2009/4/11 21:19
アスタナのゼネラル・マネージャー、ヨハン・ブリュイネールは、ランス・アームストロングが先月、フランス南部での競技外検査でアンチ・ドーピング規則に対する違法行為を行ったとのフランス・アンチ・ドーピング機関(AFLD)の告発に対し、アームストンログを擁護した。
9日夕方、バスク一周の開催地に到着したブリュイネールは、スペインのスポーツ日刊紙『マルタ』に対し、アームストロングは何も悪いことはしていないし、フランス人たちはアームストロングに悪意を抱いていると主張した。
さらに、ブリュイネールは『マルタ』に「どんな犠牲を払っても、彼らがランスの首を欲しいのは間違いない。驚くことではないよ。彼らが彼の人生を困難なものにしようとしてきたことは知っていたからね。でも今回告発されたような事実は無い。ランスはレースに復帰すると宣言してから、世界の半分にわたる各地域で24回のアンチ・ドーピング・コントロールをパスしてきた。23回はなんの問題もなく行われた。しかし最後の1回、フランスで一度だけ行ったものが、すでに我々の生活を込み入ったものにしているんだ」と語った。
4月2日、AFLDの職員は、3月17日にフランスのコートダジュールで実施された競技外検査中に、アームストロングが検査官の「直接かつ継続的な監視下にとどまる義務を守らなかった」と発表。アームストロングは、翌週火曜日の7日に声明を発表し「その日の検査を回避しようとしたり、遅らせようとしたりはしていない」と語っている。
ブリュイネールは、フランスのニースにあるサン・ジャン・キャップ・フェラ近くの家に予告なく検査官が現れたときに、アームストロングと一緒にいた。そこでアームストロングは、ミラノ〜サンレモに向けてトレーニングを行っていた。
ブリュイネールは「ニースのアームストロングの家に、AFLDの検査官として派遣された人物が現れた。そして、論理的に、彼を中に入れるべきかそうでないか判断するためいくつか質問したんだ。第一に委任状を見せてもらうため、第二にAFLDが外国人をコントロールする権限を持っているか知らなかったからだ。質問することが犯罪になるなんて信じられないだろ? おかしなことは何もなかった。我々は事情を確認して、彼を中に入れた。ランスは尿、血液、頭髪のサンプルを与えた。それらすべては陰性だとの返答だった」と当時の状況を説明した。
検査官が待っている間、アームストロングが尿を操作することはできたかと質問されたブリュイネールは「そして、血液と頭髪もか? 状況がこれほど深刻でないならば、笑い事だよ」と口を差し挟んだ。
そして、ブリュイネールは「それは20分間のことだった。彼を処罰しようとするどんなに小さな細かいことでも彼らはつかまえようとする。何かを見つけようとすごく期待しているんだ。片手にライフル、もう片方の手にランスの首というトロフィーを持った写真を誰かが欲しがっていることは間違いない。重要なことは検査は陰性だったということだ」と語った。
ブリュイネールは、スターである彼の愛弟子に対する魔女狩りだとはわかっていると不満を表現。そして「我々は無力を感じたよ。彼らはただ彼を傷つけることだけをやろうとしているみたいだからね。彼らはアームストロングがアンチ・ドーピング規定を破ったと言っている。でも、懲戒処分を与えることは、制裁と同じ意味ではない。ランスに起こったことは、ほかのスポーツではまったく想像できないことだろう」と語っている。
アームストロングは10日、ビデオメッセージを発表し、この告発に根拠はなく、AFLDによるルールの拡大解釈を反映したものだと語った。
さらに「このことがエスカレートすると私は心配している。そして、近い将来にAFLDがさらにバカげたことをするのを見ることになるだろう。私がツールに出場するのを彼らが禁じる可能性はとても高い。あまりにもひどいことだ。ツールは私が心から愛しているもの、私が出場したがっていたもの、私が戦いたがっていたものだ。たとえ勝利のためであろうと、アルベルト(コンタドール)やリーヴァイ(ライプハイマー)のアシストをするためであろうとね」と語っている。
AFLDが論点としているのは、アームストロングが3月17日に行われた競技外検査に関連し、AFLDの検査官の身分が確認されるまで、検査官が彼の家の中に入るのを拒絶したことにある。現行のドーピング規定では、選手はサンプルが採取されるまで検査官の面前にとどまることが求められている。しかしアームストロングは、ブリュイネールが検査官の持つUCI(国際自転車競技連合)の身分証を確認している間、シャワーを浴びるためにその場を離れていた。
アームストロングは、検査官が彼の家で待っていることに気づいたとき、疑いを持つべき理由があったと語っている。
「私はニースの家にトレーニングから帰ってきた。そこにひとりの男が立っていて、『私はあなたのドラッグテストにやってきた。あなたの血液、尿、頭髪が必要だ』と言った。彼がひとりだったこと、家の外で待っていたことを奇妙だと思ったんだ」とアームストロングは振り返った。
さらに「20年間この競技をやってきて、ドラッグ検査官がひとりで来るのを私は見たことがなかった。通常、彼らはつねに証人として、または別の理由で誰かを伴っている。彼はひとりだった。怪しい感じがしたよ。そして、もちろん我々はフランスにいたから、そこではどんな状況に巻き込まれるのかまったくわからないんだ」と指摘した。
AFLDは、身分を確認する前に検査官を放置していたアームストロングの判断に異論を唱えている。しかし、アームストロングは、当時は(検査官から)まったく異論は出なかったと語っている。
「コントロール(ドーピング検査)が終わり、彼は報告書を書き終えた。彼は、報告書の紙には異常なことがあったかどうか、注意を促すべきことがあったかどうかを記入するスペースがあると言ったんだ。彼の見解は、ノーだった。何も異常はなかった」とアームストロングは断言した。
AFLDの訴えによって、アームストロングはこのスポーツへの復帰の重要な要素と見なしていた大会であるツールの出場を禁じられる結果になるかもしれない。
アームストロングは「カムバックは2つの大きな理由で重要なんだ。もちろん、私は自転車レースへの情熱を持っている。いまだにだ。しかし、より重要なことはガンとの世界的な戦いに情熱を持っていることだ。それはオーストラリアで始まり、カリフォルニアへ行き、メキシコへ行き、イタリアへ持って行こうとしている。そして、もちろん我々はそのストーリーをフランスで語りたいんだ。もしツールに出場できないと、我々はそれができなくなる。そして、それがまさに彼らの判断なんだ。彼らのイベントで、彼らの国で、彼らのルールがある。だから、我々は彼らに従って動かなければならないんだ」と語った。
またアームストロングは、先月、スペインで開催されたブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオンの第1ステージで負った鎖骨骨折から回復しつつあるとも語っている。そして、5月9日から始まるジロ・デ・イタリアに間に合うように回復すると予想している。
「すべて順調なようだ。傷口を縫った糸は外れたし、傷跡はいい具合に治ってきた。本物の鎖骨とプレートの感じもしっくりきている。私は自転車に乗って走りに行っているんだ。まったく以前と同じようにね。骨はかなり固まってきていると思うよ。ジロ・デ・イタリアまでには大丈夫になると思う」と語っている。
国際自転車競技連合(UCI)のパット・マケイド会長は、3月17日に行われたランス・アームストロングの競技外ドーピング検査に関するAFLDの対応に異論をとなえた。
10日、マケイド会長は「AFLDは、UCIがこの件について管轄外であることをわかっていながら、検査手続きについての報告書を作成し、UCIに送付することを決定した。同時にこの同じ報告書がプレスにリークされた」と発言。
さらに「私はなぜこのような事態になったのか問いたださなければならない。各国のアンチ・ドーピング機構のような組織と国際的な連盟、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の間の通常の手続きは、プロフェッショナルかつ極秘の方法でいつもは処理される。今回の場合、それがプレスにリークされ、私はそのことをとても遺憾に思っている」と語っている。
・アームストロングが間違ったことをしたと思いますか?
・もしAFLDとASOがアームストロングの今年のツール・ド・フランス出場を禁止したら、どのように思いますか?
皆さんのコメント、お待ちしています。
text:Valentino Sebic
translation:Tatsuya Mitsuishi
ブリュイネール監督、AFLDの告発に対しアームストロングを擁護
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| 『アスタナのヨハン・ブリュイネール監督』 |
9日夕方、バスク一周の開催地に到着したブリュイネールは、スペインのスポーツ日刊紙『マルタ』に対し、アームストロングは何も悪いことはしていないし、フランス人たちはアームストロングに悪意を抱いていると主張した。
さらに、ブリュイネールは『マルタ』に「どんな犠牲を払っても、彼らがランスの首を欲しいのは間違いない。驚くことではないよ。彼らが彼の人生を困難なものにしようとしてきたことは知っていたからね。でも今回告発されたような事実は無い。ランスはレースに復帰すると宣言してから、世界の半分にわたる各地域で24回のアンチ・ドーピング・コントロールをパスしてきた。23回はなんの問題もなく行われた。しかし最後の1回、フランスで一度だけ行ったものが、すでに我々の生活を込み入ったものにしているんだ」と語った。
4月2日、AFLDの職員は、3月17日にフランスのコートダジュールで実施された競技外検査中に、アームストロングが検査官の「直接かつ継続的な監視下にとどまる義務を守らなかった」と発表。アームストロングは、翌週火曜日の7日に声明を発表し「その日の検査を回避しようとしたり、遅らせようとしたりはしていない」と語っている。
ブリュイネールは、フランスのニースにあるサン・ジャン・キャップ・フェラ近くの家に予告なく検査官が現れたときに、アームストロングと一緒にいた。そこでアームストロングは、ミラノ〜サンレモに向けてトレーニングを行っていた。
ブリュイネールは「ニースのアームストロングの家に、AFLDの検査官として派遣された人物が現れた。そして、論理的に、彼を中に入れるべきかそうでないか判断するためいくつか質問したんだ。第一に委任状を見せてもらうため、第二にAFLDが外国人をコントロールする権限を持っているか知らなかったからだ。質問することが犯罪になるなんて信じられないだろ? おかしなことは何もなかった。我々は事情を確認して、彼を中に入れた。ランスは尿、血液、頭髪のサンプルを与えた。それらすべては陰性だとの返答だった」と当時の状況を説明した。
検査官が待っている間、アームストロングが尿を操作することはできたかと質問されたブリュイネールは「そして、血液と頭髪もか? 状況がこれほど深刻でないならば、笑い事だよ」と口を差し挟んだ。
そして、ブリュイネールは「それは20分間のことだった。彼を処罰しようとするどんなに小さな細かいことでも彼らはつかまえようとする。何かを見つけようとすごく期待しているんだ。片手にライフル、もう片方の手にランスの首というトロフィーを持った写真を誰かが欲しがっていることは間違いない。重要なことは検査は陰性だったということだ」と語った。
ブリュイネールは、スターである彼の愛弟子に対する魔女狩りだとはわかっていると不満を表現。そして「我々は無力を感じたよ。彼らはただ彼を傷つけることだけをやろうとしているみたいだからね。彼らはアームストロングがアンチ・ドーピング規定を破ったと言っている。でも、懲戒処分を与えることは、制裁と同じ意味ではない。ランスに起こったことは、ほかのスポーツではまったく想像できないことだろう」と語っている。
アームストロング「フランス人はさらにバカげたことをする」
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| 『ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)』 |
さらに「このことがエスカレートすると私は心配している。そして、近い将来にAFLDがさらにバカげたことをするのを見ることになるだろう。私がツールに出場するのを彼らが禁じる可能性はとても高い。あまりにもひどいことだ。ツールは私が心から愛しているもの、私が出場したがっていたもの、私が戦いたがっていたものだ。たとえ勝利のためであろうと、アルベルト(コンタドール)やリーヴァイ(ライプハイマー)のアシストをするためであろうとね」と語っている。
AFLDが論点としているのは、アームストロングが3月17日に行われた競技外検査に関連し、AFLDの検査官の身分が確認されるまで、検査官が彼の家の中に入るのを拒絶したことにある。現行のドーピング規定では、選手はサンプルが採取されるまで検査官の面前にとどまることが求められている。しかしアームストロングは、ブリュイネールが検査官の持つUCI(国際自転車競技連合)の身分証を確認している間、シャワーを浴びるためにその場を離れていた。
アームストロングは、検査官が彼の家で待っていることに気づいたとき、疑いを持つべき理由があったと語っている。
「私はニースの家にトレーニングから帰ってきた。そこにひとりの男が立っていて、『私はあなたのドラッグテストにやってきた。あなたの血液、尿、頭髪が必要だ』と言った。彼がひとりだったこと、家の外で待っていたことを奇妙だと思ったんだ」とアームストロングは振り返った。
さらに「20年間この競技をやってきて、ドラッグ検査官がひとりで来るのを私は見たことがなかった。通常、彼らはつねに証人として、または別の理由で誰かを伴っている。彼はひとりだった。怪しい感じがしたよ。そして、もちろん我々はフランスにいたから、そこではどんな状況に巻き込まれるのかまったくわからないんだ」と指摘した。
AFLDは、身分を確認する前に検査官を放置していたアームストロングの判断に異論を唱えている。しかし、アームストロングは、当時は(検査官から)まったく異論は出なかったと語っている。
「コントロール(ドーピング検査)が終わり、彼は報告書を書き終えた。彼は、報告書の紙には異常なことがあったかどうか、注意を促すべきことがあったかどうかを記入するスペースがあると言ったんだ。彼の見解は、ノーだった。何も異常はなかった」とアームストロングは断言した。
AFLDの訴えによって、アームストロングはこのスポーツへの復帰の重要な要素と見なしていた大会であるツールの出場を禁じられる結果になるかもしれない。
アームストロングは「カムバックは2つの大きな理由で重要なんだ。もちろん、私は自転車レースへの情熱を持っている。いまだにだ。しかし、より重要なことはガンとの世界的な戦いに情熱を持っていることだ。それはオーストラリアで始まり、カリフォルニアへ行き、メキシコへ行き、イタリアへ持って行こうとしている。そして、もちろん我々はそのストーリーをフランスで語りたいんだ。もしツールに出場できないと、我々はそれができなくなる。そして、それがまさに彼らの判断なんだ。彼らのイベントで、彼らの国で、彼らのルールがある。だから、我々は彼らに従って動かなければならないんだ」と語った。
またアームストロングは、先月、スペインで開催されたブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオンの第1ステージで負った鎖骨骨折から回復しつつあるとも語っている。そして、5月9日から始まるジロ・デ・イタリアに間に合うように回復すると予想している。
「すべて順調なようだ。傷口を縫った糸は外れたし、傷跡はいい具合に治ってきた。本物の鎖骨とプレートの感じもしっくりきている。私は自転車に乗って走りに行っているんだ。まったく以前と同じようにね。骨はかなり固まってきていると思うよ。ジロ・デ・イタリアまでには大丈夫になると思う」と語っている。
UCIのマケイド会長、AFLDを激しく批判
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| 『UCI会長のパッド・マッケイド氏』 |
10日、マケイド会長は「AFLDは、UCIがこの件について管轄外であることをわかっていながら、検査手続きについての報告書を作成し、UCIに送付することを決定した。同時にこの同じ報告書がプレスにリークされた」と発言。
さらに「私はなぜこのような事態になったのか問いたださなければならない。各国のアンチ・ドーピング機構のような組織と国際的な連盟、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の間の通常の手続きは、プロフェッショナルかつ極秘の方法でいつもは処理される。今回の場合、それがプレスにリークされ、私はそのことをとても遺憾に思っている」と語っている。
読者のみなさんへ、この事件についてのあなたの意見と考えは?
・AFLDが隠された意図を持っていると信じますか?・アームストロングが間違ったことをしたと思いますか?
・もしAFLDとASOがアームストロングの今年のツール・ド・フランス出場を禁止したら、どのように思いますか?
皆さんのコメント、お待ちしています。
text:Valentino Sebic
translation:Tatsuya Mitsuishi

アームストロングにはツールドフランスに出場してほしい 〜プリュドムの期待
(2009/4/15)














