年にショーン・ケリー(アイルランド)がモレノ・アルゼンティン(イタリア)を捕まえて優勝したときのように、ダウンヒルスペシャリストがアタックを挑めるほどの難しい下りである。
スプリンターチームは、最後のストレート手前の最終コーナーまで集団をひとまとめにしようとするだろう。今年はカチューシャやリクイガスなど好調のスプリントスペシャリストがいないチームが、まさにスプリンターを脱落させるためにポッジオでペースを上げようとするはずだ。
毎年、ミラノ〜サンレモは伝統的なコースで争われる魅力的なレースで、今年も大きな興奮が期待される。
このレースのアイデアは、当初小さなカフェで考え出された。そこでガゼッタ紙のディレクター、エウジェニオ・コスタマグナは自分たちの街にイベントを誘致したいと熱望する地元政治家たちから相談を受けた。政治家たちは何度か興行を行なったが、観客を引きつけることはできず、新たなアイデアを探していたのだ。コスタマグナはミラノとサンレモの間を走る春の自転車ロードレースを提案した。それはフランスやベルギーですでに定着していたレースに対抗するイベントだった。
しかし、このアイデアには2つの問題があった。距離とルートだ。ミラノ〜サンレモ間の距離は290km以上で、レースは数々の丘を越えなければならず、早春の時期、そこは道路状況が悪いことが多かった。
コスタマグナはこれらの問題を考慮し、最初にイタリアのトッププロ自転車選手10人にこのルートを走るように要請することを決定。ライダーたちは1906年3月にミラノを出発し、疲れきってサンレモに到着したが、コースには夢中になっていた。こうして、ミラノ〜サンレモとして知られるようになったレースは生まれた。
1907年3月14日の日曜日、33人の選手がミラノのペデシーモ広場のスタートラインに現れた。ルールは厳しかった。補給食や他の装備品、自転車交換、技術チームのサポートは許可されなかったのだ。イタリア人トップ選手のほとんどが出場したが、コスタマグナはフランス人スター選手のルシアン・プティブルトン(ビアンキ所属)とギュスタヴ・ガリグーにも金を払って出場してもらい、レースに国際的な趣をもたらした。
レースは雨の中、早朝にスタートした。イタリア人優勝候補のジョヴァンニ・ジェルビ(ビアンキ)がレース90km地点で最初の大きなアタックを試みた。ジェルビは雨と泥の中を力走し、トゥルキノの登りを単独で駆け上がった。登りの直後、ジェルビはサヴォナ所属のガリグー、さらにビアンキのチームメイト、プティブルトンに捕まった。
ゴールまで残りわずか数km、プティブルトンがアタック。ガリグーはついていこうとしたが、彼のジャージはプティブルトンのチームメイト、ジェルビにつかまれた。ジェルビは2位に入ったが、後にこの事件のため3位に降格となった。
1960年には、ゴールの数km手前にポッジオの登りが導入され、1982年にはチプレッサが追加された。他の登り、カーポ・メーレ、カーポ・ベルタ、カーポ・チェルボは『カピ』と総称される。2008年から主催者は『ル・マニエ』も追加した。しかし、これらの登りがあるにもかかわらず、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTCコロンビア)がハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ・テストチーム)にホイールひとつの差で勝った昨年のように、レースは集団スプリントで終わることがほとんだ。
ミラノ〜サンレモで過去最も活躍した選手はエディ・メルクス(ベルギー)である。メルクスはこのロマンティックなレースで驚異の7勝を挙げており、これはいまだに1レースでの最多勝記録として残っている。近年、最も活躍した選手はエリック・ツァベル(ドイツ、現在はカヴェンディッシュのスプリントコーチ)で、4勝を挙げており、5勝目にもほとんど手がかかっていた。2004年には勝利を喜ぶ腕を挙げるのが早すぎて、オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)に敗れたのだ。
ミラノ〜サンレモ史上最高の勝利は、間違いなくイタリアの名選手ファウスト・コッピのものである。1946年3月19日、コッピは1月1日からレース当日まで7,000km以上のトレーニングをし、このレースに向けてかなり真剣に調整していた。レース開始50km過ぎ、コッピはいつの間にか自分が突然アタックしているのに気づく。イタリアのラジオ解説者はコッピのアタックを「真の狂気」と表現した。コッピは最初の70kmは小集団と一緒に走っていたが、その後の登りで他の選手をひとりずつふるい落とし、ゴールまで約200kmを単独。2位の選手に14分差をつけて勝利を手にし、彼は伝説となった。
深く記憶に残る歴史を持つ美しく厳しいレース、ミラノ〜サンレモは正真正銘『クラシック』のタイトルにふさわしい。
ミラノ〜サンレモ 注目選手
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| 『良いライバル関係のトム・ボーネン(ベルギー、 クイックステップ)とフィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)がガッチリ握手』 |
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)は欠場が決定。エヴァンスは先日閉幕したティレーノ〜アドリアティコで総合3位で大会を終え、シーズン序盤の調子の良さをうかがわせたが、BMCレーシングは好調のエヴァンスではなくアレッサンドロ・バッラン(イタリア)をジョージ・ヒンカピー(アメリカ)、カールステン・クローン(オランダ)、マークス・ブルグハート(ドイツ)のリーダーとして出場させることを決めた。
カチューシャはロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)は出場せず、2006年の大会王者であるフィリッポ・ポッツァート(イタリア)に全てを賭ける。
ティレーノ最終ステージのゴールスプリントで7位に入った後、マキュアンは「今は疲れているけど、調子は上がってきているよ。」とコメント。また、「チームはポッツァートをエースとしてレースをスタートする。僕の次戦は来週の水曜日に開催されるドワーズ・ドア・フラーンデレンだ。」とツイッターに投稿している。
フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)は自身のブログで、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTCコロンビア、2009年優勝)はゴールまで『楽に』走ったと思っており、今年は他の選手たちが終盤の登りでより積極的になることを期待している。
「今年は状況が異なり、真のアタックが仕掛けられることを願っている。特にポッジオでね。2006年に僕が勝ったときは、そこでアタックして飛び出したんだ。例え他の誰も動かなくても、僕はひとりで行くよ。できるだけ多くのスプリンターを振り落とすためには何かをやらなければいけない。特にカヴェンディッシュやペタッキのような選手をね。そうすれば、ポッジオの下りの後は僕たちの間で決着をつけられるだろう」
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| 『シーズンイン後、調子の良いダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス・ドイモ)』 |
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| 『2008年大会の覇者ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)』 |
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| 『不調が続いている前大会の優勝者マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTCコロンビア)』 |
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| 『チームスカイ移籍後すでに数々の好成績を収めているエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)』 |
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| 『昨年よりも調子が良いというランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)の走りにも注目したい』 |
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| 『フィリップ・ジルベール(ベルギー、 オメガファーマ・ロット)は今季初勝利をサンレモで飾れるだろうか?』 |
ミラノのスタートとサンレモのゴールは雨の予報で、最後のポッジオの丘の下りは大きく曲がるコーナーが多く、高速なので例年よりもっと厳しいゴールになるかもしれない。
ポッツァートはトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)の優勝を予想しており、「ティレーノでライバルたちを研究したけど、ボーネンとベンナーティの登りとスプリントが印象的だったね。トムはすごくいい調子で走っていたし、今年は彼がチプレッサとポッジオを越えてくると信じてるよ」と分析していた。
しかし、ボーネンは自ら勝利を狙うことを公言しつつ、ベンナーティを注意すべき男だと考えている。
「ここで勝つことは僕のキャリアにとって大事なことなんだ。サンレモはスプリント・レースだから、すごくハードな勝負になるとは思うけれど、やっぱりスプリントで決まるべきだと思ってる。ダニエーレ・ベンナーティは僕が挙げる最大の優勝候補だね。おそらくあまり期待されている名前じゃないけど、彼は激しい走りが得意だし、リクイガスもね。おそらく、リクイガスは僕たち(クイックステップ)と同じ作戦で走るだろう。長く、激しいレースで、サンレモは消耗した集団のスプリントになるね」
単独アタックに話を向けると、2008年大会のラスト2kmで先頭集団から終盤のアタックを決めたカンチェラーラが最後の単独逃げ切り勝者である。カンチェラーラはいい走りを見せているし、ぴったりのタイミングで調子を上げている。そして、もしラスト数kmで彼が残っていれば、大きなチャンスがあるだろう。
カヴェンディッシュはゼッケン1番をつけるが、2連勝のチャンスはほとんどないと認めていた。つまり、チームHTCコロンビアはアタックをコントロールする役割を果たさないことになる。しかし、ボーネンはまだカヴェンディッシュにはチャンスがあると考えている。
「カヴェンディッシュも優勝の可能性はあると思うよ。でもまだ少し調子を上げないといけないけどね」
スプリンターのため終盤をコントロールする責任はクイックステップ、リクイガス・ドイモ、ランプレ・ファルネーゼヴィニ、サーヴェロ・テストチーム、ガーミン・トランジションズ、ラボバンクに移ることになる。彼らがそれぞれボーネン、ベンナーティ、ペタッキ、トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)、タイラー・フェラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)、オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)のために走るからだ。集団スプリントになれば、これらの選手全員にチャンスがあるだろう。
チームスカイはエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー)とフアンアントニオ・フレチャ(スペイン)の2人のエースを立てレースに臨む。
現在22歳のボアッソンは昨年同大会に初出場し、当時チームメイトだったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が優勝を決めた。彼はティレーノの終盤、好調な走りを見せ最終ステージを制し、昨年のヘント〜ウェヴェルヘムでも優勝している。彼にはどんなレースでも勝てるスプリント力があり、単独逃げ切り勝利を目指して飛び出せる強さもあるが、約300km走るこのレースで彼のスタミナに疑問が残る。もう1人のリーダーとなるフレチャも2月末に行われたオンループ・ヘット・ニュースブラッドで優勝を飾っており、好調さを証明した。
ランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)の存在は、このレースにあらたな一面を加える。昨年、アームストロングはメイン集団でゴールした。チプレッサで脱落し、カヴェンディッシュからは8分19秒遅れだった。彼はひとつ年をとったにもかかわらず体調はよさそうで、おそらく終盤で一役買うかもしれない。また、ヴィノクロフも注意しなければならない。彼は多くのことを証明しなければいけないし、ラスト数kmでファクターとなるだろう。
最後にジルベールだ。彼は絶好調ではないだろうが、昨年秋のパリ〜トゥールとジロ・ディ・ロンバルディアでの優勝の後、クラシックでの成功を続けたいと考えているため、勝利へのモチベーションは高い。
最高のレースになるはずだ!今後のニュースをお見逃しなく!
text:Lee Rodgers, Valentino Sebic and Maki Terao
translation:Tatsuya Mitsuishi & Aya Moriyoshi
photo:(c)Tim De Waele & Maki Terao
1 コメンテーター: ittigo コメント日: 2010/03/19 11:33:53
ションケリーのサンレモの勝利を紹介するなんて 通やね、、「計算外」やったアルゼンティン唯一の大きな失敗。。
デュランのロンドの勝利や、バレリーニが騙されて2位に沈んだディクロラッサルのパリルーべの勝利、、
この時期のクラッシックは 職人的な選手が多く 面白いのが多かった。。
2 コメンテーター: kirin コメント日: 2010/03/20 07:43:36
twitterの別府選手のつぶやきによると、ランスの代わりに別府選手が出場するようです。今から楽しみです。







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