2009/7/9 10:02




ツール・ド・フランス第5ステージ
7年目の挑戦でツール初優勝!ヴォクレール、感極まって男泣き
トマ・ヴォクレールが鮮やかなソロアタックを決め、ツール挑戦7回目にして初優勝を果たした。2004年大会で、10日間マイヨジョーヌに袖を通したことのあるヴォクレール。「この5年、長かった・・・」感極まったヴォクレールは、うっすらと瞳をにじませた。
地中海に突き出した岬、ル・キャップ・ダグデから、スペインに程近いペルピニャンまで、196.5kmを南下する今日のコース。大勢のバカンス客に見送られながら、178人は12時46分、岬をスタートした。
昨日の落車で、左腕に複雑骨折を折ったスキル・シマノのピエート・ローイヤッケルは、そのまま救急病院に運ばれて手術を受けることに。残念ながら、彼のツールはここで終わってしまった。
チームメイトに捧げるかのように、6km付近で勢いよく飛び出した別府史之。トマ・ヴォクレール、アントニー・ジェラン(フランス・デ・ジュー)、マルチン・サパ(ポーランド、ランプレN.G.C)が便乗し、4人の逃げが形成される。が、別府が徐々に後退して集団に飲み込まれると、かわりにカチューシャのミハイル・イグナチエフが発射、別府のチームメイト、アルバート・ティマー、ヤウヘニ・フタロヴィッチ(フランセーズデジュー)も加わって、先頭集団は6人となる。
6人は快調にメイン集団との差を広げて、40km付近では最大9分35秒差に。チームコロンビアのコントロールで次第に差は縮まるが、6人はそのまま逃げ続ける。今日は朝から強風が吹き、吹きっさらしの平野では、木々は斜めに傾き、普通に立っていられないほど。海岸線に進入したライダーたちは、突風にバランスを奪われて落車が続出する。
メイン集団のサクソバンクがスピードを上げると、風の影響を受けて集団は4つに分裂。第3ステージで前後にまっぷたつに分かれてしまった教訓からか、第一集団には、アスタナ一派やカヴェンディッシュら、主要なエースはしっかり食いついている。
その後ふたたび集団はひとつにまとまるが、6人の逃げグループは1分強のリードをなんとか保って、ひたすらゴールを目指す。残り6km付近から、6人はせわしなくお互いの動きを牽制。アタックの機会をうかがう。最初にアタックしたのはイグナチエフ。しかしすぐにチェックが入って不発に終わる。続いてヴォクレールがアタック!他のライダーは一瞬反応が遅れて逃がしてしまう。
最後まで、可能性を疑っていたのは、ヴォクレール本人。何度も何度も後ろを振り返りながら、最終コーナーへ。ラスト数メートル、ようやく優勝を確信すると、左手を大きく振って、ウィニングラン。単独でゴールゲートをくぐった30歳のベテランライダーは、両腕を大きく広げてキッスを投げた。
「そのうち集団に追いつかれると思ったから、今出ておかないと!と思った。」
信じられない、と言った表情のヴォクレール。5年前、初めてツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを手にしたのは、偶然にも、ちょうど今日と同じ、7月8日だった。「この勝利は、特別な快挙だ。」
アグレッシブさが売りの男がむせぶ姿に、ファンは大歓声を送った。5年前のマイヨジョーヌは、彼をフランスで一番人気のライダーにのし上げた。しかし人気の秘密はそれだけではない。時にムダな抵抗とわかっていても、果敢にアタックするそのファイティング・スピリッツ。
船乗りだった父親の仕事のため、生まれて間もなくカリブ海のマルティニーク島に移り住んだトマ少年は、そこで自転車の味を知った。17歳になると、「フランスに帰って自転車を続けたい」と母親に頼みこみ、18歳で単身フランスに渡った。ナントの寄宿学校で、勉学とサイクリングに明け暮れる日々。ナントを本拠地にするユース組織ヴァンデUの目にとまり、プロへの道がひらけた。パリ〜ルーベのエスポワール部門でトム・ボーネンに次ぐ2番手という成績をあげると、2001年、チーム・ボンジュールとのプロ契約にこぎつける。ブイグテレコムのベルノドー監督は「トマには、ほかの選手にはない、アグレッシブさとガッツがある。」と語る。12歳のとき、父親は、いつもどおり航海に出かけたきり、二度と戻ってはこなかった。生きているかも死んでいるかもわからない。取り残された不安は、少年を強くした。
「彼はマシンだよ!」新城幸也はチームリーダーをそう言って讃えた。アスタナ軍団やカンチェラーラら、外国勢ばかりが話題をさらう今年のツール。トマ・ヴォクレールは自国の誇りを保った。
ヴォクレール以下は、2位のイグナチエフから156位までが7秒差の同タイムフィニッシュ。「風が強くて大変だった。疲れました・・・」と話した新城は18位。序盤で逃げた別府は72位。
総合順位に変動はなく、マイヨジョーヌはファビアン・カンチェラーラが、マイヨ・ヴェールはマーク・カヴェンディッシュが、そしてポワルージュはユッシ・ヴェッカネンがキープした。
明日の第6ステージは、国境を越えてスペインへ。スタート地点のジローナはツール初登場の地。途中第3級の峠を2つ超えるが、明日からの山岳レース突入を前に、スプリンターには前半戦最後のチャンスだ。このあたりを練習コースにしているスペインチームも、積極的なレースに出ることだろう。
2位 ミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ) +7"
3位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア-HTC)
4位 タイラー・フェラー(アメリカ、 ガーミン・スリップストリーム)
5位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、チームミルラム)
6位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)
7位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
8位 ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)
9位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
10位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
18位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)
72位 別府史之(日本、スキル・シマノ)
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1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) 15h07'49"
2位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ) +00"
3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) +19"
4位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ) +23"
5位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ) +31"
6位 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、ガーミン) +38"
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、アスタナ) +51"
8位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア-HTC) +52"
9位 デイヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン) +1'06"
10位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン) +1'07"
139位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) +6"49"
150位 別府史之(日本、スキル・シマノ) +7'35"
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マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビアHTC)
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ユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、フランセーズデジュー)
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トニ・マルティン(ドイツ、 チームコロンビアHTC)
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ツール・ド・フランス2009第5ステージ グラフィックス
text:Yuki Ogawa
photo:(c)Tim De Waele
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地中海に突き出した岬、ル・キャップ・ダグデから、スペインに程近いペルピニャンまで、196.5kmを南下する今日のコース。大勢のバカンス客に見送られながら、178人は12時46分、岬をスタートした。
昨日の落車で、左腕に複雑骨折を折ったスキル・シマノのピエート・ローイヤッケルは、そのまま救急病院に運ばれて手術を受けることに。残念ながら、彼のツールはここで終わってしまった。
チームメイトに捧げるかのように、6km付近で勢いよく飛び出した別府史之。トマ・ヴォクレール、アントニー・ジェラン(フランス・デ・ジュー)、マルチン・サパ(ポーランド、ランプレN.G.C)が便乗し、4人の逃げが形成される。が、別府が徐々に後退して集団に飲み込まれると、かわりにカチューシャのミハイル・イグナチエフが発射、別府のチームメイト、アルバート・ティマー、ヤウヘニ・フタロヴィッチ(フランセーズデジュー)も加わって、先頭集団は6人となる。
6人は快調にメイン集団との差を広げて、40km付近では最大9分35秒差に。チームコロンビアのコントロールで次第に差は縮まるが、6人はそのまま逃げ続ける。今日は朝から強風が吹き、吹きっさらしの平野では、木々は斜めに傾き、普通に立っていられないほど。海岸線に進入したライダーたちは、突風にバランスを奪われて落車が続出する。
メイン集団のサクソバンクがスピードを上げると、風の影響を受けて集団は4つに分裂。第3ステージで前後にまっぷたつに分かれてしまった教訓からか、第一集団には、アスタナ一派やカヴェンディッシュら、主要なエースはしっかり食いついている。
その後ふたたび集団はひとつにまとまるが、6人の逃げグループは1分強のリードをなんとか保って、ひたすらゴールを目指す。残り6km付近から、6人はせわしなくお互いの動きを牽制。アタックの機会をうかがう。最初にアタックしたのはイグナチエフ。しかしすぐにチェックが入って不発に終わる。続いてヴォクレールがアタック!他のライダーは一瞬反応が遅れて逃がしてしまう。
最後まで、可能性を疑っていたのは、ヴォクレール本人。何度も何度も後ろを振り返りながら、最終コーナーへ。ラスト数メートル、ようやく優勝を確信すると、左手を大きく振って、ウィニングラン。単独でゴールゲートをくぐった30歳のベテランライダーは、両腕を大きく広げてキッスを投げた。
「そのうち集団に追いつかれると思ったから、今出ておかないと!と思った。」
信じられない、と言った表情のヴォクレール。5年前、初めてツール・ド・フランスでマイヨジョーヌを手にしたのは、偶然にも、ちょうど今日と同じ、7月8日だった。「この勝利は、特別な快挙だ。」
アグレッシブさが売りの男がむせぶ姿に、ファンは大歓声を送った。5年前のマイヨジョーヌは、彼をフランスで一番人気のライダーにのし上げた。しかし人気の秘密はそれだけではない。時にムダな抵抗とわかっていても、果敢にアタックするそのファイティング・スピリッツ。
船乗りだった父親の仕事のため、生まれて間もなくカリブ海のマルティニーク島に移り住んだトマ少年は、そこで自転車の味を知った。17歳になると、「フランスに帰って自転車を続けたい」と母親に頼みこみ、18歳で単身フランスに渡った。ナントの寄宿学校で、勉学とサイクリングに明け暮れる日々。ナントを本拠地にするユース組織ヴァンデUの目にとまり、プロへの道がひらけた。パリ〜ルーベのエスポワール部門でトム・ボーネンに次ぐ2番手という成績をあげると、2001年、チーム・ボンジュールとのプロ契約にこぎつける。ブイグテレコムのベルノドー監督は「トマには、ほかの選手にはない、アグレッシブさとガッツがある。」と語る。12歳のとき、父親は、いつもどおり航海に出かけたきり、二度と戻ってはこなかった。生きているかも死んでいるかもわからない。取り残された不安は、少年を強くした。
「彼はマシンだよ!」新城幸也はチームリーダーをそう言って讃えた。アスタナ軍団やカンチェラーラら、外国勢ばかりが話題をさらう今年のツール。トマ・ヴォクレールは自国の誇りを保った。
ヴォクレール以下は、2位のイグナチエフから156位までが7秒差の同タイムフィニッシュ。「風が強くて大変だった。疲れました・・・」と話した新城は18位。序盤で逃げた別府は72位。
総合順位に変動はなく、マイヨジョーヌはファビアン・カンチェラーラが、マイヨ・ヴェールはマーク・カヴェンディッシュが、そしてポワルージュはユッシ・ヴェッカネンがキープした。
明日の第6ステージは、国境を越えてスペインへ。スタート地点のジローナはツール初登場の地。途中第3級の峠を2つ超えるが、明日からの山岳レース突入を前に、スプリンターには前半戦最後のチャンスだ。このあたりを練習コースにしているスペインチームも、積極的なレースに出ることだろう。
ツール・ド・フランス2009 第5ステージ結果
1位 トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム) 49h29'35"2位 ミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ) +7"
3位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア-HTC)
4位 タイラー・フェラー(アメリカ、 ガーミン・スリップストリーム)
5位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、チームミルラム)
6位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)
7位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
8位 ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル)
9位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
10位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
18位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)
72位 別府史之(日本、スキル・シマノ)
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1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) 15h07'49"
2位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ) +00"
3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) +19"
4位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ) +23"
5位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ) +31"
6位 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、ガーミン) +38"
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、アスタナ) +51"
8位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア-HTC) +52"
9位 デイヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン) +1'06"
10位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン) +1'07"
139位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) +6"49"
150位 別府史之(日本、スキル・シマノ) +7'35"
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マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビアHTC)
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ユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、フランセーズデジュー)
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ツール・ド・フランス2009第5ステージ グラフィックス
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ピックアップライダー

ヴォクレール「この勝利をずっと前から望んでいた。」
(2009/7/9)
ステージ成績
(2009/7/9)
個人総合成績 マイヨジョーヌ
(2009/7/9)
個人総合ポイント賞 マイヨヴェール
(2009/7/9)
個人総合山岳賞 マイヨブランアポワルージュ
(2009/7/9)
個人総合新人賞 マイヨブラン
(2009/7/9)
チーム総合成績
(2009/7/9)
ヴォクレールが念願のツール初勝利!
(2009/7/9)
8 コメンテーター: felt コメント日: 2009/07/11 00:40:20
ヴォクレールのマイヨジョーヌの姿の印象が強かったため、マイヨジョーヌの獲得をしたときにステージ優勝をしていると思っていただけに、ツール初優勝とは驚きでした。さらに彼ほどのネームバリューがあり、かつ数多くの優勝を飾っており、さらにはマイヨジョーヌを10日も保持した経験がある選手がたった一つの勝利を獲得しただけでうれしさのあまり泣いてしまったのを見ると、ツールでの1勝かどれほと大きく、偉大なものであるかというものを改めて見せられたステージになりました。
これほどのレースに日本人が2人も出場して活躍をしているのを見ると、どれだけすばらしい事なのであるかを改めて思い知られるのと同時に、このレースで日本人が勝つのにはまだまだいろいろと改善をすべき事が多いとは思いますが、この第一歩を踏み台にしていつの日か日本人がステージ優勝を・・・と、願わずにはいられません。
9 コメンテーター: kobiash コメント日: 2009/07/12 15:46:33
ついに来た!トマ・ヴォクレールが!同じくツールの母国を背負って立つ、カザルやシャヴァネルがステージ優勝をあげていく中、ようやく勝ち取った勲章。初優勝っていうのも以外でしたが、本当に”らしい”勝ち方でした。
ひょっとして、第2ステージで新城選手を引いたことが幸運を呼び込んだ…?
10 コメンテーター: 1500 コメント日: 2009/07/15 14:34:45
あと数秒で追いつかれる!このギリギリの逃げを決めたのはブイグのヴォクレール
やはり逃げ切り優勝はいつ見ても興奮しますね








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