2010/1/24 23:19


序盤からアタック合戦が繰り広げられる中、ラスト2km先頭に躍り出たのがチームスカイ。
ラストスプリントを制して、一週間前の『デジャブ』かと思わせるワンツー・フィニッシュ。しかし今回は順位が入れ替わり、地元オーストラリア人ライダー、クリストファー・サットンが栄えあるファイナル・ステージ優勝を飾った。「信じられないよ。チームワークの賜物だ。リードアウトが完璧にうまくいった!」
総合順位トップのアンドレ・グライペル(チームHTCコロンビア、ドイツ)はタイム差を守り切り、期間中、一度もオレンジ色のジャージを手放すことのないまま、完全優勝を果たした。「とてもうれしいよ。チームのためにもハッピーだ。彼らはこの1週間、本当に良い仕事をしてくれたからね。」
真夏の太陽が輝くアレデード。市中心部に設えられたサーキットの沿道には、大勢の観衆が詰めかけている。
スタート開始と同時に、アタックのオンパレード。今大会ほぼ全ステージでアタックを試みたお馴染みのUniSAオーストラリアやエウスカルテル・エウスカディのライダーたちや、リクイガス勢がワンチャンスに賭けては集団に飲み込まれてゆく。
何度かアタックを繰り返して、積極的なレースを見せるのがアンドリー・グリフコ(アスタナ、ウクライナ)。
BMCレーシングのマルティン・コーラー(スイス)も果敢にチャレンジを繰り返し、UniSAオーストラリアのローハン・デニス(オーストラリア)、後から加わったマルティン・エルミガー(アージェードゥーゼル、スイス)と3人で集団からわずかにリードを奪う。サクソバンクのイェンス・フォイクト(ドイツ)やホセイバン・グティエレス(ケースデパーニュ、スペイン)らも加わり、9人の逃げグループが形成されるが、チームHTCコロンビア軍団が集団をペースアップして9人を引き戻した。
36km地点の最初のスプリントポイントを前に、集団先頭の動きが活発になる。サクソバンク勢や、ロバート・ハンター(ガーミントランジションズ、サウスアフリカ)も上がり、グレゴリー・ヘンダーソン(チームスカイ、ニュージーランド)、ロビー・バーデン・クック(サクソバンク、オーストラリア)の順に通過、ボーナスポイントをゲットする。
途中の緩やかな登り坂に設定された山岳ポイントは10周目と16周目。最初の通過点をミカエル・シュレル(フランセーズデジュー、フランス)、ワレーリー・ドミトリエフ(アスタナ、カザフスタン)、トーマス・ローレッガー(チームミルラム、ドイツ)が制し、ローレッガーが総合2位のドミトリエフに26ポイント差をつける圧勝で今大会の山岳賞を獲得した。
14周目でアタックしたトレント・ロウ(ガーミントランジションズ、オーストラリア)、ウェズリー・サルツバーガー(フランセーズデジュー、オーストラリア)、ファビオ・サバティーニ(リクイガス、イタリア)の3人が、クリアなリードを奪う。4周を残して集団との差は47秒。
総合順位でグライペルから39秒差のサルツバーガーは、この時点で暫定首位。現在23歳のサルツバーガーは2007年の世界選手権のU23カテゴリーで準優勝、2008年のツール・オブ・ジャパンではステージ優勝の経験もある期待の若手ライダーだ。
しかしその地点を境に、集団も本気でチェイスを開始。差はみるみる縮まり出す。アスタナが積極的に集団の先頭を牽き、レディオシャックとサクソバンクも協力体制でペースアップ。続いてチームHTCコロンビア、チームスカイも先頭に躍り出てきた。
ラスト1周を告げるゴングは、わずかなリードを保って通過した3人だったが、ゴールまであと2.5kmを残した地点で、大集団は無情にも彼らを飲み込んだ。
集団先頭は、チームスカイ5人のトレイン、その後ろにラボバンクがつき、HTCコロンビアもグライペルを誘導する。グライペルの後輪にぴったりついているのはロビー・マキュアン(カチューシャ、オーストラリア)。
ラストスプリントの幕が落ちた。チームスカイのトレインから一人ずつ発射、残る2人はクリストファー・サットンとグレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド)。
ちょうど一週間前のクリテリウムでは、フィニッシュライン一歩手前でリーダーのヘンダーソンを先に行かせたサットンだったが、今回は一切後ろを振り返らず、一心不乱にゴールに突進。 ライバル達が後ろから覆いかぶさってくる中、サットンが車輪差でゴールをくぐった。
地元の観衆の大声援の中、「ワォ〜〜!」と歓喜の雄たけびを上げてウィニングラン。両手こぶしを何度も天に突き上げて、サットンはうれしさを爆発させた。
2番手のヘンダーソンは、実はサットンのリードアウトで自分が最後にアタックするつもりだったことをレース後に明かした。
サットンがなかなか発射しなかったために、スパートのタイミングを逃し、「一瞬、クリスが何をしようとしているのかわからなかった。あっという間に他のライダーに挟まれて一瞬遅れをとりかけたが、幸いまだ足が残っていたから、抜き返せたよ。」と軽い驚きとともに話したが、チームの優勝には素直に喜びを表した。
3位はラボバンクのグレーム・ブラウン(オーストラリア)。そして「飛び出すタイミングさえちゃんと計算しておけば、グライペルを刺すことはできる」とレース前に話していたマキューンが、グライペルの一歩手前の4位でゴール。総合順位でも4位に入り、完全復帰をアピールした。
グライペル以下は、前日にステージ優勝したルイスレオン・サンチェス(ケースデパーニュ、スペイン)が総合2位、チームスカイのグレゴリー・ヘンダーソンが3位に入賞。初戦のクリテリウムと最終戦でステージ優勝を飾り、新生チームスカイは初レースで強烈な印象を残した。
同じく、チーム結成後今回が初レースとなったレディオシャックでは、首位から1分3秒遅れで25位のランス・アームストロングが最高位。ヨハン・ブリュイネール監督は「毎ステージ、目標を立てて今回のレースに取り組んだ。達成できない日もあったが、ライダー全員がベストを尽くした。まだこれは初戦。十分な手ごたえがあったと評価できる。」と今大会を振り返った。
今回も抜群のチームワークを見せたチームHTCコロンビア。しかし「俺たちのリードアウトトレインが最強」と自負するチームスカイ勢も、ラストスプリントでの強さを見せつけた。リードアウトにかけては、昨季は独壇場だった感のあるコロンビアだが、今季は強力ライバルが出現。観る者にとっては、また新しい楽しみが増えた。
ヤングライダー賞を獲得したユルゲン・ルーランズ(オメガファーマロット、ベルギー)ら、優秀な若手ライダーたちも続々と頭角を現してきた。
今季もエキサイティングなシーズンになりそうな期待を抱かせて、真っ青な青空の下、プロツール初戦ツール・ダウンアンダーは、華やかに幕を閉じた。
2位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、チームスカイ)
3位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
4位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
5位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTCコロンビア)
6位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)
7位 マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTCコロンビア)
8位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)
9位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、レディオシャック)
10位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
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2位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ) +11"
3位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、チームスカイ) +15"
4位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ) +17"
5位 ルーク・ロバーツ(オーストラリア、チームミルラム)
6位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング) +21"
7位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ) +25"
8位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +26"
9位 ロバート・ハンター(南アフリカ、ガーミン・スリップストリーム)
10位 マルクス・フォーテン(ドイツ、チームミルラム) +27"
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ツアー・ダウンアンダー2010 第6ステージ グラフィックス
text:Yuki Ogawa
photo:(c)Tim De Waele


ツアー・ダウンアンダー2010 第6ステージ
またしてもワンツー・フィニッシュ!初戦とラストをチームスカイが飾る
序盤からアタック合戦が繰り広げられる中、ラスト2km先頭に躍り出たのがチームスカイ。
ラストスプリントを制して、一週間前の『デジャブ』かと思わせるワンツー・フィニッシュ。しかし今回は順位が入れ替わり、地元オーストラリア人ライダー、クリストファー・サットンが栄えあるファイナル・ステージ優勝を飾った。「信じられないよ。チームワークの賜物だ。リードアウトが完璧にうまくいった!」
総合順位トップのアンドレ・グライペル(チームHTCコロンビア、ドイツ)はタイム差を守り切り、期間中、一度もオレンジ色のジャージを手放すことのないまま、完全優勝を果たした。「とてもうれしいよ。チームのためにもハッピーだ。彼らはこの1週間、本当に良い仕事をしてくれたからね。」
真夏の太陽が輝くアレデード。市中心部に設えられたサーキットの沿道には、大勢の観衆が詰めかけている。
スタート開始と同時に、アタックのオンパレード。今大会ほぼ全ステージでアタックを試みたお馴染みのUniSAオーストラリアやエウスカルテル・エウスカディのライダーたちや、リクイガス勢がワンチャンスに賭けては集団に飲み込まれてゆく。
何度かアタックを繰り返して、積極的なレースを見せるのがアンドリー・グリフコ(アスタナ、ウクライナ)。
BMCレーシングのマルティン・コーラー(スイス)も果敢にチャレンジを繰り返し、UniSAオーストラリアのローハン・デニス(オーストラリア)、後から加わったマルティン・エルミガー(アージェードゥーゼル、スイス)と3人で集団からわずかにリードを奪う。サクソバンクのイェンス・フォイクト(ドイツ)やホセイバン・グティエレス(ケースデパーニュ、スペイン)らも加わり、9人の逃げグループが形成されるが、チームHTCコロンビア軍団が集団をペースアップして9人を引き戻した。
36km地点の最初のスプリントポイントを前に、集団先頭の動きが活発になる。サクソバンク勢や、ロバート・ハンター(ガーミントランジションズ、サウスアフリカ)も上がり、グレゴリー・ヘンダーソン(チームスカイ、ニュージーランド)、ロビー・バーデン・クック(サクソバンク、オーストラリア)の順に通過、ボーナスポイントをゲットする。
途中の緩やかな登り坂に設定された山岳ポイントは10周目と16周目。最初の通過点をミカエル・シュレル(フランセーズデジュー、フランス)、ワレーリー・ドミトリエフ(アスタナ、カザフスタン)、トーマス・ローレッガー(チームミルラム、ドイツ)が制し、ローレッガーが総合2位のドミトリエフに26ポイント差をつける圧勝で今大会の山岳賞を獲得した。
14周目でアタックしたトレント・ロウ(ガーミントランジションズ、オーストラリア)、ウェズリー・サルツバーガー(フランセーズデジュー、オーストラリア)、ファビオ・サバティーニ(リクイガス、イタリア)の3人が、クリアなリードを奪う。4周を残して集団との差は47秒。
総合順位でグライペルから39秒差のサルツバーガーは、この時点で暫定首位。現在23歳のサルツバーガーは2007年の世界選手権のU23カテゴリーで準優勝、2008年のツール・オブ・ジャパンではステージ優勝の経験もある期待の若手ライダーだ。
しかしその地点を境に、集団も本気でチェイスを開始。差はみるみる縮まり出す。アスタナが積極的に集団の先頭を牽き、レディオシャックとサクソバンクも協力体制でペースアップ。続いてチームHTCコロンビア、チームスカイも先頭に躍り出てきた。
ラスト1周を告げるゴングは、わずかなリードを保って通過した3人だったが、ゴールまであと2.5kmを残した地点で、大集団は無情にも彼らを飲み込んだ。
集団先頭は、チームスカイ5人のトレイン、その後ろにラボバンクがつき、HTCコロンビアもグライペルを誘導する。グライペルの後輪にぴったりついているのはロビー・マキュアン(カチューシャ、オーストラリア)。
ラストスプリントの幕が落ちた。チームスカイのトレインから一人ずつ発射、残る2人はクリストファー・サットンとグレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド)。
ちょうど一週間前のクリテリウムでは、フィニッシュライン一歩手前でリーダーのヘンダーソンを先に行かせたサットンだったが、今回は一切後ろを振り返らず、一心不乱にゴールに突進。 ライバル達が後ろから覆いかぶさってくる中、サットンが車輪差でゴールをくぐった。
地元の観衆の大声援の中、「ワォ〜〜!」と歓喜の雄たけびを上げてウィニングラン。両手こぶしを何度も天に突き上げて、サットンはうれしさを爆発させた。
2番手のヘンダーソンは、実はサットンのリードアウトで自分が最後にアタックするつもりだったことをレース後に明かした。
サットンがなかなか発射しなかったために、スパートのタイミングを逃し、「一瞬、クリスが何をしようとしているのかわからなかった。あっという間に他のライダーに挟まれて一瞬遅れをとりかけたが、幸いまだ足が残っていたから、抜き返せたよ。」と軽い驚きとともに話したが、チームの優勝には素直に喜びを表した。
3位はラボバンクのグレーム・ブラウン(オーストラリア)。そして「飛び出すタイミングさえちゃんと計算しておけば、グライペルを刺すことはできる」とレース前に話していたマキューンが、グライペルの一歩手前の4位でゴール。総合順位でも4位に入り、完全復帰をアピールした。
グライペル以下は、前日にステージ優勝したルイスレオン・サンチェス(ケースデパーニュ、スペイン)が総合2位、チームスカイのグレゴリー・ヘンダーソンが3位に入賞。初戦のクリテリウムと最終戦でステージ優勝を飾り、新生チームスカイは初レースで強烈な印象を残した。
同じく、チーム結成後今回が初レースとなったレディオシャックでは、首位から1分3秒遅れで25位のランス・アームストロングが最高位。ヨハン・ブリュイネール監督は「毎ステージ、目標を立てて今回のレースに取り組んだ。達成できない日もあったが、ライダー全員がベストを尽くした。まだこれは初戦。十分な手ごたえがあったと評価できる。」と今大会を振り返った。
今回も抜群のチームワークを見せたチームHTCコロンビア。しかし「俺たちのリードアウトトレインが最強」と自負するチームスカイ勢も、ラストスプリントでの強さを見せつけた。リードアウトにかけては、昨季は独壇場だった感のあるコロンビアだが、今季は強力ライバルが出現。観る者にとっては、また新しい楽しみが増えた。
ヤングライダー賞を獲得したユルゲン・ルーランズ(オメガファーマロット、ベルギー)ら、優秀な若手ライダーたちも続々と頭角を現してきた。
今季もエキサイティングなシーズンになりそうな期待を抱かせて、真っ青な青空の下、プロツール初戦ツール・ダウンアンダーは、華やかに幕を閉じた。
第6ステージ 結果
1位 クリストファー・サットン(オーストラリア、チームスカイ) 1h53'20"2位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、チームスカイ)
3位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
4位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
5位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTCコロンビア)
6位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)
7位 マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTCコロンビア)
8位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)
9位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、レディオシャック)
10位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
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最終総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTCコロンビア) 18h47'05"2位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ) +11"
3位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、チームスカイ) +15"
4位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ) +17"
5位 ルーク・ロバーツ(オーストラリア、チームミルラム)
6位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング) +21"
7位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ) +25"
8位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +26"
9位 ロバート・ハンター(南アフリカ、ガーミン・スリップストリーム)
10位 マルクス・フォーテン(ドイツ、チームミルラム) +27"
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個人総合ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTCコロンビア)→一覧
個人総合山岳賞
トーマス・ローレッガー(オーストリア、チームミルラム)→一覧
個人総合新人賞
ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)→一覧
チーム総合成績
アージェードゥーゼル→一覧
ツアー・ダウンアンダー2010 第6ステージ グラフィックス
text:Yuki Ogawa
photo:(c)Tim De Waele
1 コメンテーター: chari-cafe-malibu コメント日: 2010/01/26 10:52:33
日本では今ひとつ盛りあっていませんが、プロツアー初戦の内容としては良かったんではないでしょうか。各チームの今シーズン体制もわかり、有望な新人選手の活躍や、地元オーストラリア人選手たちの奮闘、スター選手たちも見せ場を作るなど、ツアーダウンアンダーは年々拡大傾向のように思います。
今年オーストラリアでの世界選手権でまたオーストラリア人選手が勝つと、来年はもっとスゴイ人気レースとなるでしょうね!








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